哨戒艦沈没:海上訓練など「武力示威」を検討(上)

金国防長官「いかなる形であれ懲罰」

その現実的手段とは?

 金盛賛(キム・ソンチャン)海軍参謀総長が先月29日に「天安」沈没事故をめぐる報復の意志を表明したのに続き、金泰栄(キム・テヨン)国防長官も2日、「いかなる形であれ懲罰を科すべきだ」と表明したことにより、北朝鮮に対する「懲罰」の手段に関心が集まっている。

 金長官は同日、KBSの時事番組『日曜診断』にテレビ出演し、報復が報復を呼ぶ悪循環に陥る可能性があるという指摘に対し、「もちろん、そうしたことは考慮しなければならない」としながらも、報復の意志を示した。金長官は、金総長が報復の意志を表明したことに「同意」しつつ、「できる限り最後まで確実に原因を究明して、わが将兵を殉国させた勢力に対して責任を負わせなければならない」と語った。

 また、韓国軍の首脳部だけでなく、バウエル・ベル元在韓米軍司令官も、「『天安』沈没事故が北朝鮮の仕業と最終的に判明すれば、強力な封鎖政策を取る必要がある」と語った。

 政府筋・軍関係筋は韓国の強い報復意志について、まず軍事的制裁を考慮することができるが、これは必ずしも武力報復を意味するわけではないとの見解を示している。武力報復としては、今回「天安」を魚雷で攻撃したと推定される潜水艦(艇)や、潜水艦(艇)が出港した基地を精密爆撃する方法がある。韓米両国は米偵察衛星の写真と通信盗聴情報を逆追跡し、「天安」を攻撃したと推定される北朝鮮の潜水艦(艇)の足取りを確認中だが、事態拡大の恐れが懸念されるため武力報復の可能性は低いと評価されている。

 北朝鮮の潜水艦基地、海軍基地などを海岸で封鎖する方法もある。1962年10月、ソ連が核弾道搭載中距離弾道ミサイル基地をキューバに建設したため、米国はキューバに対し海上封鎖措置を取った。その後、ミサイルを積んでキューバに向かっていたソ連の船団がソ連に引き返したことで、11日目に海上封鎖は終了した。しかし、米国側がこれに同調するかは未知数で、北朝鮮軍との武力衝突を招く恐れもあるため、負担が大きい。

【ニュース特集】哨戒艦「天安」沈没

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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