高学歴の貧困問題、解決に着手(下)

 非常勤講師らは、「次の学期に勤務できるかどうかは、助手からの電話1本にかかっている」「家族・親類が助けてくれなければ、生活していくのは困難」と語った。ほとんどの大学では研究室も用意されず、講義がない時間には運動場をうろうろする、という講師もいる。

 これまでの10年間で8人の講師が、現実を悲観し命を絶った。「教授市場」で葬り去られるかもしれないという懸念があるため、処遇改善要求に乗り出すことも容易ではない。

 教育界では、社統委が非常勤講師という名称をなくし、任期制・契約制教授の概念に変えようというしている、と見込んでいる。2-3年前、非常勤講師を「講義教授」に転換する案を一部の大学が研究した際には、▲契約期間は1-3年▲長期休暇中も月給が出る▲4大保険も保障-などといった処遇改善策が検討されたこともある。

 しかし、「大学講師教員地位回復闘争本部」のキム・ドンエ本部長は、「非常勤講師が法的に教員の地位を回復できないのであれば、研究・講義教授というものは弥縫(びほう)策に過ぎない」として反対の意思を表明した。1977年に教育法が改正された際、非常勤講師が教員から除外されたことが、すべての問題の始まりだった、という主張だ。

 教科部の関係者は、「過去の政権の教育革新委員会でも、非常勤講師の問題を話し合ったが、給与を上げるとか、教授の定員を増やすといった案に対し、ほかの部署が難色を示した。容易には解決しない問題」と語った。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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