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【緯度経度】北京・伊藤正 就職難が生んだ「蟻族」 (1/3ページ)

2009.11.21 07:49
このニュースのトピックス中国

 北京の繁華街で、DVDの売人に声をかけられることが増えた。「商品」は各種映画の「盗版」(違法コピー)だ。この世界も競争が激しいらしく、以前は1枚10元(130円)が相場だったが、最近は半値に下落した。

 しばらく前、若いカップルの売人に出合った。男女とも服装も言葉遣いも売人タイプではなく、興味をそそられた。それとなく会話を交わすうち、2人とも北京の大学を数年前に卒業していたことを知った。

 男は河北省、女は四川省の出身で、大学の同級生。いずれも就職に失敗した後も北京にとどまり、同居中だ。「生活のため」2年前に売人稼業に入ったが、現在は「カネをため起業する」のが目標、と男は言った。違法行為への罪悪感は少しもなかった。

 この男女のように、卒業後も正規の職に就かず、本籍地にも戻らずに北京生活を続けている地方出身者は10万人を超えるという。彼らは従来、「北漂」つまり北京の漂泊者と呼ばれてきたが、最近、「蟻(あり)族」の呼称で一躍注目を浴びるようになった。

 北京大学出身の廉思氏ら若手研究グループが2年かけて調査した結果に基づくルポルタージュ『蟻族』(広西師範大学出版社)が命名の由来だ。同書は9月の刊行当時は注目されなかったが、10月以降、各メディアが相次いで紹介、ベストセラーになった。その背景には、大卒者の深刻な就業問題がある。

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