金総書記訪中:「天安」と経済支援で一石二鳥狙いか(上)

 3日に訪中した北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は、早ければ4日にも中国の胡錦濤国家主席と首脳会談を行うとみられる。専門家は、金総書記が哨戒艦「天安」沈没事故をめぐる形勢逆転と経済支援の獲得という「一石二鳥」を狙った訪中だと分析している。また、北朝鮮が6カ国協議への復帰意向を示した場合、韓米中間に立場の差が生じることもあり得るとみている。

形勢逆転狙いか

 金総書記が今この時期に訪中する最大の理由については、「天安」事故を挙げる専門家が多かった。国家安保戦略研究所のパク・ビョングァン博士は「『天安』事故に対する韓米の立場が明らかになる中、金総書記は訪中というカードで現在の不利な形勢を逆転しようとしたのではないか」と分析した。東国大のキム・ヨンヒョン教授も「北朝鮮が『天安』事故で国際社会からの圧力が予想される中、逆転を狙ったとみられる」と語った。

 先月30日に韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が中国の胡主席と会談したことが、金総書記の訪中を急がせた可能性もある。京畿大の南柱洪(ナム・ジュホン)教授は「当時、胡主席は『天安』の犠牲者に対する慰めの意思を表明した。金総書記は『天安』事故で中国までもが北朝鮮に背を向ける事態を最も恐れたのではないか」と分析した。

 しかし、北朝鮮が「天安」事故への関与について、具体的に言及する可能性は低いとの見方が有力だ。中央大のイ・ジョウォン教授は「具体的な証拠が示されていない状況のため、『韓半島(朝鮮半島)の平和を願う』といった禅問答になる可能性がある」と指摘した。

 一方、西江大のキム・ヨンス教授は「金総書記の第一の狙いは経済支援」と指摘する。貨幣改革で不足する食糧や物資の問題を解決するため、頼れるのは中国だけだ。北朝鮮の中国に対する貿易依存度は75%を超える。北朝鮮は4-5月の食糧不足期を乗り切るため、軍用米倉庫(2号倉庫)も開放したとされる。統一研究院の鄭永泰(チョン・ヨンテ)博士は「これまでのようにただでよこせというのは難しいが、羅津港の開発権、新義州開発プロジェクトなどを提示し、中国の経済支援を得ようとするのではないか」と話した。

【ニュース特集】金総書記4年ぶり訪中

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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