金総書記訪中:何が話し合われるのか

 3日に中国を訪問した北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記は、4日から5日にかけて、胡錦濤国家主席をはじめとする中国の最高指導部と相次いで会談を行うものとみられる。金総書記と胡主席の首脳会談では、経済協力や支援はもちろん、韓半島(朝鮮半島)の非核化、後継者問題に至るまで、包括的な問題が話し合われる、というのが専門家らの見方だ。

 やはり主な議題は、経済問題になる見込みだ。北朝鮮は、金剛山観光など南北経済協力が遅々として進まない中、今年初めから、中朝国境地帯を中心とする両国の経済協力を推進している。対中経済協力で新たな「ドル箱」を模索しようというわけだ。中国が豆満江(中国名:図們江)を通じ東海(日本海)に出る経路上にある羅先港の対中開放や、新義州・丹東の国境地帯を開城工業団地のような経済特区として開発する案などが検討されている。これに対し胡主席は、こうした経済協力が民間レベルで効果的に行われるよう、政府間の投資保障協定などをはじめとする法制度を整備する必要性を強調する可能性がある。また、北朝鮮内部の道路や電力網など、インフラ改善のため、支援を行う意向を明らかにするものとみられる。

 6カ国協議の再開や韓国で発生した哨戒艦「天安」の沈没事故など、東北アジア地域での国際政治上の懸案についても、意見交換があるものと見込まれている。金総書記が首脳会談の席で改めて非核化の意思を表明し、6カ国協議への復帰を宣言する、と中国の専門家らはみている。天安沈没事故については、「南北間の問題」という立場を固守するという分析が出ている。

 デリケートな問題の一つに挙げられる後継者問題については、胡主席に了解を求める、という見方もある。北京の外交消息通は、「三男ジョンウン氏に権力を承継させる問題が、主な議題の一つになるだろう」と語った。

 金総書記の訪中は、今回4年ぶりとなる。これまで、2006年の北朝鮮による1回目の核実験、昨年の2回目の核実験を経て、中国最高指導部の北朝鮮に対する見方は決して擁護的ではなかった。この間、双方が鋭い舌戦を繰り広げたこともある。中国が国連制裁に参加した昨年7月には、金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長が、「6カ国協議は永遠に終わった」と、中国が主導する6カ国協議に対するボイコットを宣言したこともあった。

 それでも中国が金総書記を歓待する裏には、国益の論理がある。北京にある政法大のある教授は、「中国は北朝鮮の核問題に同調してはいないが、北朝鮮が経済難などで崩壊の危機に瀕(ひん)することも、国益に合致しない」と語った。清華大国際問題研究所の劉江永教授は、「両国関係がより一層強化されることで、韓半島の非核化や6カ国協議、北朝鮮の経済発展などに弾みが付くチャンスとなる」と語った。

北京=崔有植(チェ・ユシク)特派員

【ニュース特集】金総書記4年ぶり訪中

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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