1000万ウォンのテレビ、売れ行きは?

 1000万ウォン(約85万円)のテレビはどのぐらい売れるのか。

 サムスン電子が4月26日に発売した「3D(立体)LED(発光ダイオード)テレビ9000(50型)」の価格は990万ウォン(約84万円)。軽自動車1台分に匹敵する価格だ。こんな価格を付けるからには、それなりの理由が必要だろう。サムスン電子は、世界で最も薄型(7.98ミリ)だという点を強調する。これまで最も薄かった製品(厚さ23.9ミリ)の約3分の1だ。

 価格変動がないという点も特別だ。テレビは一般的に、発売から1年で価格が3-4割ほど下落する。例えば、昨年3月の発売当時、399万ウォン(現在のレートで約34万円、以下同じ)だったサムスン電子の46型LEDテレビは、現在では250万ウォン(約21万円)台まで下がっている。

 時には驚くほど高価なテレビが登場する。デンマークの有名なオーディオビジュアル家電メーカー、バング&オルフセンが今年1月に韓国で発売した、超大型の103型プラズマディスプレー(PDP)テレビは、2億2333万ウォン(約1860万円)。同社によると、「販売台数は全世界で約40台だが、韓国ではまだ購入者はいない」という。サムスン電子も2007年に、世界最大(70型)のLEDテレビを5900万ウォン(約500万円)で発売したが、結果は芳しくなかった。100台限定販売を目標にしたが、実際の販売台数は約50台にとどまった。また、テレビメーカーは最新技術を使用するために大量生産が難しい製品について、価格を1000万ウォン台に定める傾向がある。2000年にサムスン電子が初めて液晶ディスプレー(LCD)テレビを開発・販売した当時、価格はやはり1000万ウォン台だった。だが、1000万ウォン台の製品もほとんど売れない。本格的に製品が売れ始めるのは、発売から約1年、価格が4-5割程度下落してからだ。そのため、主力製品の中で、最も高価なテレビの価格は常に500-600万ウォン(約42万-約51万円)台だ。つまり、超高価なテレビは、販売用というよりは、企業の技術力をアピールするためのものというわけだ。

 だが、サムスン電子は「3D-LED9000は違う」との立場だ。サムスン電子のキム・ヒョンソク専務は、「今年初めに米国ラスベガスで開催された、国際家電見本市(CES)で製品を目にした顧客が、『発売されたらすぐ購入したい』と話していた」という。海外の販売店でも、製品の発売時期についての問い合わせが相次いでいるとのことだ。

白剛寧(ペク・カンニョン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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