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宮崎大学農学部

獣医衛生学研究室


最近の獣医衛生事情


Since 2007.12.29.

2010.5.6. 更新

私たちのホームページヘようこそ!




最近の獣医衛生事情


"口蹄疫-O型(O/JPN/2010)"
アジア地域で広がっている口蹄疫ウイルスと近縁と判明(2010.5.2.)
.

宮崎大学農学部に
"口蹄疫対策本部"
を設置しました(2010.4.21.)。
農学部長を本部長として、他委員3名


豚での疑い例が報告されました。
日本産牛肉、豚肉の危機です。
厳戒態勢をお願いします。



*********私見**********

感染拡大の最も危険因子である
牛や豚の進入はストップしています。

その次の危険要因は、牛や豚に関係している人や車です。
その進入もストップしましょう。
作業員であれば、自宅待機あるいは農場内住込み等々。

空気感染の証拠はつかめませんが、
感染するとウイルスが増加する豚では、その後、
気道からウイルスが拡散します。
発生農場では、早期発見、早期淘汰に踏み切り、
周囲の牛農場、豚農場への伝染防止に努めています。

約500万頭処分しなければならなかった
1997年の台湾事例では、
心筋炎による子豚の死亡報告が相次ぎました。
今回は、そうなる前に診断され、防疫措置がとられています。

移動制限措置がとられて、2週間が過ぎようとしています。
まだ、続発が出ています。
当初の潜伏期の動物が発症しているだけでなく、
4/21以後が伝播が考えられます。

今一度、常時の数倍のバイオセキュリティーの徹底をお願いします。

ゴールが見え、
カウントダウンに入らないと、
連日、休日返上の防疫員の疲労もピークをとっくに過ぎ、
彼ら、彼女ら自身が怪我で事故が起きるのではないかと心配です。



朝には、水ぶくれ(水疱)だったのが、
夕方には赤むけ(潰瘍)になっていたり、
その進行は急性経過で、油断できません。

畜産団地は、一つの農場という認識の元、
一致団結して、防疫に取り組みましょう。

言うまでもありませんが、
対岸の火事ではすみません。








早期解決のために

皆様のご理解とご協力をお願いします。

宮崎大学農学部獣医学科では、
教員、研究員、研究生、大学院生、学生が
一丸となって、口蹄疫防疫を応援し、
早期の清浄化宣言できるよう努力します。
(5/1~5/21までの応援態勢、口蹄疫臨戦態勢をとりました。)

実際に、5/2から出動しています。

口蹄疫防疫作業をお手伝いしていただいた方々へ

宮崎県の口蹄疫発生につきまして、
その封込め、蔓延防止のためのお手伝いいただきまして、ありがとうございます。

お手伝いいただきました方々にお願いいたします。
今回の防疫業務あるいは皆様の業種によりますが、

元の職場に復帰されるまでには、十分な検疫期間を設けてください。
また、周囲や上司の方もそのことを十分ご理解ください。

よろしくお願いします。

各自、
万全の防疫態勢をお願いいたします。


2010.4.口蹄疫防疫応援動員表(2010.5.2.現在)
氏名 電話 獣医師免許 性別 5/1 5/2 5/3 5/4 5/5 5/6 5/7 5/8 5/9 5/10 5/11 5/12 5/13 5/14 5/15 5/16 5/17 5/18 5/19 5/20 5/21
am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm am pm
教員 教授 1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
准教授 1
2
3
4
5
6
7
8
9
助教 1
2
3
4
研究員 1
2
3
院生 4 1
1 2
学生 6年生 1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
5年生 1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
4年生 1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
6年生 1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
5年生 1
2
3
4
5
6
7
8
4年生 1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
動員数 29 82 69 42 27 18 38 35 39 34 33 25 39 34 25 37 21 17 56 43 52 44 26 37 51 48 48 21 23 39 18 16 60 51 60 49 23 37 49 47 43 18 23 40 18 16
※連続して○した場合でも、作業時間を適正に考え、連続日時の動員はなるべく避けたいと思います。お手伝い可能な日時に○をお願いします。
※性別については、仮設トイレ、仮設更衣室の関係からお聞きしています。





消費者の方へ

冷静な対応ありがとうございます。

何ら心配しないで、
安心して、牛肉、豚肉を召し上がってください。

ただし、日本の畜産の危機です。
国内産牛肉、豚肉ができなくなる
可能性を秘めた家畜の悪性伝染病です。

「家畜の悪性伝染病の広がり防止」

ご理解とご協力をお願いします

海外に行った場合など、
「最近、牧場には寄っていませんか?
牛や豚には触っていませんか?」
とか質問されるかも知れません。
それは、国間を移動する旅行者が家畜に伝染病をうつすかも知れない、
という用心からです。

また、
海外(特に、アジア諸国)で牧場に行った場合など、
(帰国後も)3日間は動物に触れない!!
など注意しましょう。

人間はこのウイルスに抵抗性ですが、
牛や豚は弱いのです。

ご協力お願いします。



農場の方へ

10年前に経験した口蹄疫ウイルスより
高病原性の可能性が出てきました。
(病原性については、動物衛生研究所で感染実験を実施するでしょう。)

10年前より、さらに、厳重な防疫態勢を取らないと
"1997年の台湾の口蹄疫発生
(約500万頭の豚を処分)"のような
の事態になるかも知れません。

厳戒態勢!!

どこから来たのか、
何故広がったのかなどについては、
現在、疫学究明中です。

牛、豚、偶蹄類のいる農場では、
数倍のグレードアップしたバイオセキュリテイ
の再確認をしてください。

農場への立入については、従業員を含めて、自宅待機あるいは職場待機など制限を設けましょう。

不特定の観光客が集まる場所での偶蹄動物(牛、豚、羊、山羊、水牛など)については、
とくに気をつけましょう。

発熱、よだれ、口、舌、蹄、乳房、乳頭に糜爛(軽い潰瘍)はないか?水疱はないか?
乳量低下、跛行(蹄の疼痛)はないか?


以下、宮崎県から提供していただいた写真を添付します。



上記のような、水ぶくれ、ただれ、よだれの動物がいないか、

それらの症状が1頭から2頭・3頭に広がっていないか?

四方に口蹄疫陽性国があり、
水際防疫に国が力を入れています。

それでも、発生は常に可能性としてあります。
例え、発生しても、点から面に広げるのは阻止しましょう。

今回も、10年前同様、初めは、
海外からの侵入でしょう。

最小範囲で封じ込めましょう。

当学部の動物舎についても、
その周囲に石灰散布しました。


宮崎県獣医師会から下記の連絡がありました。
(平成22年4月22)

   
事務連絡

宮崎県県獣医師会 支部長   様
社団法人宮崎県獣医師会事務局長 井手口

宮崎県における口蹄疫疑似患畜の1例目の臨床症状及経過観察について
(情報提供)

 このことについて、本県で発生がみられている口蹄疫の疑似患畜の1例目に対応された獣医師の先生から、本病の早期摘発と蔓延防止に寄与出来ればと初診からの臨床症状等の詳細な情報提供が下記のとおりありましたので、関係会員に早急に情報提供して頂きますようにお願いします。

 なお、本病は児湯地域を中心に疑似患畜が続発していますので、往診の際には診療車、衣服、長靴等の消毒の徹底や関係農家等の防疫意識のご指導をお願いします。

 

診療経過状況

1 往診依頼:熱発(40度以上)と流涎,食欲廃絶で農家から往診依頼あり
 
2 初診:発熱はなくて流涎、食欲廃絶の症状以外はなく、口腔内の異常は認められなかった。

  (初診時には流涎と食欲不振しか認めず、発熱も半日程度で消失した)ため、初診時は流涎と食欲不振だけしか認めない可能性有り

3 診療3日目:上唇基部に小豆大の潰瘍を1箇所認め、同時にすぐ横に小豆大の丘疹部(水疱ではない)を手でこすると、脱落し潰瘍を形成した。その時舌は、先端に2cm×3mm程度の表皮の脱落と中央部に退色が見られた。 

注意)このような症例の場合は本病を疑い、衣服、長靴、車等の消毒を徹底し移動には十分配慮しながら、最寄りの家保に報告して下さい。

追記; もし類似症例があった場合、口などを診る際、1頭ずつ手袋交換もしましょう。伝播防止。(末吉)

豚の事例
(管理獣医師からの提供)

子豚に症状は診られないが、母豚の乳房と乳頭に赤むけ(潰瘍形成)が著明





年月 国内 海外
2010.5.5. 23例目、川南町、養豚4,434頭、3頭PCR+、13例目から600m

22例目、えびの市、養豚320頭、3頭PCR+、9例目から1km

21例目、川南町、養豚679頭、2頭PCR+、14例目から400m

20例目、川南町、養豚780頭、3頭PCR+、16例目から200m
2010.5.4. 5~8例目、O型と判明

19例目、川南町、養豚3,010頭、3頭PCR+、10例目から1km

18例目、川南町、養豚15,747頭、3頭PCR+、16例目から600m
2010.5.3. 17例目、川南町、肉用牛繁殖37頭、2頭PCR+、2例目から5km

16例目、川南町、肉用牛繁殖4頭、2頭PCR+、10例目から600m
2010.5.2. 15例目、川南町、肥育牛424頭、3頭PCR+、1例目から8km

14例目、川南町、養豚299頭、1頭PCR+、1例目から6.5km

2~4例目、O型と判明(ELISA)

1例目から分離されたウイルスは、アジアで確認されている口蹄疫ウイルスと近縁と判明
2010.5.1. 13例目、川南町、養豚3882頭、1頭PCR+、10例目から200m
2010.4.30. 12例目、川南町、養豚1429頭、4頭PCR+、2例目から1km 香港、4/20からの日本牛肉輸入停止を、条件付きで、輸入許可(国際防疫上、信じがたい措置である。日本の家畜伝染病の防疫に対する香港自治政府の厚い信頼が伺える。末吉考)
2010.4.29. 11例目、川南町、酪農50頭、3検体(2頭分)PCR+、2例目から400m
2010.4.28. 10例目、川南町、畜試、豚486頭、5頭口蹄疫疑い(PCR+)、2-5例目から3km

9例目、えびの市、肉用肥育牛275頭、4頭口蹄疫疑い(PCR+)、1例目から70km

8例目、川南町、肉用肥育牛1,019頭、5頭口蹄疫疑い(PCR+)、2例目から2km
2010.4.24. 7例目、川南町、肉用肥育牛725頭、4頭口蹄疫疑い(PCR+)、2例目から100m 韓国、中部、口蹄疫、豚で発生。
2010.4.23. 6例目、都農町、水牛42頭、豚2頭、1頭口蹄疫疑い(PCR+)1例目から600m

5例目、川南町、肉用牛一貫、75頭、1頭口蹄疫疑い(PCR+)、4例目から100m

1例目、口蹄疫(O型)と判明(ELISA検査、動物衛生研究所)
2010.4.22. 4例目、宮崎県、肉用繁殖農場、65頭、2頭口蹄疫疑い(PCR+)、2例目から200m

3例目、宮崎県、肉用肥育農場、118頭、3頭口蹄疫疑い(PCR+)、2例目から400m
2010.4.21. 2例目、宮崎県、酪農・肉用農場、65頭、口蹄疫疑い(PCR+)、1例目から3km
2010.4.20. 1例目、宮崎県、 繁殖牛農場、3頭口蹄疫疑い(PCR+)
2010.4.9. 韓国、仁川広域市の肉牛農家(180飼育)で口蹄疫(O型)発生した。
2010.1.20. 韓国において口蹄疫(A型)発生。京畿道抱川(ポチョン)市(ソウル北東約30km)酪農家、185頭飼育、韓国では口蹄疫ワクチン接種は禁止。当初、農場で使用できる簡易キット「Penside Test」を使用した。「Penside Test」とは口蹄疫ウイルス抗原(綿棒と組織サンプル)の検出検査キットである。農場で検査可能。口蹄疫の全7血清の臨床サンプルの直接検査である。
2010.1.7. 山形県内の養豚場の豚が新型インフルエンザウイルス感染確認。同養豚場豚の移動自粛要請。陰性豚のみ移動させる。
2009.12.14. 韓国でHPAI H7N2亜型(弱毒タイプ)発生
2009.11.25. フランス政府との間で、弱毒型鳥インフルエンザの発生時に発生国全体から家禽や家禽肉の輸入を停止するのではなく、発生地域だけを輸入停止とする「地域主義」を導入することで合意発表(農水省)。地域主義を導入するのは米国などに次ぎ5ヶ国目。
2009.11.7. オ-ストラリアが来年3月から、牛肉の輸入条件を緩和。BSE発生国からの輸入について、同国政府がリスク管理体制や安全性などを確認できれば認める。日本などと同様の対応方針。これまでBSE発生国からの輸入は、全面的に禁止されていた。 新型インフルエンザによる死者数は6071人。地域別では北米と中南米で4399人に達した。今回の新型インフルエンザは豚から人に感染したとされるが、猫や七面鳥、フェレットでも感染が報告されている。動物への感染は散発的なうえ、既に人から人への感染が大きく広がっているため「全体に影響はない」(WHO)
2009.10.30. タイ政府家畜衛生当局は、平成13年9月に日本で牛海綿状脳症(BSE)が発生以来、日本産牛肉について輸入を禁止していた。が、両国政府で協議してきた結果、日本産牛肉のタイへの輸入条件が合意に達し、日本からタイに輸入される牛肉の輸入停止措置が解除された。
2009.10.23. 大阪府の養豚農場で移動自粛要請解除。新型インフルエンザに感染した豚が確認されていたが、清浄性が確認された。25日に出荷再開予定。
2009.7.21. 動物検疫にて米国産牛肉に米国農務省発行の衛生証明書に記載がない牛肉が2箱(含脊柱)含まれていた。
2009.6.23. 北米の感染者から検出された新型インフルエンザウイルスは、長い間、ブタの集団の中で広がっていたようである(CDC,英ケンブリッジ大)
2009.6.16. 豚丹毒、豚マイコプラズマ肺炎用の飲むワクチンを開発した(動物衛生研究所)。飲み水に混ぜて容易に投与できるため労力が軽減できる。価格も安く、豚にストレスもかからない
2009.5.26. OIEは日本産牛肉のBSEの安全性について「リスクを管理している国」に認定した。日本外、米国やフランスなど31カ国が認定されている。
2009.5.25. 愛知県豊橋市のウズラ農場で2009年2月、HPAIV検出問題で、農林水産省疫学研究調査チ-ムが当該ウイルスは約7年前に同市内の農場に侵入し、ウズラの間で受け継がれていたと報告。
2009.5.20. 「ピッシング」が、今年度から国内すべてのと畜施設で中止。 中国、陝西省漢中市で牛の口蹄疫が発生
2009.5.20. 国内で初めて感染が確認された患者から採取した新型インフルエンザウイルスが米国やメキシコなどの患者のウイルスと一致した。
2009.5.20. 農林水産省はHPAI対策本部、愛知県のウズラ産業の再生支援、感染経路の究明へ
2009.5.11. 愛知県豊橋市のウズラ農場でのHPAI発生(2ヶ月半)終息宣言
2009.4.29. インドネシアでは高い確率で、豚がHPAIV(H5N1型)を保有(神戸大感染症センタ-)。4州、402頭豚中52頭の豚がH5N1型保有。
2009.4.25. メキシコで『ブタインフルエンザ』のヒト-ヒト流行。死者発生。(これはメキシコ風邪と呼んだ方がいいのではないか?末吉)
2009.4.11. 国内動物園で飼育するコアラの9割近くが、白血病などを起こす恐れのあるウイルスに感染(日本動物園水族館協会調査)。2007年~国内飼育コアラ50頭中43頭で感染確認。
2009.4.4. 国内の野生のアライグマの一部が高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染していた(東大医科研と山口大学)。2005年~アライグマ988頭中10頭からH5N1型感染抗体を検出。死んだ渡り鳥などを捕食して感染した可能性がある。
2009.2.28 愛知県豊橋市のウズラ農家でHPAIが検出。約26万羽の殺処分が始まった。半径5キロ圏内の23農家を対象に、ウイルス検査開始。
2009.2.27. 愛知県豊橋市のウズラ農場で、HPAI「H7N6」が検出。半径10キロ以内の鳥や卵の移動を禁止する措置を取ったが、弱毒性と判明したことから、5キロ内に縮小。しかし、弱毒タイプということは、ウズラは無症状だから、広く分布していても分からない場合があるということ。移動措置を縮小するのは間違っているのではないか。
2009.2.17. 台湾で口蹄疫(O型)発生。2月4日、YUN-LINの養豚場(68頭飼養)の8頭で発症。2月9日、CHANG-HUAの養豚場(6,112頭飼養)の23頭発症。今回も旧正月明け。2000年3月25日の悪夢が再来しないように要注意。
2009.1. 中国、貴州省の男性(29)が鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染、重体。中国国内での感染者は今年に入って6人目、うち4人が死亡
フィリピン、豚のエボラ出血熱ウイルス感染。養豚関係者がフィリピン豚にエボラウイルス感染、血液検査で発見、未発症。
韓国(忠清北道陰城郡のアヒル農場)で弱毒性の高病原性鳥インフルエンザ(H5N2亜型)が発生。アヒル約6800羽殺処分終了。
2008.12. 2008年度農水省審議会で産業獣医師の確保などを重点に論議 5年ぶりH5型鳥インフル検出in香港
ダイオキシン汚染アイルランド産豚肉日本に108t
2008.10. 米国からの輸入牛肉に『胸腺』混入 中国→犬・猫1万頭処分→ヒトの狂犬病による死亡が急増したため→ワクチン対策は不完全なのか?→雲南省
2008.9. 犬ブルセラ症広がる。ここ数年、繁殖施設で相次ぐ。集団感染は、静岡、沖縄、大阪、愛知 で報告されている。 中国→狂犬病急増
2008.8. 新型インフルエンザの研究拠点となる専門機関「インフルエンザウイルス研究センタ-」を2009年度に設置(厚労省)
2008.8 70歳代の女性(宮崎市)が感染症「日本紅斑熱」で死亡。日本紅斑熱での死者は全国5例目。 米国ニュ-ハンプシャ-州→弱毒タイプの鳥インフルエンザ(H7N7亜型)が発生。同州からの家禽、家禽肉の輸入を一時停止。
インドネシアの北スマトラ州→アサハン県、H5N1型の鳥インフルエンザの集団感染が発生疑い。感染の疑いで3人死亡、13人治療。
2008.7 韓国→猫→高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染・死亡。
2008.6. 韓国→米国産牛肉輸入再開→30ヶ月齢未満
韓国→米国産牛肉輸入再開問題で、米側と「追加交渉」を行うと発表.韓国国内で大きな市民デモ
香港→高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)が鶏の糞から検出
2008.5. オオハクチョウ2羽からH5N1、青森県十和田湖 秋田県検出のH5N1の鳥インフルエンザは韓国の鶏から分離されたウイルスと遺伝子がほぼ一致
オオハクチョウからH5N1 韓国→H5N1感染拡大、累計31件
北海道野付半島、サロマ湖
2008.4. 白鳥からH5N1、秋田県十和田湖 また、米国産輸入牛肉に特定危険部位混入
獣医師確保へ懸命の対策、鹿児島県 HPAIが韓国で猛威、急速に拡大
豚コレラウイルス抗体保有豚摘発、 韓国→鳥インフルエンザ、依然拡大
千葉、茨城、栃木、福島の各県 インドネシア→感染死者計107名
2008.3. BSE、北海道、黒毛和種牛4頭目、国内計35頭目
野兎病患者発生、千葉県、1999年以来
2008.2. 豚の脳を吸引して神経症状?米国、豚肉処理作業員





