カザフスタンの住宅に「韓流」(上)

創刊90周年特集 「コリア・スタンダード」の世界普及

氷点下50度を解かすオンドル暖房

 中央アジア・カザフスタンの首都アスタナの都心にある大統領宮殿の向かい側には、経済特区内に韓国式の「住商複合団地」がそびえ立つ。33階建ての2棟は既に完成し、入居が完了しており、現在は残る4棟の建設工事が盛んに行われている。記者が訪れた今年2月24日午後の外気温は氷点下25度を指していた。

 この高層住宅に入居しているマラットさん一家を訪ねると、子供たちが腹ばいになって遊んでいた。通信機器大手エリクソンの現地法人トップを務めるマラットさんは、「10年間、各国を引っ越してきたが、韓国式の暖房(オンドル床暖房)が一番気に入っている」と話した。この建物は韓国の中堅建設会社トンイルハイビルが2007年に建設したもので、現在も別棟の建設が進められている。アスタナの冬は気温が氷点下50度まで下がる。それだけに床を常に暖かく保つ韓国式のオンドルは人気だ。

 2階にはヘルスセンター、ゴルフ練習場、カラオケなどの娯楽設備を完備。地下3階は駐車場で、地上には樹木が植えられた緑地と商店がある。団地内には幼稚園や学校の用地も準備され、団地居住者が通うための小学校から高校までが建設される予定だ。トンイルハイビルの関係者は、「最終段階で建設されるオフィスビルには、病院、オフィス、学習塾などが入居する見通しだ」と説明した。

 アスタナの経済特区は、韓国の首都圏各地にみられるニュータウンをそのまま移設したかのような光景が広がる。

 韓国式のニュータウンは今、世界各地に輸出されている。韓国の建設会社は、過去30年間積み上げてきたニュータウンの建設ノウハウを武器に、中東、中央アジア、アフリカなどの開発途上国に進出している。韓国式ニュータウンは短い工期で、さまざまな生活施設を備えており、現地住民の間では好評だ。

大統領宮殿の向かい側に立ち並ぶ韓国式の「住商複合団地」。韓国の建設会社トンイルハイビルが、カザフスタンの首都アスタナの大統領宮殿近くに高層住宅を建設中だ。ここにはスイス大使をはじめ、30カ国の大使館員らが入居している。/写真=キム・ヨングク記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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