金総書記訪中:「天安」と経済支援で一石二鳥狙いか(下)

 中国が金総書記の訪中を受け入れたことに関し、外交安保研究院のキム・フンギュ教授は「中国にとって最大の関心事は、韓半島の安定を維持することだ。中国は『天安』事故と北朝鮮の経済難というスパイラルで、北朝鮮の危機が増幅されることを望んでいない」と指摘した。

6カ国協議めぐる立場の差

 外交安保研究院の尹徳敏(ユン・ドクミン)教授は「北朝鮮は1983年のラングーン事件後、米国が望んでいた3カ国会談を受け入れる意思を突然示した。今回も6カ国会談への復帰に言及する可能性がある」と分析した。現在、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議に対する韓国、米国、中国の立場は少し異なる。韓国は「天安」事故の調査結果が出るまで、冷却期間が必要と判断している。米国は調査結果が先決としながらも、内心では6カ国協議に関心を示している。

 6カ国協議の議長国である中国は、「天安」事故と核問題は別だとして、韓米両国を説得しようとする可能性がある。金総書記は中国に対し、「3回目の核実験やミサイル発射などで韓半島の安定を損ねない」と表明し、「平和攻勢」をかける可能性もある。韓国の国策シンクタンク研究員は、「韓米同盟に基づき中国を説得しようとした韓国の戦略に障害が生じることもあり得る」と懸念した。

 中国が北朝鮮にどれだけ経済支援を行うかも関心事だ。国家安保戦略研究所のイ・スソク南北関係研究室長は、中国の温家宝首相が昨年訪朝した際、2000万ドル(約19億円)の支援を約束した点を挙げ、「金総書記が胡主席と会えば、少なくともコメ10万トン、6000万ドル(約57億円)相当を含む1億ドル以上(約95億円)の支援を得ようとするはずだ」と指摘した。しかし、北朝鮮が「天安」事故に関与した明確な証拠が出れば、「中国も大規模な経済支援を行うのは困難だ」(チュ・ジェウ慶熙大教授)との分析が有力だ。

アン・ヨンヒョン記者

李竜洙(イ・ヨンス)記者

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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