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  教職員

博士課程(4年間)

学部学生(6年間)

課程修了生・講座卒業生進路状況

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  宮崎県豚病研究会記録とご案内

獣医衛生学実習風景

家禽疾病学-特別講義・実習
2007.11.29.
2008.10.9,2008.10.23.

5年生による海外悪性家畜伝染病の机上防疫演習(高病原性鳥インフルエンザ編)

宮崎県養豚生産者協議会(MPC)向け養豚初任者研修

平成21年度仮入室用シラバス

アイコン お問い合わせ
  電話&FAX : 0985-58-7282
e-mail : a0d802u@cc.miyazaki-u.ac.jp
フレーム
この無邪気に母乳を飲んでいる子豚たちを元気にすくすく育てたい!




一言
 ペット動物や食用動物などの人に飼われた動物が病気に罹る原因の多くは飼い主側にあります。私たちは、『動物の病気を治すよりも動物を病気にしない』をモットーに、飼い主や動物とのコミュニケーションを大事にして、“動物の目線で、動物と会話する獣医療”を発信したいと考えています。食用動物も病気にならず、産業動物としての一生を健康に生き抜いて欲しい。
ドリトル先生にはなれない、でも・・・。












スタッフ紹介

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教員
職種 教授
氏名 永友寛司
出身大学 宮崎大学
出身県 宮崎県
研究テーマ 牛および鶏のマイコプラズマ病に関する研究
一 言 『少年易老学難成 一寸光陰不可軽・・・』
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職種 准教授
氏名 末吉益雄
出身大学 宮崎大学
出身県 宮崎県
研究テーマ 子牛および子豚の死亡事故防除に関する調査・研究--これはヒトの健康保持にもつながってきます。
(子牛や子豚を元気にすくすく育てるための調査・研究)
一 言 多 言 自然が、動物が大好きです。皆師以外我。木鶏。人は皆生かされている、67億分の1。
卒啄同機。獣医療は病気を診るだけではなく、動物を観るべし。
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研究生
氏名 中森健太郎
出身大学
出身県 宮崎県
業務 家畜疾病に対する生薬の効果について
一言
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博士課程
やる気のある人、募集中です。
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学部学生
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学年 6年
氏名 工藤敬幸
出身高校 山口高校
出身県 山口県
研究テーマ

病原大腸菌の培養細胞付着の継時的動態観察

アピール 毎年のライブ旅行と毎週のミニトロと毎日のハムの世話が生き甲斐です。
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学年 6年
氏名 鈴木一歩
出身高校 棒原高校
出身県 静岡県
研究テーマ 豚のブラキスピラ関連疾病の調査・研究
アピール 音楽と魚と南忠家があれば幸せです。
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学年 6年
氏名 道永絵美子
出身高校 久留米高校
出身県 福岡県
研究テーマ

養豚場内サルモネラ清浄化計画

アピール えびちゃん狂、最近は西山菜希も好きです。
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学年 5年
氏名 西川史人
出身高校 札幌開成高校
出身県 北海道
研究テーマ ブロイラー養鶏場における病性鑑定と空気衛生調査
アピール セルシオが好きです。藤井くんをいじるのはもっと好きです。
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学年 5年
氏名 平田あゆみ
出身高校 大口明光学園高等学校
出身県 鹿児島県
研究テーマ 豚増殖性腸炎の疫学的調査
アピール 買い物と暇な時にする料理が好きです。
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学年 5年
氏名 藤井晃太郎
出身高校 高岡高校
出身県 富山県
研究テーマ A農場子牛の下痢の感染因子まとめ
アピール カレーが大好きです。
****************************************************************************************
学年 4
氏名 井上和典
出身高校 滝川高校
出身県 兵庫県
アピール ネーブルが好きです。ワゴンRは嫌いになりました。
****************************************************************************************
学年 4
氏名 柏原誠也
出身高校 東筑学校
出身県 福岡県
アピール 場の空気になりたいです。
****************************************************************************************
学年 4
氏名 古庄幸太郎
出身高校 熊本マリスト学園高校
出身県 熊本県
アピール 場の空気を読みたいです。
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講座卒業生の進路状況(1999年以降)

2009年度 宮崎県家畜保健衛生所(1名)
飼料企業(1名)
大分県家畜保健衛生所(1名)

就活(1名)
2008年度 宮崎県NOSAI連合(1名)
NOSAI北海道(1名)
農林水産省(1名)
2007年度 県庁: 食肉衛生検査所(1名)
県庁: 家畜保健衛生所(2名)
小動物病院(1名)
2006年度 県庁: 食肉衛生検査所(1名)
NOSAI連合・豚担当(1名)
食肉関連会社(1名)
獣医関連出版会社・猫担当(1名)
2005年度 小動物病院(2名)
県庁: 食肉衛生検査所(1名)
2004年度 養豚場管理獣医師(2名)
2003年度 農林水産省動物検疫所(1名)
動物看護士学校教員(1名)
小動物病院(1名) 大動物診療所(1名)
市役所: 保健所(1名)
2002年度 養豚場管理獣医師(1名)
県庁: 家畜保健衛生所(2名)
2001年度 大動物診療所(1名)
2000年度 県庁: 家畜保健衛生所(1名), 保健所(1名)
小動物病院(1名)
1999年度 博士課程進学(1名)










教育・研究紹介


(左)牛の採血に行きます。帰学後、血清分離して、抗体チェック。
(右)養豚場にも行きます。体重測定、採血、ウンチの検査。




SPF農場、ウィンドウレス(ウィンドレスではありません--風がなかったら動物は死んでしまいます。)農場のときには、シャワー施設が大抵は設置してあるので、入るとき出るとき頭の髪の毛から足のつま先、耳の穴まで、きれいにします。そうです。私達進入者が病原体を持ち込んだり、もって出たりしてはいけません。

携帯電話入れ。場内に入るときには、便利。防水です。折りたためますので、通常はそのままポケットへ。
デジカメについては海中撮影用の防水ケースが有用です。

(左)農場に着替えがないときには、手持ちのディスポーザブル防護服を着用します。(右)遊んでいるわけではありません。


動物が病気に罹るには種々の要因が考えられます。よって、その問題となっている箇所を農場を視察して、発見し、対策をとります。


時には、水洗、消毒、乾燥が出来ているか、拭取り検査でチェックします。


2008年は、水洗方法、洗浄方法、消毒方法、乾燥期間について検証をします。



視察後には、農場の方たちと問題点について、見直し、対策を立てます。

(左)オガ粉床で飼育。寄生虫病、抗酸菌症の予防は徹底しましょう。
(右)放牧式を取り入れています。

二つの写真。何かが変です。分かりますか?

鹿児島の黒豚です。元気そうですね。でも、良く診ていくと、ある事に気付きます。


しましま牛舎。牛舎を東西に立て、屋根をしましまにして、採光をうまく利用して、床敷きを乾燥させています。
(右下)浜田さん夫妻。これからも頑張ってください。

(左)サーモグラフィーでみてみると、畜舎内でも場所によって、温度差があります。飼養環境を調整するのはなかなか難しいことを知っておくべきです。
(右)見た目同じ大きさの子豚。でも、体表温度が同居している子豚と違います。食欲がないのでしょうか。要チェック。



死亡した野鳥のインフルエンザウイルス検査。喉頭部とクロアカのスワブを使用しました。陰性でした。
このキットを馬インフルエンザの検査にも使用しています。

2007年1月には、学内に飼育している鶏の自主検査をしました。陰性でした。


また、環境省と農水省の『高病原性トリインフルエンザ疫学究明班』の依頼で捕獲されたカモからの材料採取と河川や池にある野鳥の糞の採取、水の採取を実施しました。


ゲル内沈降反応
牛白血病の検査など種々の血清学的診断に使用できます。



ブロイラー養鶏場における事故雛と空気環境調査を始めました。







ご報告!!

 山道義孝社長(宮崎第一ファーム)が平成21年度(第48回)農林水産祭 天皇杯受賞されました。
おめでとうございます。






2009.12.24.祝賀会の一コマ(宮崎観光ホテル)







宮崎県豚病研究会
本研究会は平成16年5月25日に発足しました。
会則は作成していませんが、おおよその申し合わせは以下のとおりです。

宮崎県豚病研究会申し合わせ

会則は特に定めないこととなったが、本会は、以下の申し合わせで運用する。
(名称)
第1条 本会は宮崎県豚病研究会(以下、本会という)という。
(目的)
2条 本会は、宮崎県における養豚の管理衛生に関係する会員が広く集い、相互に情報交換することで養豚衛生技術および知識の向上を図り、宮崎県における養豚産業の健全なる発展に寄与することを目的とする。
(事業)
3条 本会は、前条の目的を達成するため、以下の事業を行う。

(1)     豚病に関する情報交換および会員の職務上抱えている問題等検討するために年2回、研究会を開催する。研究会記録を会員にe-mail配信する。
(事務局)
4条 本会の事務局は、宮崎大学内に置く。
(会員の種別)
第5条 本会は、次の各号に掲げる会員により構成される。
(1)     正会員            宮崎県内の豚病に関する指導、診療を業務とする獣医師、また、宮崎県内の養豚場に関与する薬品会社、養豚業等の管理獣医師等で本会の目的に賛同する者
(2)     賛助会員       本会の趣旨に賛同し、その事業を援助する行政機関の獣医師
(3) 学生会員   獣医学系大学または大学院に在籍する学生で本会の目的に賛同する者
(入退会)
第6条      本会に正会員、賛助会員または学生会員としての入退会は自由とする。
(会費)
第7条 会費は徴収しない。
(役員)
8条 本会には、次の役員を置く。
(1)     会長               1名
(2)     会長の任期は1年とする。ただし再任を妨げない。
9条 会長は、本会を代表して、会務を統轄する。会長に事故あるいは執行不能の事態が起きた場合は事務局が代行する。
2         会長は、庶務、事業計画、研究会や会議の開催などの会務を執行する。
(会則の変更)
第10条 本会会則の変更には、研究会出席者の3分の2の賛成を要する。
(雑則)
11条 本会則に定めるもののほか、本会事務の運営上必要な細則は、会長が別に定める。
(付則)
本会則は、平成161130日より施行する。

以上

  宮崎県豚病研究会開催回数および開催日
詳細については,開催回数をクリックしてください。
開催回数 開 催 年 月 日
第1回 平成16年(2004)  5月25日
第2回 平成16年(2004) 11月30日
第3回 平成17年(2005)  5月31日
第4回 平成17年(2005) 11月29日
第5回 平成18年(2006)  6月27日
第6回 平成18年(2006) 11月21日
第7回 平成19年(2007)  5月29日
第8回 平成19年(2007)  8月10日
第9回 平成20年(2008)  2月22日
第10回 平成20年(2008)  8月8日
第11回 平成21年(2009)  2月17日
第12回 平成21年(2009)  8月7日
第13回 平成22年(2010)  8月6日予定
   第1回宮崎県豚病研究会記録 

開催日時 : 平成16525() 13:3017:00
開催場所 : 宮崎家畜保健衛生所2階会議室
出席者 
: 志賀明(開業)、有川彰信(NOSAI)、税田緑(家保)、工藤寛(家保)、岡野宏和(家保)、森川聖二(家保)、安藤忠弘(家保)、鍋倉弘良(家保)、黒木昭浩(家保)、鎌田博志(家保)、坂元和樹(家保)、石川幸治(食検)、坂本国昭(民間)、村川泰司(民間)、水戸康明(民間)、島田英明(民間)、家入照隆(民間)、末吉益雄(大学)、学生9名


