海外建設事業の収益性低下に嘆く韓国企業
「業績は伸びたが、中身が乏しい」
これは、ある大手建設会社の海外担当役員の発言です。今年、海外建設受注額は過去最高の317億ドル(約3兆円)を記録しています。しかし、その中身はやや事情が異なるようです。
200億ドル(約1兆9000億円)規模のアラブ首長国連邦(UAE)の原子力発電所事業を除けば117億ドル(約1兆1000億円)で、2008年の175億ドル(約1兆6000億円)よりも低い水準です。加えて海外建設市場は、中国・インド企業の攻勢や韓国企業間の競争により収益性が急落しています。
未来アセット証券のピョン・ソンジン次長は、「ユーロ安で欧州建設企業の価格競争力が改善され、韓国企業は中国、インドはもとより、欧州企業とも競争しなければならない状況にあり、これらの企業間で板挟みになっている」と説明しました。
また、発注先の「横暴」もひどくなっています。これらは国内企業間の加熱競争に付け込み、あらゆる無理な要求をしています。
アフリカ・コンゴに進出した建設会社A社は、工事代金の代わりに10億ドル(約940億円)の鉱山採掘権しか譲渡されませんでした。国内大手のB社は最近、中東の最高層ビルの入札を自ら断念しました。発注先が、超高層ビルの付属施設と基盤施設を無償で建設してほしいと要求してきたため、収益性がないと判断したわけです。
こうした理由から建設会社は最近、新たな地域や事業対象の開拓に目を向け始めています。UAEやクウェートなど中東から離れ、北アフリカや中南米などの地域に事業対象を拡大するとともに、淡水プラントや原発分野などにも積極的に取り組んでいます。
現代建設は4月25日、カタールで4億3000万ドル(約400億円)規模の複合開発事業プロジェクトを受注しました。これまでプラント・原発工事を中心に手掛けてきた現代建設にとって、中東地域で進める初の都心複合開発事業です。
海外建設協会の関係者は、「国内の建設景気が低迷しているからといって、むやみに海外に進出しても失敗するのがオチ。海外建設も、ブルーオーシャン(未開拓市場)を開拓し、新たな事業と地域を戦略的にアプローチする必要がある」と話しました。
パク・ソンホ朝鮮経済i記者
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