哨戒艦沈没:北朝鮮、中国との連携強化図る(上)
「天安」情勢への対応と経済難打開に向け、6カ国協議への復帰を模索か
北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が中国を訪問するとすれば、中国の最高指導部との面会に最適とされる、今のこの時期が有力と考えられる。胡錦濤国家主席や温家宝首相、習近平副主席らトップが、上海万博の開幕に合わせて、4月下旬以降は中国国内に滞在しているからだ。しかし、哨戒艦「天安」の沈没以降、金総書記がこの時期に中国を訪問しても、大した成果は得られないため、訪中は先送りされるのではないか、と専門家は指摘していた。北朝鮮が天安沈没事故に介入した可能性について検証が終るまでは、6カ国協議や経済支援は再開されにくいからだ。
それでも金総書記が訪中を強行するのであれば、北朝鮮の事情がそれだけ苦しい状況にあることを示している、と専門家は指摘する。北朝鮮としてはデノミネーション(通貨単位の切り下げ)の失敗や国連制裁による経済難克服のために、中国からの支援が必要不可欠な状況にある。天安沈没事故で南北関係の緊張がさらに高まり、国際社会も北朝鮮に疑いの目を向けている状況で、北朝鮮としてはもはや伝統的な友邦である中国以外に頼れるところはない。北京の外交関係者は「この時期を過ぎてしまうと、中国の最高指導者らは外交日程や休暇などがあるため、上半期中に中国を訪問するのは難しくなる。中国からの経済支援を切実に望む北朝鮮としては、これ以上訪中を先送りすることはできないだろう」と述べた。
先月8日、金総書記の統治資金を管理するチョン・インチュル39号室長が北京を5泊6日の日程で訪問したが、これも、金総書記の訪中に先立ち、中国側と経済協力関連の議題について事前に調整するためといわれている。北京のある北朝鮮専門家は、「チョン室長は北京で中国側の関係者と会い、経済協力問題について集中的に話し合った」と語った。
緊急の問題は無償の経済支援だ。北京の外交関係者の間では、金総書記訪中の際には中国がおよそ10万トンの食糧を無償で提供するものと予想されている。10万トンがすべてコメと仮定した場合、額にしておよそ6000万ドル(約56億円)だ。これは昨年、北朝鮮が中国から輸入した食糧(29万トン)の3分の1に相当する。
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