議事次第出席者
の近況報告

事例報告および検討会(14:0016:00)
1.     志賀毒素産生性大腸菌症およびPMWSの発症事例
                       発表者
: 水戸康明(科学及血清療法研究所)
2.     肥育豚舎で発生した神経症状を主徴とする疾病
                       発表者
: 志賀 明(シガスワインクリニック)
3.     肥育豚の複合感染消化器病
                       発表者
: 有川彰信(NOSAI連宮崎)
4.     豚肉のトレーサビリィティーについて
                       発表者
: 土井 淳(宮崎大学)
5.     本研究会の体制について(16:0017:00)
       名称は宮崎県豚病研究会とする。
      会長は志賀 明 先生とする。
       会費はなし。
       議事録を作成し、会報は作成しない。
      開催場所は、宮崎家畜保健衛生所の2階会議室とする。
       開催は、年2回とし、第2回目の予定は平成161130()13:0017:00とする。予備日として、平成161116()とする。第3回目は6月下旬を予定とする。
       開催通知は、遅くとも1ヶ月半前には連絡員に通知する。
      連絡員は、本会の趣旨を充分説明した上で、本会への出席希望者がいた場合には、本会開催前に会長および事務局に連絡する。
       近況報告は、情報交換を含めて、充実したものとする。同一機関の場合は、代表者が述べてもよい。
       事例報告は、130分程度とし、発表10分、討議20分程度とする。
      特別講演が可能な場合、特別企画としての開催を検討する。
       宮崎県豚病研究会会則()については、継続審議とする。
                                                記録係(末吉)



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   第2回宮崎県豚病研究会記録 

開催日時 : 平成161130() 13:0018:00
開催場所 : 宮崎家畜保健衛生所2階会議室
: 臨床分野:         志賀 明、有川彰信、沖田庸智、宮澤 信
       家畜衛生分野:工藤 寛、森川聖二、安藤忠弘、鎌田博志、丸本信之、黒木政博、前田浩二、入田重幸、永吉美樹
       公衆衛生分野:   石川幸治、樋口祐次
       ワクチン分野:     村川泰司、水戸康明、河合 透
       大学:                 末吉益雄(学生6人)

議事次第

1.       出席者の近況報告(13:0014:00)
2.       事例報告および検討会(14:0017:30)
      繁殖肥育一貫養豚場で発生したサルモネラ症と連鎖球菌症
                 発表者 : 村川泰司(化学及血清療法研究所)

      哺乳豚に発生したオーエスキー病
                 発表者 : 入田重幸(宮崎家畜保健衛生所)

      食肉衛生検査の豚の検査状況について
                 発表者 : 石川幸治(高崎食肉衛生検査所)

      腸管毒血症性大腸菌(ETEEC)野外株の薬剤感受性および生存性の比較
                 発表者 : 今林雅子(宮崎大学)

      レプトスピラ?PRRS?流早産対策は?
                 発表者 : 有川彰信(NOSAI連宮崎リスク管理指導センター)

      台風襲来後に発生した2農場のPRRS
                 発表者 : 志賀 明(シガスワインクリニック)

3.       その他(17:3018:00)

    3回研究会は平成17531()13:00~開催予定とする。場所は、宮崎家畜保健衛生所の2階会議室とする。
    次回は懇親会を研究会終了後に企画する。
    宮崎県豚病研究会の会則はとくに定めないこととする。
    食肉衛生検査所職員が公務として参加できる体制づくりをする。

                                  記録係(末吉)



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  第3回宮崎県豚病研究会記録 

日時 平成17531() 13:00-17:00
開催場所 : 宮崎家畜保健衛生所2階会議室
: 臨床分野:         志賀 明、有川彰信、沖田庸智
       家畜衛生分野:工藤 寛、森川聖二、後藤俊郎、前田浩二、入田重幸、西村拓也、永吉美樹
       公衆衛生分野:   樋口祐次、安井干俊、坊薗慶信、久保明子
       ワクチン分野:     村川泰司、水戸康明、河合 透
       大学:                 末吉益雄(学生 9人)
       
議事次第
13:0013:10       会長挨拶
13:1014:30       出席者(全員)による近況報告および情報交換
14:3017:00       事例報告および検討会(110分間発表、20分間討議)


      寄生虫性肝炎と大腸炎の関連を示す事例
                   発表者 : 有川彰信(NOSAI連宮崎リスク管理指導センター)
      オーエスキー病にどう向き合うか
                   発表者 : 森川聖二(宮崎家畜保健衛生所)

      川南町におけるAD対策
                   発表者 : 志賀 明(シガスワインクリニック)
      食肉衛生検査所における豚赤痢の取り扱い
                   発表者 :
久保明子(都城食肉衛生検査所)

      連鎖球菌様菌が分離された肥育豚の脳炎
                   発表者 : 村川泰司(化学及血清療法研究所)

                       記録(末吉)


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  第4回宮崎県豚病研究会記録 

日時 平成171129() 13:00-17:15
開催場所 : 宮崎家畜保健衛生所2階会議室
: 臨床分野:         志賀 明、有川彰信、沖田庸智、村井正、由地裕之
       家畜衛生分野:工藤 寛、森川聖二、佐藤友治、入田重幸、岩下修、柳美樹
       公衆衛生分野:   樋口祐次、坊薗慶信、久保明子
       ワクチン分野:     村川泰司、紺野勝美、河合 透
 
      大学:                 末吉益雄
議事次第
13:0013:10       会長挨拶
13:1014:25       出席者(全員)による近況報告および情報交換
14:2517:15       事例報告および検討会(110分間発表、20分間討議)

      AD陽性農場における陰性化への取り組み
                  発表者 : 村井正(日本スワイン)
      PRRSワクチン一斉接種後における流産例について
                  発表者 :由地裕之(NOSAIみやざき)

      PRRSの陰性化は可能か?馴致の効果について
                  発表者 : 沖田庸智(アニマルテクノサービス)
      豚伝染性胃腸炎・豚流行性下痢混合生ワクチンについて
                  発表者 :
紺野勝美(化学及血清療法研究所)

      脳軟化がみられた離乳豚の急死例について
                  発表者 : 末吉益雄(宮崎大学)

                                        記録(末吉)


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   第5回宮崎県豚病研究会記録

日時    平成18627() 13:00-16:30
開催場所 : 宮崎家畜保健衛生所2階会議室
: 臨床分野:         志賀 明、有川彰信、沖田庸智、由地裕之
       家畜衛生分野:森川聖二、入田重幸、岩下修、外山和彦、斉藤幸恵、長友隆典、岩切徳康、稲井耕次
       公衆衛生分野:   樋口祐次
       ワクチン分野:     紺野勝美、河合 透、島田英明
       大学:                 末吉益雄、(学生9人)
議事次第
13:0013:10       志賀 明 会長挨拶
13:1014:00       出席者(全員)による近況報告および情報交換
14:1016:30  事例報告および検討会(110分間発表、20分間討議)


  ①Haemophilus parasuisの検査          
              (化血研 紺野勝美)
  ②S農場で発生したTGE              
              (シガスワインクリニック 志賀 明)
  ③導入豚の(強制)馴致を考える         
              (NOSAI連 有川彰信)
  ④薬剤感受性簡易測定装置実用化への検討  
              (宮崎大学 堀内早苗)



近況報告&情報交換風景


                       記録
(末吉)


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第6回宮崎県豚病研究会記録

日時    平成181121() 13:00-17:00
開催場所 : 宮崎家畜保健衛生所2階会議室
: 臨床分野:          志賀 明、有川彰信
       家畜衛生分野: 森川聖二、長友隆典
       公衆衛生分野:   樋口祐次
       ワクチン分野:     島田英明、村川泰司
       大学:                 末吉益雄、(学生9人)
議事次第
13:0013:10       志賀 明 会長挨拶
13:1014:50       出席者(全員)による近況報告および情報交換
15:0017:00  事例報告および検討会(110分間発表、20分間討議)


  ①家畜における腸管組織侵入性大腸菌および腸管粘着凝集性大腸菌の検索         
                (宮崎大学 嶋田誠司)
  ②PMWSが疑われた育成豚の発育不良              
                (化血研 村川泰司)
  ③PRDCの発生例         
                (シガスワインクリニック 志賀 明)
  ④子豚の事故率に影響する発病要因の分析と活用  
                (NOSAI連 有川彰信)


次回は平成19529(火曜日) 13:00~ を予定(記録 末吉)



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第7回宮崎県豚病研究会記録

日時 
   平成19529() 13:00-17:00

開催場所 : 宮崎家畜保健衛生所2階会議室
出 席 者 :  臨床分野:      志賀 明、辻 厚史、沖田庸智
       家畜衛生行政: 森川聖二、長友隆典、久富一郎、神崎良子、入田重幸
       食肉検査行政:   吉田正紀、坂本篤彦
       民   間:       島田英明、長尾和哉、横川顕治
       大   学:         末吉益雄、(学生9人)

議事次第
13:0013:10       志賀 明 会長挨拶
13:1014:50       出席者(全員)による近況報告および情報交換
15:0017:00  事例報告および検討会(110分間発表、20分間討議)


  ①PCV2 associated Disease 最近の文献・学会報告より              
                 (化血研 横川顕治)

  ②腸管毒血症性大腸菌の増殖およびStx2e放出・産生に与えるチルミコシンの影響         
                 (宮崎大学 黒田智子)

  ③PRRSとレプトスピラの関与が疑われる死流産と対策         
                 (NOSAI連合宮崎 辻 厚史)
  
                                       記録 末吉


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第8回宮崎県豚病研究会記録

日時 
   平成19810() 13:00-17:15

開催場所 : 宮崎家畜保健衛生所2階会議室
出席者 :
臨床
         
志賀 (会長: シガスワインクリニック)

有川彰信、嶋田誠司(NOSAI連宮崎)
村井 正(インターファーム)
行政         
長友隆典、森川聖二
(宮崎家畜保健衛生所)、入田重幸(延岡家畜保健衛生所)久富一郎(都城家畜保健衛生所)

川口恵美(都城食肉衛生検査所)
民間         
江副伸介、長尾和哉、島田英明(化学及血清療法研究所)

加藤慎治、山本喜康(バイエルメディカル)
岩室 寿(シェリング・プラウアニマルヘルス)
大学         
末吉益雄+学生4名(宮崎大学)

会長挨拶
宮崎への台風4-5号襲来、CSFフリー行事(於:2007.9.1.東京)、CSFの次はADフリーなどについて

情報交換
      活発な交換とディスカッションがあった。以下、抜粋。

○台風被害状況について(関連として、台風通過後の子豚死亡事故増加と台風との関係について)
○県内のAD対策の紹介
○高事故率が報告されているPRDC or PCVADについて
○下痢を伴う浮腫病発生について
○初乳乳清のAD, PRRS, ARスクリーニングとしての有効性について
○鹿児島県と宮崎県のSDの食肉衛生検査所における取り扱いについて
SD摘発全廃棄の「食の安全」視点と「生産現場の清浄化効果」視点からの意義について
○食肉衛生検査所検査成績の生産者へのフィードバック事業について
PCV2の抗体価は重篤時に低く、軽症時に高い傾向があることについて
○子豚の腸炎が増加していることについて
○(ヒト)日本脳炎のワクチンの在庫不足と、2009年以降の再開見通しについて
○養豚現場における刺しバエの増加と今後の吸血による伝染病伝播の関連について
○豚の尿路感染症について
08.8.3.英国での口蹄疫発生(研究所(国・民間)からの漏出)の可能性と豚肉輸入停止について
PCVAD被害は瞬間的に60%に達し、25%以上。PRRS-, App-, AD-, マイコ-農場でも発生。
PCVAD-大ヨークは高感受性?、黒豚は抵抗性?について
○薬剤投与の見直しについて(飲水、飼料添加は注射に比較して25倍の使用量)
○家畜保健衛生所と管理獣医師の連携が強くなった傾向について
○鹿児島県のH17年度の被害(24.1%事故率、63万頭死亡、飼料、薬品費含めて288億円損害)-CSF発生時でも2.5億円-今の方が莫大な被害額。では、宮崎県は?
○胃内出血、胃潰瘍とPCV2の関連性について
○尾採血の利便性について


 演題
1.        「豚のクロストリジウム感染症とβ2毒素について」    長尾和哉(化学及血清療法研究所)
α毒素、β毒素だけではなく、むしろβ2毒素を調査する必要性がある。

2.       
高事故率免疫不全病の発生と対策」 有川彰信(NOSAI連宮崎)

離乳豚舎群編成を2腹単位で実行すると事故率が下がった。また、衛生管理は完全度80%で満足していては事故率の減少は期待できなくなった。

3.        「養豚場の衛生害虫としてのゴキブリについて」 山本喜康(バイエルメディカル)
スノコの裏に多い。ゴキブリの駆除(物理的/化学的防除・殺虫剤)-捕獲器、残留噴霧、毒餌、直接噴霧について

4.        D農場のAD清浄化の取組み」志賀 (シガスワインクリニック)
清浄化は可能である。初乳乳清抗体と血清抗体の比較について。AD陽性と陰性農場の差別化の提案について。

記録: 末吉



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第9回宮崎県豚病研究会記録

日時 
   平成20年2月22() 13:00-17:15

開催場所 : 宮崎家畜保健衛生所2階会議室
参加者: (敬称略)
 家畜保健衛生所:        久富、長友、森川、入田
 食肉衛生検査所:        石川、川口、瀬ノ口
 臨床  :                       由地、沖田、志賀
 製薬・ワクチン:         河合、徳永、岩室
 大学 :                        末吉+学生7
内容:
○会長挨拶
 餌の高騰化、一昨年からの離乳豚の斃死事故、家畜保健衛生所・生産者とのAD対策5ヵ年計画についての挨拶があった。とくに、AD対策については、来年度(2008年度)4月から、①地域割の変更。②清浄性の確認が全頭でなくて、統計学的頭数検査で可能。③検査が民間でもOK。④指定獣医師のみがワクチン接種できるのが、外される。などの情報提供があった。
○近況報告
 ①AD防疫をK地区に加えて、M1地区を開始した。一部陽性農場があったが、K地区に習い、清浄化を推進させる予定。
 ②PCV2ワクチンについては、許可がおり、3月と5月に各1社出る。2社が申請中。
 ③N1地区でPCVAD3戸で発生したが、現在、沈静化。また、浮腫病で130頭死亡事故、12月に終息し、現在、離乳豚舎・肥育豚  舎を発酵床にした。浮腫病対策として、乳酸を主体にした有機酸の3%で効果あった感。PCV2も陽性。ヨード剤の豚体噴霧。肥  育舎、子豚舎も発酵床にした。寄生虫対策等観察中。
 ④H地区でダンス病散発。10月~12月に8産。全頭神経症状。先天性痙攣症(病理検査)。雄が2頭。半数は耐過。
 ⑤M2管轄病鑑; 16件。60-70日齢の典型的な一昨年来の高死亡事故が続く。発育不良。昨年は38件。大腸菌症も発生している。   AEEC感染を伴うPCV2も発生。
 M3地区でADの自衛防疫開始。
 ⑦M4管轄; 豚の病鑑少ない。遺伝子検査、血清型別試験(大腸菌、サルモネラ)有。
 ⑧経済連に検査センターができる計画。
 ⑨食検; 豚赤痢、2008.4.からスタート。
 ⑩米の肉処理作業員14人以上が神経障害。豚の脳吸収発症の可能性。
 ⑪エコフィード(食品残渣リサイクル飼料)利用の課題(FMDBSECSFなどの教訓と環境問題)
 ⑫海外輸出を向けた衛生対策; 清浄の国割、地域割、農家割が始まろうとしている。
 M5地区で久しぶりに豚赤痢がでた。馴致(糞便と胎盤)?
 ⑭M2地区; PCV2ワクチンを使用したい農場多い。事故率が20-30%。ワクチンに対してそれ程期待していない。ワクチンは効くよ  うに環境を整備しなくてはいけない。
 ⑮AD対策: N2地区の陽性農場。志賀先生の推薦する清浄化対策としての雄をまず診るを実施し、確かにいた。自家繁殖農家。
 ⑯産業動物獣医臨床アシスタント構想。
 ⑰HACCP: 2008.4.認証機関。衛指協?
 ⑱PCVAD: 鹿児島はPJチームを作った。宮崎は構想計画。家保と経済連とNOSAIだけ? 全国精液の衛生ルール化できないか。
 ⑲殺鼠剤捕食事故があり、22頭について、食肉衛生検査所と連絡をとり、処理。また、哺乳中の下痢を伴うコクシジウム感染発生  。死亡はない。7. 8月以降、流産増。現在、カビ毒対策。
 ⑳獣医師の不祥事があった。

○症例報告

①豚マイコプラズマ性肺炎を指標としたフィードバックデータの有効活用
(川口恵美: 都城食肉衛生検査所)
 食肉衛生検査所+家畜保健衛生所+NOSAI連で検討・実施。
 農家アンケート調査(回答30%
  ★データが参考になる肺炎が気になる。肺炎は生産性に気になる。
  ★データが参考にならない見ても分からない、利用方法が分からない。
 MPS
をモデルとして実施。
 副葉、腹側、背側の検査をする。共通して分かりやすい基準化


  討議①
MPS様肺炎とした方がいいのでは。②マイコの病変は2か月で消える。肝変化がなくなる。③臨床獣医師にも食肉衛生検    査所に来てほしい。④農場別に説明するとき、写真で説明した方がいいのでは。


PCV2ワクチンの使用について
(志賀
: シガスワインクリニック)
 3農場におけるPCVADの発生状況(死亡事故それぞれ10%20%30%前後)の紹介があり、PCV2ワクチン接種を依頼したい。

  討議①
PCV2のリアルタイムPCR検査の経費は?②消毒には何を使用しているのか?③湿度と保温が大事。④投薬に対しての注意    は?腸内への影響については?PCV2ワクチン接種する基準はどうなっているのか?

