世界が学ぶ韓国の成功ノウハウ(上)

創刊90周年特集 「コリア・スタンダード」の世界普及

 今年3月11日、企画財政部に崔京林(チェ・ギョンリム)駐ブラジル大使から公電が届いた。ブラジル政府が同国北東部の輸出振興区域を整備するのに際し、韓国政府の支援を必要としているという内容だった。ブラジル政府は1970年代に韓国の輸出と外資誘致を主導した「馬山輸出自由地域」をモデルとして、輸出振興地域を整備したい考えだ。

 これに先立ち、今年初めには米州開発銀行(IDB)からも同様の要請が寄せられた。エルサルバドルに韓国式の庶民向け住宅を供給し、ボリビアに韓国のような中小企業を育成する上で、韓国政府による政策指導を受けたいとの内容だった。過去1年間に世界約20カ国から、韓国の経済開発、経済危機克服に関する政策指導を求める要請が相次いだ。

 韓国経済のあらゆる成功モデルが今、世界各国に伝わりつつある。開発途上国の立場からすれば、1970-80年代に産業を育成し、その後は通貨危機を克服して、IT産業の育成、世界的な金融危機の克服へとつながる韓国の経済発展経験が「経済の教科書」としての役割を果たしているのだ。韓国政府もこうしたノウハウを伝授するのに積極的だ。企画財政部は今年、77億ウォン(約6億1000万円)の予算を投じ、アジア、中東、中南米、アフリカの16カ国に政策コンサルティングを展開する予定だ。

急速に広がる韓国型モデル

 3月初め、ベトナムの首都ハノイのあるホテルにベトナムの財務省をはじめ、国家金融監督委員会、中央銀行、開発戦略研究所などの幹部120人が集まり、ベトナム国家発展戦略会議が開かれた。

 この会議には韓国から企画財政部局長や、韓国開発研究院(KDI)の研究委員ら約20人も出席した。

ベトナムの首都ハノイ中心部から東に40キロ離れたゴクホアの工場地帯にある産業用包装材料メーカー「ティンファット」で、女性労働者がしばし手を休めて手を振っている。日産10トン、年商2500億ドン(約11億8000万円)の同社は、2008年の金融危機以降、韓国政府が指導した保証獲得手法により資金援助を受けることができた。/写真=李明元(イ・ミョンウォン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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