ライブエンターテインメント情報サイト Base Station on Web

ベステンTV
pickup

注目の人 小田井涼平さん


ー 舞台「かもめ-愛を紡ぐ人」についての意気込みをお聞かせください。

 今年はチェーホフ生誕150周年にあたる年だということで、チェーホフマニアの方々にとっても特別な年に、あえてこの題材に挑むのはある意味ものすごいチャレンジだと思ってます。
 原作も読みましたが、やはり初見ではなかなか物語全体を理解するのは難しい…というか不可能でした(苦笑) 何度も何度も読んで、作品の中に隠された様々なファクターをひもといていく。決して簡単な作業ではないけれど、これをやってキャラクターを分析していく…。
 途中、「かもめ」の評釈を読みながら作家「チェーホフ」を研究している方々の見解を参考にして、色々な角度から、この「かもめ」という作品を読みました。それでもやはり、これだ!という明確な答えなどはありません。結果的には僕らなりの解釈を付け加える必要があるからです。それは演出家を中心として築き上げていくのですが、実際に稽古場で立ちながら芝居をするとそれまで考えもつかなかった様々な、感情の流れや矛盾にぶつかるので、それを整理しながら現時点の稽古は進んでいます。
最終的には自分が演じるトリゴーリンというキャラクターが作品全体に与える影響が芝居の中で上手く化学反応をおこしていけるように頑張るだけです。直接的に何かを訴え、語りかけるというよりは、内面に秘められた様々な本音が回りに影響を与えていく役なので、「起点」として与えられた言動を大事にしていきたいと思ってます。


ー 舞台では3度目の共演となる、主演の椿隆之さんについて。

 なんとなくさらっと読むと直接敵対するようなイメージはありますが、本の構造上、実は椿くん演じるトレープレフとは直接的なやり取りはほとんどありません。どちらかと言うと間接的な係わりしかないと言ってもいいくらいです。
 トレープレフも、僕が演じるトリゴーリンも、自分達に係わる他のキャラクターを通して互いに対する本音を観てる人に伝えるキャラなので、直接相手に向かって気持ちをぶつけるシーンはないとも言えます。とくにトレープレフの恋人ニーナ、トリゴーリンの愛人アルカージナとの関係から二人の敵対関係が見えてきます。といってもトリゴーリンには敵対している意識はないですが…。
 劇中に「自分の座席は自分で勝ち取るべきなんだ。新しいも古いもない。おのれの価値は他人(ひと)が決めてくれる。」という台詞があるのですが、なんかこの言葉がトレープレフ×トリゴーリンの関係をわかりやすく表現してるなぁ、と思います。とは言え、元々人間関係が複雑な物語なので、その点を加味するとトレープレフのトリゴーリンに対する敵対心はしごく当然なんですけどね(笑)


ー ご自身が演じるトリゴーリンについて。

 僕が演じるトリゴーリンは表面的には単なる「自由人」と捉えられるかもしれませんが、それもまた人としての一面で、仕事も恋愛も、自分の心に正直に生きたら結果がこうなった…それが周りから見れば華やかで、羨ましく見えたとしても、それで本人が幸福かどうかはわからない。
 実はこれ、トレープレフにもニーナにも同じことが言えて、他のキャラクターにも言えることなんですが、「一見〇〇に見えるけど実は〇〇」みたいな、人間誰もが持ってる゛表と裏゛みたいなことがキャラクター同士の絡み合いの中からいろんな形で見えてきます。それが、演じていく中での難しさでもあるんですけどね…。そういう意味では濃密ですね。
小田井涼平
ー 今後の小田井涼平について。

 今後の小田井涼平を語る上で、やはり避けて通れないのは゛ムード歌謡グループ゛として産声を上げた「純烈」でしょうね。6.23のデビューを控えて、今後の小田井涼平シフトは確実に純烈が中心になると思います。現時点ではこれ以上語れないのが残念ですが、今は純粋にグループの成功と発展を祈るのが正直な気持ちです。活動に伴って今後は得るものも、失うものも色々出てくると思います。つまり、これまでとはまったく違う自分が見えるかもしれないくらい、僕がやってる挑戦は大きな分岐点だからです。逆にそうでありたいし、そうなりたい。
 もちろん役者としての自分も大事に磨いていくつもりですが、諸々調整しながらやらなければいけないので、メンタル的にタフにならねば!と、思ってます。
 今はただ40歳手前の一役者に、このチャレンジの場を与えてくれたことに感謝するとともに、改めて気持ちを引き締め直して頑張らなきゃ!という気持ちで一杯です。皆さんの前に出る日を楽しみにしています。内心はビクビクだけど…(笑)


ー 一番近い出演予定である舞台「かもめ」について、最後にお客様へのメッセージ。

 正直、難しいお芝居です。観ていただいた方々に、何が伝えられるか、何が残せるか現時点ではまだ僕自身明確じゃない部分もあります。だからこそ観て頂いて、何かしらの感想を持ってもらいたいです。 僕らが稽古場で悩んで、考えて、戦った結果を観て頂ければ幸いに思います。
お約束なのでこれだけは書かせてください!(笑)

「ぜひ、観に来てくださいね!」


ー ありがとうございました。


『かもめ -愛を紡ぐ人-』チェーホフ生誕150周年記念 六舎企画×シアターχ提携公演
『かもめ -愛を紡ぐ人-』

脚本・演出:高田拓土彦(戯曲原作:アントン・チェーホフ)
劇場:シアターχ
出演:椿隆之 小田井涼平 小山直樹 福留聖 椿真由美(青年座) ほか
日程:2010年5月11日(火)~16日(日)
11日(火) 19:00
12日(水) 19:00
13日(木) 19:00
14日(金) 19:00
15日(土) 15:00/19:00
16日(日) 13:00/17:00
▼チケット:前売4,000円 当日4,500円 学生2,000円
必要事項を明記して下記アドレスよりお申し込みください。
[1]お名前
[2]希望公演日時
[3]希望枚数
[4]お電話番号
■チケットお申し込みアドレス
info@tsubakitakayuki.com


▼『かもめ-愛を紡ぐ人』ポスタープレゼント
『かもめ-愛を紡ぐ人』の劇場にて、本公演をご鑑賞いただいた方に、
先着でA2サイズポスターをプレゼントいたします。
絵柄は、椿隆之ver、小田井涼平ver、椿涼平verの3種類からお選びいただけます。

※ポスターをご希望の方は、半券をロビースタッフにご提示ください。
※半券1枚につき、ポスター1枚です。
※なくなり次第終了とさせていただきますので何卒ご了承ください。
※絵柄につきましては上記画像が完成デザインとなります。

▼ポスタープレゼントについてのお問い合わせはこちらまで
(株)ベースステーション
event@basestation.co.jp

▲TOP