PCRによるApp血清型別法
(徳永正大
: 化学及血清療法研究所)
 豚胸膜肺炎は肥育後期に突然死する。1992から毒素を含有する全血清型ワクチン発売。血清型により病原性は異なる。PCRでは、簡便で、迅速に(1日以内)型別可能。

  討議①現在の発生状況は
?②さらにApp株数を増やして、検査する。

1)ウイルス感染症に対するインターフェロンについて
(由地裕之: NOSAIみやざき)
 PRRS陽性、PCV陽性、AD陽性、APP2型陽性、レンサ球菌陽性農場
 被毛粗剛、元気消失群に対して飲水投与。
 2)火災事故。分娩舎+離乳舎が併設。ガスブルーダーの落下。

  討議①細菌感染には有効か
?②牛での使用状況は?③コルツヒーターよりターボヒーターは熱量あり。全体があったまる。***************************************************

研究会終了後、有志で、懇親会を開催し、PCVAD対策など養豚界について熱く語りました。

(文責 末吉)

  

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第10回宮崎県豚病研究会記録

日時                  :平成20 8 8()  13:00-17:00  
開催場所           : 宮崎家畜保健衛生所2階会議室(宮崎市佐土原町下那珂3151-1)
出席者 臨床        :志賀明、有川彰信、辻厚史、由地裕之、吉原啓介、村井正、嶋田誠司
         
家畜衛生:岩崎充祐、長友隆典、入田重幸、丸本信之、三浦博幸、堀内早苗
        公衆衛生:中尾敏章、岡原恵美、石川幸治                                                           民間        :島田英明、長尾和哉、脇貴志、小堀徳広、銀永明弘、種子野章、和田博、岩室寿
     
大 学        :上村俊一、上村涼子、末吉益雄+学生7

会長挨拶(抜粋)       本研究会が第10回目を迎えた。飼料、燃料、動薬品の高騰。サーコワクチンが3月から開始。生産性を考えた時の豚価のボウダーラインは? ADをはじめとした防疫体制構築。

近況報告

活発な交換とディスカッションがあった。以下、抜粋。

AD清浄化→5年間で達成しなければならない。MKで実施中。抗体陽性豚、母豚全頭検査する。→農家の要望。
PCV2group 1 が、宮崎でもとれている。
★食検フィードバック事業として、寄生虫性肝炎に取り組んでいる。
★県北はADフリーである。
★新しいサーコワクチンが10月初旬に発売される予定。
★サーコで困っていたが、ワクチン接種で、絶大な効果。事故終息。
★豚が肥育ステージで太らない。ヒートストレス。宮崎の豚舎構造。
★サーコワクチン貢献。その後、豚のSTEC感染多い。
★サーコワクチン使用、供給量不足。豚増えているので、密飼い状態に。預託探し。
★サーコのあと、AD撲滅計画。
★大腸菌K88が増えている。浮腫病も増えている。
★腸管感染症が増えている。
★血漿蛋白が始まった。
F4腸炎で死亡事故。肥育後半-90前後。出血。CL感受性。
★サーコワクチンは350円定価。事故が減っていることから高くはない。
★ヨーロッパも東南アジアも使用することとなるから、世界的に供給量は不足。
★サーコワクチンは効いている。
★消化器病が出てきた。
★浮腫病がでている。原因菌が多剤耐性。
90日齢で視神経症状。連鎖球菌症。症状と合わない。
★溶血性大腸菌。以前の肥育の浮腫病に似ている。
★ほ乳子豚の下痢と母乳との関係を整理したい。
★豚赤痢の全廃棄、宮崎は10月から開始。食検のアンケートで、6-7割は見直し必要論。
★初乳の強制投与で離乳期下痢が減った。
★サーコワクチン量、先月中旬から量が増えている。
★サーコワクチンが効いていないところで、グレーサーが爆発。
★血漿蛋白飼料→間違いなくいい。活力がある。嗜好性がいい。
AD清浄化取り組み中心。
HACCPの一貫として、農場のサルモネラの清浄化と差別化計画を進めている。
★豚由来の大腸菌でKM, OTC耐性の比率が関東由来株は九州や北海道由来株より優位に高い。
TC耐性遺伝子→KMなどの他の薬剤についても耐性化(共選択性)→そのような抗菌剤の取り締まりまだ問題が多い。
NOSAI連鹿児島大学病院と提携。NOSAI連宮崎は?
★豚赤痢の回復病変の取り扱い→食検での豚赤痢の診断基準を決める必要有り。
★沖縄では早くに食検で豚赤の全廃棄が始まったが、農場での豚赤痢は減っていない。フィードバックが大事。
★飼料への血漿タンパクが再開した。浮腫病への影響は?
PCV2のアメリカタイプ(H17-H18)からヨーロッパタイプ(H19-H20)

症例報告

1. PCV2感染症の病理組織学的診断 有川彰信(NOSAI連宮崎)

ワクチンの効果著明。病変として、リンパ節のリンパ球減数は生産性低下の指標となる。肺病変をどう捕らえるか?

2. 病性鑑定豚および健常出荷豚の扁桃におけるPCV2局在」末吉益雄(宮崎大学) 

種々の病豚材料でPCV2が関与。出荷日数とPCV2感染の関与は明らかではなかった。

3. サーコワクチンの現場での効果」志賀 明(シガスワインクリニック)

ワクチンで、確かに効果はあるが、発泡消毒などとの併用でさらに有効。

4. IPVS2008におけるPCVワクチンに関する報告の紹介種子野 章(インターベット)

発表内容はPRRSPCVADで二分化されていた。サーコワクチンの効果は、RRS+PCV+マイコの陽性・陰性の農場別事故率で比較している。移行抗体の影響について。白子と心筋炎の関係?。母豚用ワクチンの子豚への応用。デンマークはPCV2清浄化を目指している。母豚用ワクチンの出荷制限は?→廃用→部分カットで可?

5. 「フィードバックデータを基にした豚回虫対策」中尾敏章(都城食肉衛生検査所)

間質性肝炎と寄生肝(ミルクスポット)を区別してフィードバックしていた。間質性肝炎についても、回虫対策するようフィードバックする必要あり。

6. 「脾臓および腎臓に急性壊死を認めた豚敗血症の1症例」石川幸治(都農食肉衛生検査所)  

Str. porcinusが分離された。Str. suisの先入観はダメ。

7. PRRSウイルスの遺伝子型別成績」脇貴志(化学及血清療法研究所)

系統1, 3&5が多かったのが20022007で系統1, 2, 3, 4がとれ始めた。系統3は日本特有である。系統別の病原性の違いは?抗原性の違いは?→中和エピトープのDNAに大きな差はなかった。1農場からのパターン数はどうなっているか?IBと同様、マルチ値に効くワクチン開発は不可能か?

懇親会(10回記念)

参加者25名。昼間の情報交換以上の深い密な情報交換ができました。

次回は第一候補                平成212 17日(火)13:00

(文責 : 末吉益雄)













  第11回 宮崎県豚病研究会
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日時 : 平成21年2月 17日(火)  13:00-18:30  
開催場所: 宮崎家畜保健衛生所2階会議室(宮崎市佐土原町下那珂3151-1) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
出席者
臨床 :辻 厚史、由地裕之、村井 正、沖田康智、日高良一、山元のり子
家畜衛生:長友隆典、入田重幸、丸本信之、三浦博幸、堀内早苗、松川浩子、久富一郎
公衆衛生:小野英俊、河野弘憲                           
民間 :小堀徳廣、河合 透、和田 博、岩室 寿、加藤慎治
大学 :上村涼子、北原 豪、末吉益雄+学生7名

近況報告
活発な交換とディスカッションがあった。以下、抜粋。

AD関係
★AD清浄化→情報の共有化(ルール化)。生産者の情報→開業やNOSAIとの連携。農場との話し合い。生産者の了解を得なければならない。不安を取り除く。プロジェクト終了後のケアも必要。野生イノシシの検査も猟友会の協力のもと実施。
★AD→撲滅に取り組み3年経過→子豚陽性なし
★事業終了後→撲滅→清浄化 本当にできるのか?
★農家戸数30戸弱でAD陰性。

サーコ関係
★近年、コッホの原則が崩れているが、今回のサーコワクチンでは劇的に生産性が上がっている。
★ワクチンで典型的なものは治まった。母豚用のワクチンがいい? 
★ワクチン→効き過ぎ→悔しい
★ワクチン→9割→成績いい→(しかし、管内一戸が使用しない)
★ワクチン後→ワクチン接種前と違う病型→PRRS、浮腫病、レンサ、サルモネラ、APP(1型と15型)
★流産→ステージ→妊娠前が多い→原因不明→サーコ?

豚赤痢関係
★と場で全廃棄となった豚赤痢由来B.h.の藥感を調べたらリンコマイシンに低感受性だった。
★と場でみられる赤痢様腸病変。肉眼検査として大腸の出血病変と水腫病変で検査→塗抹、培養、PCR、病理組織で検査。多くは腸炎として、部分廃棄。
★監視伝染病→feedback
★豚赤痢→未だに届出→何故?監視伝染病から外してもいいのではないか?

コクシ関係
★トリトラズリルでは劇的に生産性が上がっている。
★抗コクシとして、バイコックスが好調。
★本当にそれほどコクシは広がっていたのか? → 8-11日齢を調べると結構いる。

その他
★サルモネラ出ているが、NQ、セフィシキルしか効かない。ギ酸は効く。3,500倍、pH4。
★最近、レンサと浮腫が増えている。
★神経症状→レンサを疑ったが、→原因不明→治療で回復→被害小
★火災事故
断熱材が発泡スチロールの延焼(ガスブルーダー)→豚がやけど
コルツヒーター改造→安全装置が稼働していない→落下スイッチ
やけど動物→へい獣処理場がひきとらない。(鳥インフルは受け入れた。密封容器だからか?)
★バイオセキュリティ→洗浄消毒→ベクター(ゴキブリ)対策として煙霧対策。養豚場→煙霧でゴキブリがいなくなった。ゴキブリは大腸菌、クロストを媒介している。
★宮崎家畜保健衛生所→新検査棟完成。
★食品衛生→現場、農政、公衆衛生→ 例) 豚丹毒や豚赤痢の橋渡し。
★カナダ→牛のO157ワクチンが認可された。豚の浮腫病も市販あるようだ。
★離乳後の発情回帰を探っている。
★牛のマイコプラズマ検査体制を整えている。豚は将来的には整えたい。
★豚舎毎AOは実際いい(3週間~1ヶ月)→発育がいい
★フィリピンで豚のエボラが発生。また、養豚従事者に抗体陽性者。
★上海の牧場で口蹄疫発生
★溶血性K88大腸菌で出血性下痢を伴う死亡事故→数戸発生

症例報告
1. 「ドイツとフランスの養豚」 辻厚史(NOSAI連)
★ドイツ
Dr. Sonka→獣医学部→9割女性。
養豚場は診療所との契約が必要。12,000円/豚の契約料。
農場には動藥1週間分しかおかない。
PCV2ワクチン認可(2008.3.)→AIAOが軽率になる。
★フランス
ZOOPOLE(フランス)--Dr.マデック
フランスはPCV2ワクチンを使用しないでPMWS克服
研究→感染モデル実験(P3)→24部屋あり、primary SPF作出できる。各種混合感染実験ができている。感染しても発症しない実験→事故率の高い農場から感染豚を購入して飼育し、現場で応用可能な方法を検討する。農場では3割死亡するが、研究所内で飼育して、1割以下死亡になる管理を探る。税金を使用してやっているからが口癖。補助金付け→しかし、その分、周囲の監視の目がある。RO(リスク分析)。
ワクチンの考え方
豚コレラ、ADは撲滅を目的としている。PCV2ワクチンは撲滅対象ではない。よって、薦めない。子豚用→アジュバント→局所反応がつよい。→母豚1頭1針ができていない。→それはダメ。子豚の針交換単位は1腹1針。農場毎にワクチン接種を考えろ!!注射が多すぎ→母豚の頸部に瘢痕化(しこり)が多くなっている。→ 接種部位の検討は? 
母豚の1頭1針(母豚) → PRRSが落ち着くようになる。
350頭一貫経営 3人でできる。
2013年までに母豚→ 群飼。EU→ 豚価 400円 で危機感を持っている。
マイコのワクチンの例
ワクチン広く打っているが、マイコがなくならない?? そんなワクチンでいいのか?
APP対策 or PRRS対策としてのマイコのワクチン?? そんな目的でいいのか??

2. 「経直腸超音波検査で観察した離乳後無発情豚の発情豚の卵巣所見」 篠原萌 (宮大)
離乳後10日までに発情回帰がみられない。
8月→卵巣休止期、卵胞期ピーク
67%→初産の卵巣休止期
69%→卵巣休止期
マイクロコンベックス型探子→これはコンパクトでいい。

3. 「AD清浄化に向けた取り組み」(丸本信之 家保)
ワクチン接種率上昇→ 抗体価低下
鹿児島→清浄化に向けて→ 宮崎も同調化 必要
349戸415農場59万3千頭 →9割以上 賛成→ 5年間で達成目標
市町村 全体で 清浄化 市町村別々ではない
H20年度→ 準備期間
H21年度→ 準備期間
H22年度→ 準備期間
H23年度→ ステータスⅡ
H24年度→ ステータスⅢ
H25年度→ ステータスⅣ
協力拒否 → 理由 ①やりたくない ②清浄化しているので、不必要
隣接県との協議 → 南九州一体化→ 進んでいない
獣医師の確保も大変 → 採血など
抗体陰性証明 → 豚 と 精液(宅配便)
豚の導入 → 抗体陰性証明 → 清浄農場からの導入
家畜市場 → 豚の流れを把握できない(どの豚がどこに行く?→分かりづらい)

4. 「抗コクシジウム剤 豚用バイコックス」加藤慎治 (バイエル)
コクシ感染 → 腸絨毛が萎縮する。潜伏期が短い(5-8日間)、スポロゾイト形成(4日間)、農場陽性率(8割(季節性なし))、)1-2週齢(57.7%)、30日齢 →陽性率減。母豚検出率(著減)、ほ乳豚(8-11日齢検査→適切)
トリトラズリル  → 治療的予防効果 で承認
2週齢での治療だと、安いダイメトンの方がいい???

