野球:クリーンアップと勝率の関係は?(下)

◆中軸も活躍するSK

 だからといって、クリーンアップの役割を過小評価しているわけではない。明らかにチームの勝敗に影響を与えているし、中軸が打てなくなれば、当然勝率は下がっていくからだ。ただ、クリーンアップは投手力などのほかの要素がそろったとき、はじめて威力を発揮する、という意味だ。実際に、強力な投手陣を中心とした守る野球の定着で、クリーンアップがシナジー効果を発揮するといったケースは、頻繁に見受けられる。その典型的な球団が、昨季のKIAと今季のSKだ。SKはチーム防御率が2.93と、現在リーグきっての投手陣を誇る。ほかのチームに比べて入れ替わりの激しい中軸打線だが、パク・ジョンファン、パク・ジョングォン、チェ・ジョンの活躍で現在10連勝中だ。

◆クリーンアップの不振に悩む斗山・サムスン・KIA

 その他の要素がそろっていても、クリーンアップが威力を発揮できなければ、成績低迷は避けられない。その代表例が斗山とサムスンだ。斗山は最近、金東柱(キム・ドンジュ)の戦線離脱と開幕から3番に座っていたイ・ソンニョルの打撃不振が原因で、開幕以来の首位の座をSKに明け渡してしまった。これにはもちろん先発投手陣の誤算も関係している。

 またサムスンも、パク・ソクミン、チェ・テインのけがによる1軍登録抹消をきっかけに苦戦。LGに3位の座を譲った。KIAも、好調な投手陣とは裏腹に、キム・サンヒョンの戦線離脱など湿り切った中軸打線が原因で、現在5位に甘んじている。

 一方、LGはクリーンアップが不調にあえぐ中、チョン・ソンフン、チョ・インソン、オ・ジファンらの下位打線がクリーンアップに代わる活躍を見せ、勢いに乗っている。

チョン・ヒョンソク記者

スポーツ朝鮮/朝鮮日報日本語版

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