高学歴の貧困問題、解決に着手(上)

 大学の非常勤講師は、修士・博士の学位を持ちながらも生活苦にあえぐ「高学歴貧困層」と呼ばれる。韓国全体で7万2000人余りに達する非常勤講師には、「行商人」「象牙の塔の奴隷」といった自嘲(じちょう)的な別名まで付いている。

 大学の非常勤講師は時給が平均3万ウォン(約2556円)程度に過ぎず、勤務条件も劣悪だ。大統領直属の社会統合委員会(社統委:高建〈コ・ゴン〉委員長)は、この問題を正式の案件とし、対策の整備に乗り出した。

 社統委が3日に明らかにしたところによると、同委は最近、非常勤講師の劣悪な環境を改善するめの小委員会を作り、非常勤講師を「講座教授」に改編する問題について議論を始めた。この小委員会は、コ・ヒョンイル全南大教授(元韓国教育開発院院長)が委員長を務め、委員12人で構成される。

 小委員会の関係者は、「西欧には非常勤講師という概念がなく、(地位が比較的安定的な)講座教授を置いているが、こうした運営を参考にする」と語る一方、「非常勤講師に教員の地位を付与するかどうかはまだ不確実」とも述べた。社統委は、社会の分裂や対立の要素を解消するため、昨年12月に発足した機関だ。

 教育科学技術部(教科部)の資料によると、4年制大学の非常勤講師は7万2000人に達し、講義担当者の55%を占めているが、月収は平均40万6250ウォン(約3万4623円)で、最低生計費(4人家族基準で136万ウォン=約11万6000円)の30%程度にとどまる。52%の大学は、非常勤講師に4大保険(国民年金・健康保険・雇用保険・労災保険)を一切保障していない。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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