5. 「豚のクロストリジウム感染」河合透 (化血研)
 教科書→C型がA型より多いとしているが、調査すると、A型が多い。
 下痢と関連してβ2毒素を保有している株が多い。β2の病原性は不明である。

6.「子豚のサーコワクチン」和田博(インターベット)
 PCV2の感染→垂直感染と水平感染
 垂直感染→ 妊娠21日齢以内→急性流産、繁殖障害
妊娠21-57日齢→ミイラ胎児、死産
妊娠57日以降 →ウイルス血症の一見正常な胎児
 水平感染→ 不顕性感染→ 液性免疫応答→ 免疫複合体→ 糸球体腎炎(PDNS)
細胞性免疫応答→ サイトカイン増→ PMWS
ワクチンプログラム(USA)
 いろいろな接種プログラム試行
3w+5-7w、3w(1回のみ)、5-7w(1回のみ)、5-7w+8-9w、5d(1回のみ)、5d+3w
 ※臨床獣医師がPCV2の動態を調査後、ワクチンプログラムを決定することが大事。
 PCV2の検査→  PCR→25US$(5サンプルプール)
  ELISA→5US$(1検体)

(文責 末吉)

次回(第12回)予定 平成21年8月7日(金)13:00~
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  第12回 宮崎県豚病研究会
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日時 : 平成21年8月7日(金)  13:00-18:30  
開催場所: 宮崎家畜保健衛生所2階会議室(宮崎市佐土原町下那珂3151-1)

出席者:以下の通り

研究会出席者  計39

所属

氏名(敬称略)

()シガスワインクリニック

志賀、実習生(麻布大)

藤原動物病院

藤原

野津手家畜診療所

野津手

()ジャパンファーム

湯元

(農法)日高養豚場

日高

インターファーム㈱

村井

ニッポンフィード()

池永

()アニマルテクノサービス

沖田

NOSAI連宮崎

山本、山元、実習生(日獣大)

NOSAIみやざき

吉原

宮崎家畜保健衛生所

長友、入田、齋藤、野村、内山

都城家畜保健衛生所

谷口

延岡家畜保健衛生所

杉田

都城食肉衛生検査所

岩田

都農食肉衛生検査所

小野川

()インターベット

種子野、和田

バイエル薬品()

加藤

日本全薬工業()

斉藤

()化学及血清療法研究所

河合、長尾、浦江、小堀

宮崎大学

末吉、学生(宮大8)

(懇親会出席者 21)

★会長挨拶
志賀会長が養豚情勢の動向、協力体制、4th APVS(10)2009日本獣医師大会年次大会(1)について述べられ、挨拶とされた。

★近況報告
PCVADについて-ワクチンの効果について

効いている。子豚があふれている。事故率が一桁台になった。ワクチン後呼吸器病が増加している。母豚ワクチン→肥育で下痢の顕在化→ローソニアの影響? サーコがなくなってPRRSの動き(強さ)がある。サーコが終わって→腸管感染症(サルモネラ、抗酸菌、豚赤痢)発生。サーコワクチンの母豚への接種に移行したい。APP顕在化。サーコとPRRSのあるところはサーコのワクチン効きが悪い。

PRRSについて

PRRS発症が肥育前期から後期に遅れて見え始めている。Appも絡んでいる。

ADについて

家畜衛生行政から地域別AD清浄化の進捗状況の紹介があった。

◎コクシについて

母豚1000頭以上規模養豚場でコクシジウム調査中。現状→農場(正常60%と下痢75%)。個体(正常33.3% 下痢48.8%)。壊疽性腸炎→バイコックスで効いている→クロストではなかったことが分かった。

◎サルモネラについて

公衆衛生行政から サルモネラ症の検査について検討始めた。

◎クロストリジウムについて

C型でなくA型が多い。ASV(米国)の報告では、過去5年間下痢の原因→①大腸菌、②A型、③ロタ、④コクシ、⑤ディフィシル、⑥TGE、⑦C

◎豚赤痢について

特定の農場に多い。Bhの薬感が低くなってきている。

◎リキッドフィードについて

徐々に設置増。焼酎粕を利用して、推進させている。豚の状態の良い。好成績。

◎環境衛生について

空舎期間を長くすると、確かに出荷日齢が短くなっている。

◎浮腫病について

離乳後→典型的浮腫病(下痢なし)発生。BCMがなくなる?注射薬はすでにない。

◎企業再編について

外資企業の再編統合と国内企業への影響と現状の紹介があった。

2009年宮崎大学獣医学科卒業生の就職状況について

産業動物(養鶏を含む)10、小動物9、地方公務員2、国家公務員1、進学4、企業2、未定1、国試不合格2、留年2

◎関連学会、セミナーについて

8/21宮崎大学夏季セミナー(動物の腸管感染症とその制御)(:宮崎大学)

10/26-284th APVS(4回アジア養豚獣医学会)(:つくば市)

1/29-31 平成21年度日本獣医師大会年次大会(:宮崎シーガイア)

★事例・症例発表(演者・敬称略)

1.「PCVADの母豚からのコントロール」(斉藤)

PCV2の感受性は若齢程高い。3日齢が最高。よって、母豚の免疫化が大事。しかし、農場によっては、ワクチンで抗体価が上がらない農場がある。針の長さのせい? 肥育期で、自然感染が起きている。この対策としては、子豚期の接種が必要?

2.「養豚場における衛生害獣・害虫の保菌調査」(稲垣)

今回の試験では、病原菌であるサルモネラやウェルシュ菌が有意に検出できなかった。農場で感染症が発生している場合は、ハエなどからも同じ細菌が検出されている。ということは、発症豚がもっとも危険であり、それから害獣・害虫がまき散らすかもしれない?カラスやハトはどうなのか?ネズミからの菌分離には腸管全体よりも盲腸内容物に絞った方が良いのではないか?

3.「養豚場における豚Torqu Teno VirusTTV)浸潤状況と母子感染の可能性」(長尾)

背景として、TTVPCV2PMWSが再現化(文献)TTVPRRSVPDNSが再現化(文献)。国内10県、15農場、314検体の調査では、100%農場陽性、82.2%の豚が陽性であった。PCV2感染では、免疫抑制と免疫寛容が起きている。病原性としては、TTVgeno1geno2が重要なのか?あるいは単独でも悪さをするのか?

4.「と畜検査データを基にした豚PCV2型ワクチン接種効果の検証」(岩田)

ワクチン接種後、臓器病変が目立ち、部分廃棄が増加した農場もあった。これは、死亡していた子豚が耐過し、延命したため?また、腸炎が増加する傾向にあり、それらはPPEであった。MPS様病変が軽減化したが、それについては、サーコワクチン以外のワクチンプログラム、例えば、マイコワクチンのプログラム等についても調査して、考察していく。

5.「豚用無針注射器について」(種子野)

国内では、ADのみであるが、欧州では、PRRSとマイコについても皮内注射として、認可されている。1回の充電で1000頭接種できる。0.2mL接種用(液浸透型)。価格は3050万円。

6.「欧州養豚先進国種豚改良事業報告」(日高)

デンマーク、スウェーデン、オランダは国家的育種改良組織を構築している。そこが日本と大きな違い。育種ロイヤルティー制度をとり、生産者からも支援体制をとっている。オランダは各国のニーズに合った育種改良を狙い、海外進出を狙っている。産子数基準からLD5(5日齢生存数)重視へ変化。

PS.バイオセキュリティについては、ヒト対策よりも豚ともの対策を重要視すべき。

7「肥育豚の結膜炎集団発生と発育不良豚の非化膿性脳炎」(志賀)

50日齢で、リンパ球性結膜炎が発生した。細菌としては、ブドウ球菌とレンサ球菌が分離された。また、脾では、多発性肉芽腫がみられ、両染性の核内封入対を伴う非化膿性髄膜脳炎がみられた。免染、疫学調査でADは否定された。原因不明である。その後、結膜炎は終息。

13th 宮崎県豚病研究会については、下記の理由から半年後(2)は休会とし、1年後の8月に計画する。また、開催曜日について多く集まれるよう平日・週末を含めて検討する。

休会理由    ①会場の家保研修室がリフォーム工事予定

2009.10.26-28.4th APVSがある。

2010.1,29-31日本獣医師大会(:宮崎シーガイア)がある。

PS. 懇親会では、宮崎県豚病研究会ではなく、南九州豚病研究会として、鹿児島と一緒にしてはどうかとの意見もありました。ご意見をお聞かせください。

(文責: 末吉)
次回(第13回)予定 平成22年8月6日(金)13:00~
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第13回宮崎県豚病研究会予定

日時    平成228月6日(金)  13:00-  を予定しています。


開催場所 : 宮崎家畜保健衛生所2階会議室
: 宮崎県内の養豚に関与する獣医師


議事次第

13:0013:10       志賀 明 会長挨拶
13:1014:50       出席者(全員)による近況報告および情報交換
15:0017:00  事例報告および検討会(110分間発表、20分間討議)


お問い合わせ  電話0985-58-7282  末吉

e-mail : a0d802u@cc.miyazaki-u.ac.jp




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獣医衛生学実習風景


2007.4.25.感覚温度を測定しました。これはカタ寒暖計です。覚えておきましょう。


2007.4.25.環境中のガスを測定しました。


2009.5.20.検査結果を板書



2008.4.9.環境中のガスを測定しました


獣医衛生学実習(2101.4.21.)

2010.4.20.宮崎県で口蹄疫疑似患畜の報告があった。
この日、例年の防疫実習日程を繰り上げ、急遽、農場のバイオセキュリティー、防護服着用の意義(2つ)、消毒の大事な工程について説明し、実践した。


獣医衛生学実習(2009.4.22.)

今年は天候も曇りで、風もあり、比較的防護服着用の学生も『暑い、暑い』の言葉は少なかった。
また、防護服の種類で密閉度が異なり、目的別に着用する必要性があることが確認できた。






(2008.5.14)

ポータブル噴霧器は電源がなくても使用可がメリット。しかし、重い。

防護服、ゴーグル、手袋、シューズカバー、マスクを実際に着用し、車両消毒のシミュレーションを実施しました。
うまく歩かないとシューズカバーに穴が開き、踏み込み消毒槽に入った後、消毒液がしみこみました。
下は動力噴霧機

トラックはタイヤと荷台を重点的に消毒しました。 息苦しく、暑いかったです。
(2007.1.宮崎を高病原性鳥インフルエンザが襲い、2008年5月は秋田県、北海道で白鳥からH5N1が検出されました。)


獣医衛生学実習(2010.4.28.)
動物舎周囲に石灰散布をしました。




獣医衛生学実習(2006.5.10., 2008.4.16)
動物舎・解剖室の床、壁、天井あるいは動物体表の拭取り検査を各班毎に設定し、実施しました。

1班から5班各班毎のペトリフィルムによる大腸菌検査(2006.5.10.)

動物舎の床と体表の大腸菌検査例(2006.5.10.)
スタンプマンを使用した検査(ブドウ球菌と真菌)(2006.5.10.)


獣医衛生学実習(2008.5.14)






アル綿で消毒した後の皮膚表面から多数の菌が分離されています。これは、消毒不十分と言うことです。(2008.4.16.)


再試験。段々、去年の微生物実習の感覚が戻ってきたのでしょうか。単コロニーがきれいに作られています。(2008.5.2.)


2009.6.3.拭取り試験。ペトリフィルムに安全キャビネット内で接種しています。


班毎に検査結果について発表し、採材場所の検討をしました。(2009.6.10.)

バイオハザード対応キャビネット内で観察します。(2007.5.16.)

動物舎の床と体表の検査例(ブドウ球菌と真菌)(2006.5.10.)
拭取り材料をポアカルチャー(一般細菌)(2006.5.10.)
菌数を各集落ごとに測定しています(2006.5.10.)

牛の体表。アルコール綿消毒前(左)と消毒後(右)(2006.5.10.)


獣医衛生学実習(2006.5.17.2007.5.23.2008.5.27.2009.5.26.)
宮崎県畜産試験場川南支場の家畜排泄物処理場施設の見学に行きました。

入場前には靴底を消毒槽内で消毒しました。(2009.5.26.)

ご協力いただきました黒木支場長、水野科長、岩切課長、安藤課長、松葉研究員外 支場の皆様に厚く御礼申し上げます。


講義風景(黒木支場長、岩切科長、安藤課長、水野課長の講義を受講)(2009.5.26.)


家畜の排泄物の適切な処理について実物を提示して説明していただいた松葉研究員(2009.5.26.)



原水から膜処理水までの過程--臭いが消え、飲めるまでに!!
実際に、松葉先生と数人の学生が試飲しました。


活性汚泥。しばらく(30分間くらい)静置すると右のように分離してきます。
さて、この沈殿の中にはどのような微生物が棲んでいるのでしょうか。
教科書で調べておきましょう。これを実態顕微鏡でのぞくというのも実習に取れいれた方がいいかもしれませんね。
(検討事項として考えておきましょう。)


いよいよ、実際に施設を見学。その前に外部からの進入者は防護服とシューズカバーを着用。(2009.5.26.)
見学風景(実際に活性汚泥処理を見たのは初めて)



見学についての学生の感想

2009.5.26.感想文2009.5.26.chikushikansou.pdf へのリンク
080527chikushi.pdf へのリンク




獣医衛生学実習(2006.5.24.)
動物飼養環境、微生物学実習室、手術室等空気衛生を落下細菌検査によりみてみました。



各班ごとに測定場所を選定し、37℃48時間培養後に観察しました。(2009.5.27.)

安全キャビネット内ではさすがに浮遊細菌はいなかったようです。しかし、牛を飼育しいる牛舎近くでは多数の落下細菌がありました。当たり前ですね。その中身と対策を考えましょう。(2009.5.27.)


獣医衛生学実習(2007.5.16.)
各消毒液のMIC測定と短時間殺菌試験を実施しました。
消毒薬の選定基準はどうする?


短時間殺菌試験。平板培地の結果観察中。
GP液体培地を観察中。


各班のデータをもとに消毒薬の選定。

獣医衛生学実習(2008.5.7.)

異常臭がないか検水を温めて確認しました。


獣医衛生学実習(2006.5.31.)
飲料水としての衛生検査(過マンガン酸カリウム消費量)を検査しました。

各班ごとに検水材料を選定しました。<10ppmが基準

獣医衛生学実習(2006.6.7.)
飲料水としての衛生検査(官能検査、pH、アンモニア性窒素、塩素濃度、残留塩素、一般細菌数、大腸菌群数)を検査しました。

ポータブルpH測定器(2006.6.7.)
LB培地への検水接種(バイオハザード用キャビネットを使用)(2006.6.7.)

獣医衛生学実習(2009.6.17.)

官能検査、pHなどの結果を班毎にまとめて、検討しました(2009.6.17.)。
残留塩素の測定(DPD法)(2008.5.7.)
※注オルトトリジン法は廃止となりました。



無数の菌が検出された検水がありました(2006.6.7.)

大腸菌群の検出された検水が出ました。ダーラム(発酵)管・・key wordです。(2006.6.7.)
陽性はどれでしょうか?(2007.6.16)

(2008.5.7.)

0/5本    大腸菌群が検出されないことが条件です。     5/5本


09.07.14.

