現代自の「販売四天王」、秘訣を語る(下)

■顧客の視線に合わせよ

 イム課長は、スランプのときには、車に乗って公州市内をぐるぐると回ることにしている。夜明けの農水産物市場へ行き、雨に打たれながら白菜を運んでは、唐辛子を仕分けし、練炭を配達する。同課長は「地方の中小都市にすぎない公州は、やる気さえあれば1日10周でもできる。こうして市内を巡り巡って、困っている顧客を見つけては、笑顔で手助けしてあげると、顧客がわれわれを認めてくれるようになる。すると、うわさになって広まる」と話した。

 同課長が「全国販売王」の座に上り詰めることができたのは、ひとえに妻のおかげだという。「週末には妻や弟夫婦と一緒に数千枚もチラシを配る。仕事はきついが、妻は“仕事がなくて受けるストレスよりも、仕事が多くて受けるストレスの方がまし”と言ってくれる」と笑顔で語った。

 ソウル・汝矣島は、国会議事堂やテレビ局、証券会社などが所狭しと軒を連ねる。この韓国経済の中心地で勤務するカン・ミヒ次長は、顧客のさまざまな趣味生活に目を向ける。同次長は「現代自のラグジュアリーブランドというイメージを前面に出し、上流階級の好みを理解し、顧客と視線を合わせていくために、コンサートや映画鑑賞、読書などに投資している。顧客にプレゼントする本は1カ月に50冊以上に上るが、本代は決して惜しくない」と笑った。

 社内モデルとして活躍するかたわら、営業マン専門講師として名をとどろかせたカン次長は、美人であるだけでなく、話術にもたけている。しかし、営業マンであるために言うに言えない寂しさを味わうことも多々あるという。「仕事がきつくて大変なときは、そのまま人間的な自分に戻って誰かを頼りにしてみたくもなるが、わたしと接する人々は“しょせんは営業マン”といった先入観でわたしを見る。このようなときは無性に寂しく、物悲しくなる」と胸のうちを語った。

アン・ジュンホ記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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