【コラム】中国に「10のソウル」が生まれている(上)

 「わたしは天津外国語大学修士課程2年のチャオ・スァンです。今日から4日間、お手伝いするボランティアです」。中国人民日報主催の「東南アジア諸国連合(ASEAN)10カ国+韓中日メディアフォーラム」に参加した外国人記者約20人に対し、天津市政府が手配した通訳ボランティアの一人だ。記者一人につき通訳ボランティア一人が付いた。チャオ・スァンさんは、韓国語の冗談が分かるほどに高い実力の持ち主だった。天津市は「やり過ぎでは?」と思われるほど、外国人記者に対しマンツーマンのサービスを提供した。

 だが、それには同市浜海新区のPRと投資誘致という目的があった。広東省深セン特区が「改革・開放の父」トウ小平氏の作品で、上海市浦東新区が「第3世代」江沢民氏の作品なら、浜海新区は「第4世代」胡錦濤主席の成果と言われている。「計画を立てる際、数十年後を視野に入れ、計画が決まれば揺らぐことなく推し進める」中国の推進力(韓国がかつて得意としたやり方)は上海市浦東新区に続き、天津でもそっくりそのまま見られた。

 先月20日午前、報道陣を乗せたバスが海岸沿いの舗装されていない場所を走り始めた。臨港工業区だ。埋め立て地の入口から30分以上走ったところで、ようやく海が見えてきた。ガイドは「埋め立て地の入口から海までは、一番遠い所で15キロあります」と説明した。新万金防潮堤(全羅北道・西海〈黄海〉岸)の全長の半分に相当する幅だ。浜海新区全体(2270平方キロ)の約10%(205平方キロ)に相当する海岸湿地では、塩水を抜く作業の真っ最中だった。ガイドは「ここに高速鉄道・起重機生産基地・船舶修理工場・海洋太陽光発電設備・食糧基地などが建設される予定です」と説明した。その規模の大きさには、舌を巻くしかなかった。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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