獣医衛生学実習
2008.5.28.
牛乳の検査(総固形分、比重、滴定酸度、脂肪分)を検査しました。

総固形分測定。総重量を0.1mg単位で測定します。(09.07.14.)
総固形分測定。沸騰水上で牛乳の水分を大方蒸発させておきます。(09.07.14.)
総固形分測定。99℃±1℃で、まず、3時間乾燥させます。その後、重量測定し、その差を求めます。(09.07.14.)


ラクトメーターで比重測定。(09.07.14.)

乳脂肪分測定。ブチロメーターの管壁に沿って検乳に反応液を静かに加えます。(09.07.14.)
しっかり、蓋をします。ブチロメーター持つ手は二重軍手。硫酸が反応して熱が出るので。(09.07.14.)

ゲルベル専用の遠心機(65℃恒温)。

乳脂肪分が分離しています。何%ですか?
ブチロメーターで乳脂肪分測定。(2008.5.28.)


滴定酸度測定。攪拌してもピンクが消えないポイント。2008.5.28.


検乳の検査成績。さて、判定は?レポート提出で。(2008.5.28.)


獣医衛生学実習(2006.7.5.)(2007.7.4.)(2007.7.7.)
宮崎県宮崎家畜保健衛生所で現地講義を受けました。

宮崎家畜保健衛生所(2006.7.5.)
玄関で、まず、靴の裏を消毒しました。(2006.7.5.)

(2007.7.4.今年もお世話になりました。ありがとうございました。)



獣医衛生学実習(2008.7.8.)
宮崎県宮崎家畜保健衛生所で現地講義を受けました。
ご協力いただきました村田定信所長ほか皆様に厚く御礼申し上げます。

まず、玄関で靴の裏を消毒しました。




家畜保健衛生所の業務についての説明



検査課の検査室の見学

見学についての学生の感想(一部抜粋)

家畜衛生保健所の見学を終えて
今回、佐土原にある中央家畜衛生保健所に行き、業務の概要をスライドなど
用いながら分かりやすく説明していただき、また、施設見学をさせていただけ
たことで、家畜衛生保健所の持つ大切な役割を理解することが出来ました。家
畜衛生所内に設けられた、それぞれの部門の説明を受ける中で、私のイメージ
していた仕事内容は、衛生課の業務のみで、その他にも、管理飼料課、検査課
といった、いかに効率的に家畜生産を向上させるか、いかに正確に異常牛の疾
病を特定し今後の被害を予防するか、などの役割を持つ重要な部門があること
が分かりました。また、家畜衛生保健所とは、近年宮崎で起こった口蹄疫、高
病原性鳥インフルエンザなどの法定伝染病に指定されるような、特別な疾病の
みに関与してくるのではなく、もっと身近な疾病、といいますか、地域の獣医
師が担当牛に発生した疾病で判断がつかず、困ってしまったとき、また、自分
の診断に確証を得て、今後の診療に活かしていきたいときなど、頼りにできる
存在であることも分かりました。
施設見学時に見せていただいた映像では、所員さんが何度も強調されていた、
「マンパワー」の強さを目の当たりにしました。ニュースなどでは規模や詳し
い作業内容が分からず、作業された人々の大変さが分かりにくかったのですが、
実際の作業現場を紹介していただくことで、ビデオ越しにもその大変さが伝わ
ってきました。作業状況を見ながら、封じ込めの必、要な伝染病の発生時には、
獣医師だけでなく、土木関係者、行政関係者、その他ボランティアのほうの協
力無しでは、封じ込めには成功しないことが分かり、普段からの地域とのつな
がりを大切にしておかなければならないことも分かりました。
私は、将来の職場として体格、体力的に大動物は無理だろうと、小動物臨床
を考えていましたが、家畜衛生保健所での仕事は、治療を行う臨床現場ではな
いが、臨床の現場とより密接につながったものだと言うことが分かり、新たに
興味が湧いてきました。今回の見学で卒業後の進路の選択肢が1つ増えたのは
確かです。今回の見学だけに終わらず、家畜衛生保健所のことについて理解を
深めた上で、色々な選択肢の中からより自分にあった職業につけられたらなと
思いました。ありがとうございました。

宮崎家畜保健衛生所を訪れて
今回の獣医衛生実習では、佐土原にある家畜保健衛生所を訪問しました。将来の就職先
に公務員を視野に入れている自分としては、家畜保健衛生所の業務内容等を知る上で、今
回の訪問は非常に楽しみでした。
到着して、まず家畜保健衛生所の概要や、さらにそれを構成している課、それぞれの課
の業務内容などを説明して頂きました。その中の管理飼料課は業務内容として、精液性状
や病気の有無を調べる種畜検査や飼料の安全性と品質を確保するため飼料の分析等を行な
っているとのことでした。さらに飼料対策については宮崎家保でのみ行なっているとのこ
とでした。また管理飼料課の説明の中で、A飼料、B飼料という言葉が出てきて、職員の方
の説明でその意味を初めて知りました(Aは肉骨粉が含まれない飼料、Bは含まれる飼料)。
家畜保健衛生所の業務として、飼料に関することまで行なっていると知って驚きました。
他に衛生課、検査課という課が存在し、監視伝染病の発生予防に努めたり、診療獣医師か
らの病性鑑定・診断依頼を受けたりするとのことでした。
午後は、午前中に説明された検査課の各検査室を実際に見学させていただきました。検
査課には、BSE室、生化学室、病理検査室、細菌検査室、そしてウイルス室とがあり、そ
れぞれの部屋に行き15分程度各部屋の内容などを説明していただきました。検査課の業務
内容は、自分の所属する講座の病性鑑定と重複している部分があり、そしてさらにより詳
細な検査や講座では実施していない検査(BSE、生化学など)を行なっており、非常に興味が
持てました。
また、2007年に宮崎県で発生した高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)について、当時の発
生状況等を説明していただきました。HPAIを発症した鶏の写真などを見せていただき(今
回初めて見ました)、大変興味深かったです。
今回、家畜保健衛生所を見学することができて非常によかったと思います。職員の皆様、
ありがとうございました。

宮崎家畜保険衛生所を見学しての感想
今回家畜保険衛生所を見学させていただし、中で、検査課の各部屋を見学させ
ていただいたのが-番印象に残りました。なんだか大学の研究室に来たような
雰囲気で、仕事の内容もそれぞれわかりやすく説明していただけたので、楽し
く検査課の人たちの仕事を知ることができました。病理の部屋を見せていただ
いたとき、検査課には延岡や都城からも検体が送られてくると聞き、そして部
屋の床から外まで並んでいる検体の入ったバックを見て、あの量をこなすのは
凄いと思いました。また、私は生理学講座に所属しているので、生化学の部屋
を特に興味を持って見学したのですが、生化学や生理学が実際の臨床現場とリ
ンクした保健衛生所でどのように生かされているのか見ることができ、勉強に
なりました。中毒の検出に使うクロマトグラフィーの装置は、実際に目にした
のは初めてで、中学校の理科からなんとなく登場していたものですが、イメー
ジよりも大きかったのが印象的でした。また、こんな風に研究職に就くのも面
白そうだと思いました。
そしてもうひとつ印象的だったのは鳥インフルエンザのVTRを見たことでし
た。ニュースなどで目にしていたものよりもずっと生々しくて、実際に身近で
起きていた事件だったことを再認識しました。また、発生農場での鶏の処分な
ども、何をしているのかわかる状態では初めて見たので、数の多さと処理効率
に驚きました。糞尿処理も大変そうでその処理法'二何種類かあるのも初めて知
りました。ニュースでよく見た埋却処分も、直接ではなくてもあの近さから見
ると迫力があり、大変な作業だったことが伺えました。しかし、あれらの徹底
した対処があったからこそ早期の終息につながったのだと思います。
今回見学させていただいたことで家畜衛生保険所の仕事の一部を知ることが
でき、また将来の仕事を選ぶ上での選択の幅も広がりました。お忙しい中どう
もありがとうございました。

“家保を見学しての感想,,
農家回りでよく佐土原にも来ていましたが、家保に-それも中に入るのは初めてだった
ので、少し緊張しました。
個人的に、午後の研究室回りがとても面白かったです。よく、農家さんからも家保の名
前は出ていたのですが、僕の中でのイメージは『お役人的な』感じで規制や注意事項ばか
りを仕事にしているものでしたが、実際は全然違いました。人数が既に多いのに無理を言
ってウイルス室も回れる班に入れてもらって全ての部署を見せて頂いた訳ですが、どの部
署でも受けた印象は、農家さんや消費者の事を想って仕事をしているのだ、と言うもので
した。確かに、ヒトの健康・安全を第一に考えれば規制や注意も仕方の無い事ですが、そ
れを農家の方にも協力してもらわないと実現は出来ないのです。強い印象を受けたのは、
生化学検査質でした。主に中毒(エンドファイト菌糸)の話をして下さったのですが、農家さ
んの気がつかない所・手の届かない所に原因があったりしたときに、誰がそれに気づいて
改善出来るか・・・また、他の地域や諸外国で起きているリスクを誰がいち早く知らせる
か・・・。時には、先方に理解されずに煙たがられる事もあるのでしょうが、その中で家
保での仕事を続ける姿に何を第一に考えているのか、誰の事を想っての事なのかが少し見
えた気がします。
実際、自分の将来の希望の第一が大動物臨床で、こうして寄生虫病学講座の末席に居さ
せて頂いているのですが、宮崎に残るとしたら必ず牛一それも多くは肥育牛に臨む事にな
ると思います。その時に自分が前線で治療をする者になるのか、家保の様な機関で奔走す
る者になるのかはまだまだ分りませんが、その時を決めるための素材を沢山聴かせて頂き
ました。有り難う御座いました。
来年の後輩達の為にも-と言う形になるのかも知れませんが、来年は家保に関する質問
の事前聞き取り.もしくはQ&Aの様な時間を設けて頂けるとなお理解が深まると思います。
イメージとのギャップ是正だけでなく、学生も自分がどう思っているのか・何を知りたい
と思っているのかを事前に整理しておくと当日も意見や質問が出易くなると思います。

家畜保健衛生所を見学し
今回、家畜保健衛生所で行っている業務についての話を聞いて、これほど多
くの業務をこれだけの人数でこなしているということに驚きました。宮崎家畜
保健衛生所は管轄している区域が広く、他では行っていない仕事も担っている
ので相当忙しそうだと感じました。飼料や医薬品に関する取り締まりから、伝
染病の予防、畜産環境に関する業務、そして死亡牛の病性鑑定までさまざまな
側面で私たちの安全を守るための仕事が行われており、たいへん重要な業務ば
かりでした。
高病原性鳥インフルエンザについては、実際に現場を体験した話だったので、
とても臨場感があり、宮崎でこの話が聞けてよかったと思いました。教科書で
勉強するだけでは分らないこの病気の怖さや重大さが分かりました。
安心して畜産物をロに入れることができるのは、家畜保健衛生所によって安
全性が維持されているからであり、とてもやりがいのある仕事だと思った。

家畜保健衛生所を見学して
今回、家畜保健衛生所を見学させていただいて、より良い衛生環境をつくる
のに重要なのは、立派な施設ではなく人の手によるものだということを強く感
じた。実際、検査課の各検査室を回ってみて、特別な機械や建物よりも何に気
を使ってどのように検査を行っているのかに重点がおかれていたように思う。
私はウイルス室の見学もさせていただいたが、想像よりもずっと入りやすい検
査室であることに少し驚いた。でも先生の話を伺うと、ある部屋では絶対に扱
わないものがあったり、逆にある部屋でしか扱わないものがあったり、気の使
い方次第で+分な検査ができることがわかった。
家畜保健衛生所で働く獣医師の数が私の想像よりも少なく、宮崎各地から届
くサンプルを検査するのはかなりの労力ではないかと思われた。特に病理の検
査室での説明の際、多くの検体が送られるが、鑑定までの過程に大体6~7日
以上の時間を要するという話を聞き、非常に驚いた。さらに他の業務もあると
言われたので、本当に大変な仕事だと思った。
今まで衛生所で働く獣医師の仕事内容まで知る機会が少なかったので、その
仕事量や内容の濃さに驚かされるばかりだった。様々な疾病が広がる前に検査
し、防御にあたるのは畜産の盛んな宮崎では特に重要な過程である。衛生所の
獣医師がしっかりと疾病に対するマニュアルを持ち、発生したらどのような対
策をとるかなどがきちんと決まっていたからこそ、昨年発生した鳥インフルエ
ンザも拡大せず、素早い鎮静となったのだと思う。
衛生所のほんの一部の仕事を見ただけにすぎないが、その大変さや充実さが
わかった。丁寧に説明をしてくださった衛生所の先生方、本当にありがとうご
ざいました。

家畜保健衛生所を見学して

今回、宮崎家畜保健衛生所を見学して一番強く感じたことは、多くはイメージ通りで
あったのですがその中にも意外であった部分があり、予想以上に面白い仕事をなさって
いるということです。本大学には獣医衛生学講座があり、そこに所属する学生たちから
ちらほらと実験の内容やルーチンの内容を聞いたり獣医衛生学の講義を受けたりと、こ
れまでに衛生学に触れる機会もそれなりにあったのですが、家畜保健衛生所を見学した
ことにより、座学と実践で全くちがう面白さを見ることができたような気がします。特
に、様々な講義と検査室の見学を通して鳥インフルエンザ発生に関する講義と業務内容
に意外と臨床的な要素が多かったことが最も印象に残りました。
見せていただいた映像も含め鳥インフルエンザに関する講義はとても印象深かった
です。今まで畜産試験所と養鶏場へ学外見学で行かせていただき、どちらでも鳥インフ
ルエンザのお話がありましたが、今回の講義でさらにどれだけ鳥インフルエンザの発生
がおおごとだったのか、改めて認識できました。鳥インフルエンザ発生農家での様々な
処分にはなかなか考えさせられる部分もありましたが、韓国では全土に鳥インフルエン
ザが伝播してしまったことと比較すると、家畜保健衛生所の方々も含め宮崎の迅速な対
応がいかに効果的なものであったか、感心するばかりでした。
また、家畜保健衛生所と言うとなんだか衛生管理の指導や病理鑑定.微生物鑑定など
研究系なイメージがありましたが、意外と臨床のこともしていて農家に出向いてワクチ
ン接種を行ったりしているのを見ると、大動物臨床もできて研究系の仕事もできる、総
合的で働き甲斐のあるところだという印象を受けました。
加えて、それぞれ見学させていただいた各検査室もわかりやすい説明をしていただい
たこともあり、なかなか興味深かったです。病理検査室はものすごい量をこなしている
ことに驚きましたし、細菌検査室では様々な感染ケースに遭遇でき、学会報告も行って
いることが魅力的だと思いました。生化学検査室では実際に臨床知識が必要となる検査
も多く行っていてとても面白そうでした。あと、BSE室で拝見したホモジナイザー、
私の研究室は人海戦術にて手動で行っているため是非導入してほしいです。
最後に、今回この見学にお'忙しいなか我々学生のために時間を割いていただいた職員
の方に感謝したいと思います。我々学生が聞いてもわかりやすく、丁寧に説明いただい
たおかげで、家畜保健衛生所に以前よりもまして興味が湧きました。今後、自分の進路
を考える上で重要な参考とさせていただきたいと思います。

家畜保健衛生所を見学しての感想
今回宮崎家畜保健衛生所を見学させていただき、多くのことを知ることができました。
実際、家畜保健衛生所というところが何を行っているのかよく知らなかったので興味を
持って見学をすることができました。午前中で各課の業務について学ばせていただき、
どういった内容の仕事が行われているのか知ることができました。スライドで実際起こ
った症例も見ることができ、その症例の所見などが分かりました。
午後からの検査室の見学は普段仕事を行っている場所を見せていただき、実際の現場
はどのような感じなのかが分かりました。検査室は細菌検査室、生化学検査室、病理検
査室、BSE室、ウイルス室があり、僕はウイルス室以外の部屋を見学しました。各部
屋で実際に使っている機材や検体、その部屋での作業の流れを教えていただきました・
見たことがなかった機械もあり、業務の流れなども知ることができる機会であったので
大変興味をもって見学することができました。
今回の見学で今までよく知らなかった家畜保健衛生所の業務内容を知ることができ、
またその実際の現場を見ることができ、とても充実した内容の実習となりました。実際
の場を見ることができるというのはこれから自分の将来の進路を考えていくうえでも
貴重な経験であると感じました。

その他

kaho.pdf へのリンク
宮崎家畜保健衛生所見学
(2009.7.7.もお邪魔しました。)

ご協力いただきました恒吉守所長ほか皆様に厚く御礼申し上げます。



業務内容について分かりやすく説明していただきました。(2007.7.7)
岩崎副所長、長友主査、大山主査、須波主査、赤塚主査、高牟礼副主幹ありがとうございました。






午後は検査課の生化学、BSE、病理、細菌、ウイルスの各研究室を見せていただきました。
また、最後に溝部課長から総合的紹介がありました。
ありがとうございました。

学生感想文
090707kahokannsou.pdf へのリンク












牛乳の色素還元試験(細菌の混入はないか)を実施しました。



レサズリン還元試験(2006.7.12.)


