金総書記訪中:随行員として党・軍首脳部総動員

 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の訪中には、党・軍首脳部が総動員されていることが確認された。

 NHKは3日、遼寧省大連のあるホテルの前で、金総書記の一行が移動する様子を撮影した。この映像には、スーツ姿の金永春(キム・ヨンチュン)人民武力部長、労働党の実力者である崔泰福(キム・テボク)秘書や、金養建(キム・ヤンゴン)統一戦線部長などの姿も見られた。北朝鮮軍の第一人者である金永春部長は、これまで4回にわたる金総書記の訪中のうち3回(2000年、01年、04年)、また中国通の金養建部長は2回(00年、01年)同行している。

 このほか、映像には登場しなかったが、姜錫柱(カン・ソクチュ)外務省第1部長の同行も確実視されている。米朝関係や6カ国協議を指揮している姜錫柱部長は、01年、04年、06年にも金総書記の訪中に同行した。北朝鮮による6カ国協議への復帰問題は、今回の中朝首脳会談の主要議題でもある。金養建部長と共に中国通として知られる金永日(キム・ヨンイル)労働党国際部長も、今回の訪中に同行しているとみられる。

 西江大のキム・ヨンス教授は、「経済官僚の多くが同行している」と語った。失脚説が流れた朴南基(パク・ナムギ)労働党計画財政部長に代わり、金英逸(キム・ヨンイル)首相または盧斗哲(ノ・ドゥチョル)副首相兼国家計画委員長が随行団に含まれている可能性が高い。また、北朝鮮で外資誘致に関する任務を担当する、全日春(チョン・イルチュン)国家開発銀行理事長兼労働党39号室(金総書記の秘密資金担当)室長も、同行しているものとみられる。

 一方、後継者と目される三男ジョンウン氏が同行しているかどうかについて、韓国政府の当局者は「可能性は低い」と語った。しかし現時点では、ジョンウン氏の同行に関する情報が錯乱している状況だ。

 東国大のキム・ヨンヒョン教授は、「北朝鮮の最大の関心事は中国が経済支援をするかどうかで、中国としては北朝鮮の6カ国協議復帰の時期と非核化の意思を確認することが最優先課題とされる。こうした状況でジョンウン氏を同行させるとすれば、訪中の焦点が分散することになる」と語った。これに対し、高麗大の柳浩烈(ユ・ホヨル)教授は、「北朝鮮にとって、中国はどの国よりも重要だ。中国の受け入れ姿勢を試すという側面から、ジョンウン氏を同行させることも考えられる」と語った。

 これまで内政中心に進められてきた「後継授業」の外縁を広げる必要性も提起されている。「外交の経験を積むという側面から、ジョンウン氏を同行させている可能性もある」(鄭永泰〈チョン・ヨンテ〉統一研究院北朝鮮研究センター所長)というわけだ。

 しかし、金総書記がジョンウン氏を同行させたとしても、中国側に「後継者」として公式に紹介する可能性は低い、というのが専門家らの共通した見解だ。鄭永泰所長は、「ジョンウン氏が同行しているとすれば、随行員の身分である公算が高い」と語った。

李竜洙(イ・ヨンス)記者

【ニュース特集】金総書記4年ぶり訪中

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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