家電量販最大手のヤマダ電機の売上高が、2010年3月期連結決算で、初めて2兆円を超えた。小売業でセブン&アイ・ホールディングス、イオンに次ぐ3番手のヤマダは、長期目標の3兆円に向けて積極的な出店を続ける方針で、6日には中国進出も表明した。さらなる拡大に、競合他社や家電メーカーは警戒感を強めている。
ヤマダが6日に発表した10年3月期連結売上高は、前期比7.7%増の2兆161億円。専門店で初めて1兆円に乗せた05年3月期から、わずか5年でほぼ倍増させた。
10年3月期に34店を出し、店舗数は計563店に拡大。地方の郊外店を得意としてきたが、最近はライバルのビックカメラやヨドバシカメラが強い都心部の駅前に、大型店「LABI」の出店を続けている。昨秋に東京・池袋に開いた旗艦店の売り上げは、目標を上回ったという。
営業利益は同76.3%増の873億円、純利益は同68.5%増の559億円で、いずれも過去最高を更新した。会見した岡本潤取締役は「リーマン・ショックはありがたかった。ぜい肉をそぎ落とせた」と説明。危機をばねに品ぞろえや従業員の配置を見直すなどコスト削減を徹底し、利益を増やしたと強調した。
業界内で、ヤマダは独走状態だ。売上高は2位のエディオンの倍以上。それでも規模の拡大を急ぐのは、「大手7〜8社が3〜4社に減り、生き残りをかけた競争がより激しくなる」(幹部)とみているからだ。売り上げが大きいと、大量購入で商品の仕入れ値を下げることができる。
当面は他社と経営統合せず、出店で売り上げを積み上げていく戦略だ。ベスト電器の株を買い、傘下に取り込むことを検討していたとみられるが、ビックカメラとの争奪戦に敗れた。ヤマダは今の勢いで出店攻勢を続ければ、業界内での売り上げシェアは、現在の26%程度から3割まで引き上げられるとみている。11年3月期も30店前後を出す方針で、増収増益を見込む。
ただ、国内の市場規模は、少子高齢化で大きく膨らむとは考えにくい。エコポイント制度や、11年夏の地上デジタル放送への完全移行による特需もいずれ終わる。そこで、海外展開を決断。初の海外店として中国の天津か瀋陽に今年度後半に店を開くという。今後3年間で中国に計5店程度を出す計画だ。