色素を検乳に慎重に注入しています。(2006.7.12.)

生乳のストリップカップテスト。ブツの確認。


セジメントテスターで不純物の確認。


生乳のアルコール検査


凝固物が認められました。

同様にCMTテストです。


Breedテストで総細胞数と総細菌数を測定。

誘導版を利用して慎重に塗沫標本を作製します。


下に敷いてあるのが誘導版。上がスライドガラス。
(毎年、一人くらいは直接誘導版に塗沫してしまう学生がいます。)

ゆっくり、しっかり乾燥させます。
その後、顕微鏡観察。

獣医衛生学実習(養鶏場見学)2009.6.9
今年も実現しました。何と今年は4人の学生が実際に鶏舎内に入ることが出来ました。もちろん、シャワーを浴びて。


高いバイオセキュリティを維持しているブロイラー養鶏場の様子をバスの中から見学しました。
戸高先生ありがとうございました。


鶏舎内を見学する四人の学生に注意事項を説明している様子。中村先生ありがとうございました。
学生にとってウィンドウレス鶏舎を実際に見たのは、初めてのことでした。


新名次長ありがとうございました。


中村先生、黒木先生ありがとうございました。


鶏卵は呼吸しています。その証拠に・・・が見えます。見えましたか?


帰りに戸高先生からお土産にいただいた『フィート』(もみじ)。学生は興味津々でしたが、予想外に美味しいとの感想でした。中国・台湾だけでなく日本国内でもマーケット開発しても良いかもしれません。



実際にニップルと給餌器を手にとって観ました。2008年






見学についての学生の感想(一部抜粋)

2009.6.9.感想文2009.6.9.WFkannso.pdf へのリンク

2009.6.9.感想文に対して戸高先生のコメント
 早いもので直営農場見学も今年で3回目になりました。
わざわざバスで来られても外から見学するだけですから不満も多いの
が本当ですが、学生の皆さんの感想文には「勉強になりました」という
文字がやたら多く本当に恐縮しています。
 読んでいて皆さんが家禽獣医師の存在を少し理解して頂いたみたい
ですが、色々説明不足も多く、反省すべき点がありました。
 説明不足を補足する意味と今後の皆さんの何かのお役に立てれば
と思いコメントを書きました。本当に感想文ありがとうございました。
 
1.養鶏は、出荷までの日数が短く、ブロイラーの増体における飼料重
 量が、他の家畜に比べ効率が良いのが非常に印象に残っています。
 鶏糞も発電に利用されるなど、非常に無駄がないと思います。
※鶏糞発電所ができる前は出荷した後の鶏糞の処理で頭を痛めてい
 ましたが、鶏糞を全て農場外に出して水洗消毒できるようになり非常
 に楽になりました。今後は省エネ、環境優先の企業が伸びて行くと考
 えます。
2.鶏の獣医師という選択肢も、確かに入学当初まったく考えていませ
  んでしたが、動物の衛生管理を学ぶにあたって、鶏はもっともシビア
  なもの、やりがいあるものだと思いました。
※私も平成2年にこの会社に入るまではブロイラーのことはほとんど知
  りませんでした。平成16年に国内で鳥インフルエンザが発生して
  ようやく家禽にも獣医師がいるのだと認識されてきたみたいです。
  獣医師に対する企業の認識も変わりましたが、学生さんがこうやっ
  て評価してくれるのが一番嬉しいです。
3.私は鶏舎の中まで入らせていただいた者なのですが、まだひよこ
  でしたが、鶏がどのように育てられているかを知ることができました。
※“百聞は一見にしかず”ですね!今回の体験は社会にでてから後、
  きっと役に立つのではないかと思います。
  私のように県職員を辞めてこの仕事を選んだみたいに、職を変わる
  (変わらざるを得ない)時にホワイトの獣医師という選択肢もありま
  すよ!
4.鶏舎は細長く内部の換気など環境を整えるのも難しいことだと知り
  良い環境に何とかしようとさまざまな努力がなされているのを知り、
  これらの努力が健康で良質な鶏肉を生んでいることを知りました。
※床面には初めはノコクズが撒いてありますが、鶏糞や飲水器の水
  などで硬く湿ってきますので、攪拌機(小さな耕運機みたいなもの)
  で攪拌し、またノコクズを足します。意外と面倒くさいです。
5.私は今回、養鶏場というものを初めて直接見ました。一面にまかれ
  た石灰やウインドウレスで中が見えない様子から、牛舎や豚舎と
  は格段に違うバイオセキュリティーの徹底を感じました。
※これだけ衛生面に気を付けても鶏が肺炎、気嚢炎から大腸菌症な
  どになってしまうことがあります。早めに分かれば投薬(状況によっ
  てはビタミン剤や生菌剤)し、その鶏舎は一番最後に巡回するよう
  に指導します。
6.私は鶏舎は大きければ大きいほど利益も増えるし、良い事だと思
  っていたのですが、一鶏舎に一万羽位の方が良くて、それは多い
  と空気の換気や冷気が鶏舎の上と下で変わり、下の方が環境が
  悪くなって、あまり良くない鳥ができるからです。
※鶏舎の大きさだけでなく農場の鶏舎数も少ないほうが良いのですが
  経済面からどうしても鶏舎の規模や鶏舎数を多くしてしまいます。
  獣医師は鶏のストレスをいかに緩和して鶏病の発生を予防するか
  日々頭を痛めています。
7.今回は講義の中で鶏のワクチン接種については深くは触れません
  でしたが、ワクチン接種についても詳しく聞きたかったです。
※卵内接種機(イノボジェクト)については他の学生さんからも詳しく聞
  きたかったという意見がありました。
  来年は直営農場だけでなく希望者には孵卵場の見学(実際に中を
  見学する)ことも企画したいと思います。
  他に飲水投与を均等に飲ませるための方法、暑熱対策などたくさん
  聞きたかったと書いてありました。私が大学に伺うこともありますの
  で是非直接お話できればと思います。訪問する月日は末吉先生に
  連絡しておきます。
8.一番印象に残っているのは病気を個体で見るのではなく、群で見
  るという言葉でした。すごく分かりやすかったです。
※そうですね!1羽1羽丁寧に見ていたら1鶏舎1万羽の鶏舎が4鶏
  舎もある委託農場では1日かかっても検査が終わりません。
  ざっと見るのではありませんが、全体の鳥の状況(元気、食欲、体
  重のバラツキ、脚弱や削痩、下痢など)や鶏舎内の環境(温度、湿
  度、換気、床面の状況など)をよく見て何かストレスになっているこ
  とはないか判断することが大切です。
9.僕はホワイトファームの農場内見学をさせていただいた四人のうち
  の一人です。貴社には最近大変興味を持っており、就職説明会な
  どでもお話を伺っていましたが大変良い経験になりました。
  農場内見学は初めて知ることばかりで驚きでした。まず、徹底した
  バイオセキュリティーについてです。事務所での着替え、そして農
  場についてシャワーに入るとまた新たな着替えがありびっくりしました。
※私達は直営農場に1日に何回か行くことがたまにありますが、その
  ときはさすがにシャワーを浴びたくないと思う時があります。
  しかし、鳥インフルエンザなど法定伝染病がもし発生すれば、その
  ことがすぐマスコミで全国、いや世界中に報道され、また移動制限
  措置などから生産部も食品工場も約一ヶ月間はストップです。
  車の消毒、シャワー、着替え、長靴の交換などは実は一番大切な
  ことなのです。
10.これほど徹底した管理の中でも、コクシジウムが感染できる余地
  があるということが印象的でした。これもやはり鶏舎内の環境を一
  様にできないことが感染に繋がってしまうのだろうかと思いました。
※コクシジウムはその中卵数のピークが4週から5週ぐらいです。
  出血便が診られ診療に行くのは4週前が多いですが、飼料の中に
  コクシジウムに効く飼料添加物が入っていますので餌食いが落ち
  ると一部の雛が死亡します(抗病性に個体差があります)。
  餌食いが落ちないように如何に全体を一様に管理するかが、農場
  担当者の技術であり、獣医師は何か変化がないか常にコミュニケ
  -ションを取っていなければいけません。
盲腸コクシジウム症で斃死した雛(3週齢~4週齢に発生しやすい)


11.バイオセキュリティーの為、バスからの見学でしたが、私はそれで
  も十分に勉強させていただきました。ウインドウレス舎は初めて見
  ました。敷地内への出入口での消毒も新鮮でした。
※本当にへたな案内ですいませんでした。末吉先生はもう2回も来て
  いるので私をきっとサポートしてくれると信じていました。その通りだっ
  たみたいです。公務員からホワイトファームに来た方が、2名もいた
  のでビックリしたようですが、私の場合は“運命”のような不思議な
  感じがします。公務員をまさか辞めるとは思っていませんでしたが、
  突然の姉の死で宮崎に帰ってきました。
  姉が死んで初めて姉の存在の大きさが理解できました。
12.今回の実習で感じたのは衛生的な管理もだが、いかに無駄をな
  くし、効率を上げるかということである。企業として生産コストを抑え
  利益を上げるというのは当たり前であるが、この考えは臨床などで
  も重要な考えだと思う。
※自分の意見、考えが良くまとめられていて感心しました。社会に出
  たら必ず自分なりの意見、考えを言うことを求められます。ただマス
  コミなどの情報だけでなく自分自身で経験したことをもとに自分なり
  の意見を言えるようにして下さい。100人の内、99人は賛成でも
  自分は反対の意見を勇気を持っていえる人、そういう人を私は尊敬
  します。
13.家禽の疾病の発生には飼育環境がとても大きく関係していること
  を認識することができました。つまり良い飼育環境の提供はワクチ
  ンや抗生剤の投与よりも疾病の発生を防止できる要因となり得る
  ことを理解できました。「敵(病原体)」のことを知る前に「味方(鶏)
  」のことを知らなければならないのは考えてみれば当然だと改めて
  気付かされました。
※あなたの感想文を読んで本当に良く理解していると感心しました。
  毎週モニター農場に行き、血液や鶏糞などサンプリングしていると
  なんでこんなに高い値なのに発症しないの?てなことがあります。
  鶏は多少ストレスを受けても農家の方がこまめに管理していると
  しっかり餌を食べ、免疫ができて活力があります。衛生も大切です
  が飼育管理も重要ですね!
14.企業でも多くの個人の養鶏場から買っていたり、養鶏とは別に雛
  を生ませる種鶏も多く存在していること、鶏は50日サイクルでまわ
  っていたり、産卵させる鶏は30週令から60週令まで約160個の
  卵を産むなど知らないことが多かったです。
※実際に種鶏場に来て種鶏を見るとブロイラーとの違いにビックリしま
  す。種鶏も約20週令までは育成農場でワクチンなどを投与し、その
  後、成鶏農場で卵を産ませることになりますが、たくさんの人が働い
  てブロイラーのお肉を私たちが食べられるのです。
15.バスからではありますが、餌が入っているタンクやウインドウレス
  鶏舎がどのようなものなのか知ることができました。また、ひよこと
  出荷前の鶏を見ることができてとてもよかったです。
※本当は鶏舎内の鶏を外に出すのは衛生面からも飼育面からも問題
  があるのですが、今まで過去2回の見学で生徒さんが中の鶏が見
  られず残念だったという感想文が多く、今回はチョットだけ外に出し
  ました。こんなに小さな雛があっというまに大きな鶏になることが少
  し理解してもらえて良かったと思います。
16.鶏肉1kg作るのに餌は2kg必要なこと、育成農場でひよこは体温
  調節できないので隙間風を防ぐために囲いをしていることなど現場
  での状況や対策、様々な知識をたくさん教えて頂き、大変勉強にな
  りました。鶏にあまり興味がありませんでしたが、この実習を通して
  すごく興味がわきました。
※雛が入ってから1週間がとても大切な時期です。寒がらせず餌と水
  が十分取れ、安心して休めるよう注意が必要です。
  入雛してから数日で斃死が多いので死鳥を解剖し、細菌検査する
  ことがあります。家禽獣医師の仕事も意外と面白いですよ!
  
