現代自の「販売四天王」、秘訣を語る(上)

 4月17日、ソウル市鍾路区桂洞にある現代自動車・販売戦略チームの会議室。昨年120台以上を販売し、「販売優秀者」(該当者はわずか上位4%)として表彰された社員のうち、最高実績を上げた4人の営業マンが、一堂に会した。

 昨年、1日1台に近い驚異的なペース(357台)で販売し、見事「販売王」に輝いたイム・ヒソン課長(忠南公州店)、輸入車有利といわれるソウル市江南区でエクウスやジェネシスなどの高級車を249台も販売したチャ・ドンファン部長(ソウル駅三店)。現代自のロゴが入った青の韓服を身にまとい、白のサンタフェに「車を買うならクォン・ギルジュ」という文字を入れて走るクォン・ギルジュ課長(水原店)、顧客の趣味を理解するため1カ月に20冊以上も本を読み、50冊以上をプレゼントするカン・ミヒ(西汝矣島店)次長、がその主人公。

■顧客を最優先に考える

 2007-08年にかけ2年連続で全国2位となり、09年に見事1位を勝ち取ったイム・ヒソン課長は、「とにかく顧客に呼ばれたら、“常にあなたのそばにいます”という感じを与えることが大事。顧客から電話が入ったら、“はい、今すぐに参ります”と言うべきで、“あ、今はちょっと…”など、ぐずついた返事はしないようにしている」と話した。

 時には顧客からの電話が殺到することもある。そんなときのためにカン・ミヒ次長は、携帯電話の着信音を八つに分類している。最も大切な顧客からの着信音は、フィル・コリンズの「ワン・モア・ナイト」。「ワン・モア・ナイトが流れれば、例え自分が緊急救命室にいても絶対に取らなければならない。着信音を区別することで、今すぐ受けなければならない電話と、通話後にこちらからかけ直してもいい電話とに分けることができる」と、多くの顧客を管理する上での秘訣(ひけつ)に触れた。

 クォン・ギルジュ課長の白のサンタフェには、「車を買うならクォン・ギルジュ」という文字と共に「×××-5000-0365」という携帯電話番号が大きく書かれている。これには、年中無休(1年365日)で働き、累積販売台数で5000台を突破するという意味が込められている。

 顧客から電話が入るといつでも飛んでいかなければならないため、昼夜の区別がなく、週末だからといってろくに休むこともできない。むしろ週末には車の引き渡しが多く、家族と共に時間を過ごすことができない。

 ソウル市江南区は、国産車だけではなく、輸入車との競争も念頭に置かなければならない自動車販売の激戦区。この地で営業マンとして勤めるチャ・ドンファン部長は、1994年に入社して以来、計2330台を販売し、本社から「販売職人」の称号が授与された。現代自でこれまで「販売職人」の称号を手にした営業マンは、わずか195人にすぎない。しかし、同部長が「販売職人」の称号を手にするまでは、苦しかったことやあきらめなければならないことの方が多かった。

 「時には子どもにうそをつかなければならないこともある。遊園地へ行く約束をしても、顧客からの呼び出しが入れば、すべてを捨てて行かなければならないため、子どもとの約束を守ることができなくなることが1度や2度ではなかった。常に申し訳なく思っている」と辛い心境を口にした。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る