17.石灰が農場の一面に撒かれていたことや、ウインドウレスの建物
  を見ると、やはり、牛の管理とは全くレベルが異なっていて、鶏の飼
  育は厳重体制で行われているのだな、と感じました。
※委託農場も補修しながら古い鶏舎を使用していますが、鳥インフル
  エンザが発生してから農場に消石灰を散布するようになりました。
  色んな微生物の消毒だけでなく農場が消石灰の白で綺麗に見え
  るようになりました。しかし晴れた日に直営農場に行くと目が開けら
  れないほど眩しいのには閉口します。
  家禽獣医師の仕事にも興味をもって頂けたようで感謝しています。
18.最後にいただいた鳥の足は意外とおいしかった。見た目はあまり
  良くなかったが、機会があればまた食べたい。
※フィート(もみじ)は私も食べてみたが、鋭い爪が気持ち悪くお土産
  にするには大失敗したと思った。しかし先日の同窓会や皆さんの
  感想文からすると意外と美味かったようです。
  家にも数本持って帰ったが“なんでこんなもんもってかえったんや!
  自分で食え!”と厳しいお叱りを受けた。本当に皆さんは優しい!!
19.よく話題になっている高病原性鳥インフルエンザに対する防疫は
  もちろん大事だが、それ以上に普段問題になっていて生産性が落
  ちてしまうような病気の対策のほうにも力が注がれていることが分
  かり興味深かった。
※農場内には色んな微生物や原虫などがいます。代表的なものに大
  腸菌やサルモネラ、黄色ブドウ球菌などがいますが、細菌検査をす
  ると意外に病原性の低い細菌類(プロテウス、シトロバクター、セラ
  ティア、エンテロバクターなど)が見つかりエーとびっくりすることがあ
  ります。病原性の低い細菌類やカビ類も要注意ですね!だからア
  ウト後の徹底的な水洗、消毒が大切なんですね!
神経症状(首曲がり)の雛からセラティア菌が検出された事例

20.午後からは養鶏場の説明などを聞かせてもらいましたが、みなさ
  んが和気あいあいとしていて本当に楽しそうな職場だなと思いまし
  た。今まではあまり興味がなかったですが、今回の実習で鶏の獣
  医師もいいなと思いました。
※私が平成2年にホワイトファームに入った頃に比べ、獣医師に対す
  企業の評価が高くなり、昨年より獣医師だけの給料表もできました。
  皆さんが入社してからその資格を存分に出して頂けるようにするこ
  とが今の私の責任だと思います。
21.わたしは養鶏場はもちろんのこと、「鶏」そのものもほとんどお肉の
  形でしか見たことがなかったので、見学の間中驚きの連続でした。
  鶏舎の中に入れなかったのが今思うとホントもったいなかったなあ
  と思うばかりですが、あの中に鶏がびっしり飼われているすがたを
  想像しただけで、自分がこれから獣医師としてなしていくであろう仕
  事の大変さが、モヤモヤと胸に残りました。
※今回は4名の学生さんに農場に入ってもらいましたが、次回はもっと
  増やして1農場3名ずつで2農場にしてはどうかと考えています。
  また、希望者がいれば孵卵場のワクチン接種機(イノボジェクト)の
  見学もできないか検討したいと思います。
22.施設内にはウインドウレス鶏舎があり、前期、後期、仕上げの飼
  料が入っているタンクから、鶏舎へとパイプでつながっていました。
  (中略)ワクチンプログラムに関しては、全部で5回ものワクチン接
  種をしなければならず、大変だと思いましたが、イノボジェクト(卵内
  ワクチン接種機)が受精しているかどうかを確認しつつワクチンを打
  っていったり、トリダスというモモの骨を自動的に脱骨する機械があ
  ると聞いて、機械の進歩が進み、人の作業も楽になってきているの
  だなぁ、と感動しました。
※私はこの感想文を読んで短い見学でよくこれだけたくさ
  んのことを理解、記憶したものかと感心しました。
  細かな数字も正確ですし、さらにお土産の“もみじ”の塩茹でのお
  礼まで書いてあり本当にすばらしいの一言です。
23.鶏肉はお金の無い自分の食生活の主な蛋白源なので、身近な
  話に面白さを感じました。ブロイラーは一羽あたりの生産コストが
  401円というのは驚きの安さでした。しかし、スーパーで国産もも肉
  が二枚で800円くらい、胸肉500円くらい、ささみ、せせりはあまり
  取れないと考えると、輸送費、生肉のコストと400円を足すとあまり
  利益がでないのではないかと思えました。
※家禽獣医師が他の獣医師と少し違うところが、このような細かなコス
  ト意識ではないでしょうか?高いワクチンを使用すべきか?抗生
  物質より安価なビタミン剤や生菌剤を使用してはどうか?等々です。
  農場の状況に合わせて出来るだけコストを削減し出来るだけ良い
  成績を出すことも獣医師の大切な仕事です。
24.私は小動物臨床希望なのですが、こういった職業もあるというこ
  とを実際に見ることができて、大変参考になり、また興味深かった
  です。
※実は私はハムスターの臨床獣医師になりたいのですが、家で飼っ
  てはすぐに死んでしまい、絶対に無理だと思います。
  鶏もひよこのままだったらペットにしたいのですが、すぐに3kg~
  4kgになることを考えると恐くて飼えません。
  小動物の臨床獣医師も家族の一員であるペットを予防、診療する
  すばらしい職業です。仕事でペットの鳥を診るときがあれば今回の
  見学のことを思いだして下さい。
25.農場内の温度設備や広さの調節を毎日の日齢に合わせて細かく
  行っていることや、それを怠ると1日で数百羽が死んでしまうことが
  あるということを学び、個でなく群で飼育する考え方に感心しました。
※冬場はブルーダーというガス暖房機で温度調節しますが、鶏舎内に
  温度差.があるとブルーダーの下に鳥が集まり“圧死”という事故死
  がたまに発生します。鶏舎内を出来るだけ温度差がないようにたく
  さんのブルーダーをこまめに調節することが大切です。(天気予報
  をよく聞いて寒波が来る前にブルーダーや内ビニールなどしっかり
  するよう常日頃から心掛けることも大切です)
26.広い畜舎では、温度や日照時間に差が出て、良い条件で飼われ
  る鶏と、そうでない鶏がいると聞きました。広いほど、同じ条件にす
  るのはなかなか難しいのだと、広い鶏舎を実際に見て、痛感しまし
  た。
※鶏舎内の前側と後ろ側、農場内の東側の鶏舎と西側の鶏舎等々
  場所が少し違うだけで鶏に与えるストレスが違ってきます。
  モニター農場で前側と後ろ側でそれぞれ10羽ずつ体重を測定する
  とバラツキ(変動係数)が違います。毎週計測してもその傾向が続
  きます。だから後ろ側が悪ければ後ろ半分の坪羽数を少し少なく
  するなど微妙な調整や管理が必要です。その調整方法は各農場で
  当然に違います。
  感想文の最後に「私の話がおもしろく、また話を聞きたいです」とあ
  りましたが、ほとんど人に褒められた経験がないので恐縮です。
  機会があれば何でも聞いて下さい。末吉先生を通してでも結構です。
27.予防接種の話では、ホワイトファームでは卵内の雛の方に注射を
  するという接種方法も行うということでしたが、私はそんな接種方法
  があることも最近知ったので、映像か何かあれば是非見たかった
  です。
※卵内ワクチン接種機(イノボジェクト)については他にももう少し詳しく
  説明して欲しかったという要望が多かったです。
  他の獣医師と協議して来年はビデオで撮影したものを学生さんに
  見てもらうよう計画中です。
  また、種鶏にするワクチン、卵にするワクチンそしてブロイラーにす
  るワクチンを整理して詳しく説明できるよう企画したいと思います。
  10月の家禽疾病学講座でもワクチンメーカーの先生に来て頂き
  みなさんがワクチンについて理解が深まるよう企画中です。
  ご期待下さい!
28.鶏舎に行くために着替えを2回、シャワーも入らないといけないと
  いうことも大変だと感じました。しかし、もし病気侵入したら鶏数万
  羽が一度にダメになる可能性を考えると当然のことだと思いました。
  またその時案内してくれた獣医さんが「鶏の獣医師は一羽を見るの
  ではなく鶏舎を見るんだよ」と教えてもらったことも印象深かったです。
※鶏舎の中の鶏の様子から鶏舎内の環境や設備の状況など観察力
  が必要ですね!これは家禽獣医師として日頃から訓練しておけば
  できるようになると思います。
  私は時々鶏の鶏冠をなでて“生意気なやつだね!”と独り言をよく
  言っていますが、いたずらな雛もいて可愛いですよ!
29.鶏の成長の速さと出荷時期の早さや、毎日何万羽という単位の
  鶏が出荷されていることなどに驚きました。たった50日ほどであそ
  こまで大きくなるということは初めて知りました。
※ブロイラーのデーリーゲン(一日あたりの増体量)は約60gです。
  ピーク時期は5週齢から6週齢で約100gです。
  人間に置き換えたらこの増体は超異常です!食べ過ぎて頓死が
  でるのも理解できます。でも体は大きくなっても精神的にはほんの
  子供のような気がします。
以上、みなさんの感想文を読みながら“独断と偏見”を交えてコメントを
書かせて頂きました。私は本当にわがままで不器用な人間です。
でも、末吉先生のお陰でこうやって母校のみなさんに少し役にたたせ
てもらい感謝しています。
今後も努力しますのでよろしくお願いします。
もし“もみじ”が欲しい人がいたら末吉先生に言って下さい。
たくさんお送りします。
 日本ホワイトファーム㈱ 飼育動物診療所 戸高和弘
食品工場のプラットホームで採血した鶏(090627)

大分県佐伯市宇目町のモニター農場(090629)



080624whitefarm.pdf へのリンク

                               平成20年7月12日

                             日本ホワイトファーム㈱    品質保証室 戸髙和弘

学生のみなさんに提出頂いたブロイラークイズの回答、解説は下記の通りです。今後の参考となれば幸いです。     

1.ブロイラーとレイヤーは?

鶏肉を生産することだけを目的として、その産肉性、成長性、飼料利用性、抗病性、斉一性などを高めるように育種改良された鶏であり、それは鶏の品種には該当せず、品種間あるいは系統間の雑種である。これに対して卵を生産する目的として改良されたものがレイヤーですので答えは②です。現在ブロイラーにはチャンキーやコッブなどの銘柄があり、またレイヤーにはシェーバー、デカルブ、ハイラインなどの銘柄があります。ブロイラーのお父さんが白色コーニッシュ、お母さんが白色プリマスロックだというのは覚えておくと良いでしょう。下記写真の上が白色コーニッシュ、下が白色プリマスロックです。

写真2白色コーニッシュ(♂)  写真1白色プリマスロック(♀)

2.1鶏舎25,000羽、1羽当り3kgで出荷した場合、肉牛1頭500kgに置き換えると何頭の牛に相当するか?

(25,000×3)÷500=150

以上より直営農場では約50日で牛150頭分のお肉が出荷されますので答えは①です。1年間に5回出荷しますので150×5=750頭分の牛を出荷することになります。鶏肉と牛肉は値段が違いますので単純には比較できませんが、重量ではそういうことになります。鶏肉がなぜ安いのか分かっていただけたと思います。

3.鶏で3kgの体重にするには、餌は何kg必要か?

生鳥1kgを生産するのに要する飼料重量を飼料要求率(F.C)と言います。鶏では体重が1kg増えるにはその約2倍の餌が必要です。だから正解は①です。豚の飼料要求率が約3kg、牛が約7kgであるのを考えると鶏が餌代が一番安くてスーパーで安く購入できるのも理解できますね。第二次世界大戦ではアメリカ軍の食料としてブロイラーを生産したというのも頷けます。余談になりますが、父の兄が戦地で米軍に捕虜になった後、釈放された時、米軍の兵士はリュックが抱えられないほど食料を詰めてくれ、おまけに港で見送ってくれたと聞きました。今の米軍のイラクでの戦いを聞くとあの優しい米軍はもういなくなったのかと悲しくなります。

4.精子宿主腺のある場所はどこか?

答えは①の膣部です。膣部は、精子を精子宿主腺(spermhost glandに長期間にわたり蓄える働きがあるそうです。この腺の中で精子が受精能を維持していられる期間は、おそらく鶏で7~14日、七面鳥で40~50日だそうです。中村獣医師が出題された問題ですが、私はよく知りませんでした。勉強になりました。     明解 哺乳類と鳥類の生理学(学窓社)からの出題です。

5.鳥類の卵管において、卵子が受精する場所はどこか?

またまた難しい問題ですね!私は②の子宮部ではないか?と思いましたが、あにはからんや答えは③の漏斗部でした。漏斗部(infundibulumの機能は、排卵された卵細胞を卵黄で包み、卵管の残りの部位へ向かって誘導を始めることだそうです。漏斗部は受精が起こると考えられている部位であり、それは卵細胞が卵白でおおわれ始めると精子が貫通できなくなると考えられているからです。精子が卵管膣部から約60cmもある漏斗部まで必死で登っていく姿が想像されます。私たち一人一人の命も一個の卵子と一個の精子(例外もありますが)が奇跡的に巡り合い誕生したのだと思うとこの命(心や体)を大切にしなくてはいけないと反省させられます。

     明解 哺乳類と鳥類の生理学(学窓社)からの出題です。

2008716

宮崎大学農学部 獣医学科4年生の皆様へ

日本ホワイトファーム株式会社

宮崎生産部 飼育動物診療所

中村賢司

 拝啓 酷暑の候、ますます御健勝のこととお喜び申し上げます。

さて、先月は悪天候にもかかわらず、弊社の直営農場の見学に来て頂き、大変感謝申し上げます。学生さんにとって、朝から関心のない見学で退屈されたかと思います。産業動物臨床の獣医師は、大変地味で目立たない存在です。しかし、今回大勢で1日共有できました時間が今は大変貴重と思っています。なぜならば、このような機会は、発表する私たち獣医師にとっても勉強にもなります。社会に出ると、毎日同じひとと顔を向き会い、限られた言葉を交わし、全く業界のことが分からない方に分かりやすく説明するという機会が少なくなりがちです。その反省として、ブロイラークイズをご提供しているのですが、正解率が低いと、まだまだ説明の技量不足だったと痛感いたします。今回の問題で3問目までは、一般的なものにしましたが、国家試験を受ける学生さんに少しでもご協力できるのならばと思い、残り2問は皆さん悩んだことでしょう。結果は以下の如し、4問目の正解率が激減で、出題者として大変反省しております。雑学としてもいいかな?と思います。残り2年間充実した学生生活を送られ、社会に出られても鶏肉をこよなく愛していただけることをやみません。

敬具



直営農場見学に対する感想について
日本ホワイトファーム㈱ 飼育動物診療所 戸高和弘
 昨年に続き、今年も直営農場を見学して頂き感謝しています。
生徒の皆さんの感想文を読ませて頂き、反省すべき点や本当にジーン
と感激することがありました。
 家禽獣医師は地味な仕事ですが、本当に重要な判断をすることが
時々ありますので、日々勉強の毎日です。
生徒の皆さんの進路の選択枝に考えてもらえれば本当に光栄です。
生徒の皆さんが書いて下さった感想文に対する私のコメントです。
何かお役に立てれば幸です。
1.今回、養鶏の施設見学を終え普段食べている鶏肉に対する感情
  が変わりました。愛着が変わりました。
※本当にそう言って貰えて感激です。知識や技術の問題以前に獣医
 師として生き物の恩恵を感じて頂いたようです。ありがとうございます。
2.今回、養鶏場を実際に見学して、どのくらいの規模で飼育が行わ
  れているのかが分かりました。ただ、中に入って見ることができな
  かったのが残念です。
※2万5000羽の鶏が出荷前にどうなっているか?
  時々サンプリングなどで入りますが、鶏を踏まないようにゆっくり
  ゆっくり歩かなくてはならないほど混んでいます。
  個人的には1鶏舎1万羽ぐらいの鶏舎が良いと思います。
  中を見れる様に今後検討します。
3.今回、見学に行って何となく雰囲気が分かりました。やはり産業動
  物では治療よりも予防が大切だということがよく分かりました。
※予防のために各農場に行きワクチン投与について指導したり、成績
  が良くない農場では採血して野外感染の有無を調べワクチンプロ
  グラムを変更したりします。けっこう緻密な仕事ですが、遣り甲斐が
  ありますよ!
4.今回、お話していただいた中で卵にワクチンを接種するというのに
  とても驚きました。
※私も食品工場から生産部に来て、孵卵場で卵にワクチンを機械で
  注射すると聞いてビックリしました。
  本当に人間はとんでもない発明をするものですね!
  しかし、機械は万能ではありません。故障したり、針が汚染したり
  する可能性があります。いかに管理するかがポイントですね!
5.黒木さんのプレゼンテーションが凄く面白かった。
※黒木先生からはまだまだ面白い“裏話”を聞いていますが、聞きた
  いなら黒木先生にコメントをメールして頂くよう頼んでみます。
6.養鶏は他の家畜と違いワクチンの接種法も様々な方法があること
  や管理、飼育の面でも衛生管理などが徹底されており、また飼料
  にも工夫がされているということで私が思っていた以上に奥の深い
  仕事だと感じました。
※飼料については家畜栄養学で勉強されると思いますが、ブロイラー
  の飼料のカロリーは3100kcal(日本飼養標準)です。また細かい
  アミノ酸やビタミン要求量が決まっています。誰がこんな細かい分
  析をしたのか驚きですが、鶏は種々のストレスで微量ビタミンなど
  が不足しますので栄養学もよく勉強して下さい。
7.「養鶏業はリスキーなんじゃないか?」と言ったのは決して養鶏業
  を嫌ってる訳じゃないので、不快に思われたのでしたら申し訳なか
  ったです。
※そんなことはありません。率直な質問だと思います。しかし社会にで
  て働く場合、どんな職業にもリスクはついています。
  鳥インフルエンザで養鶏産業は冷や冷やの毎日ですが、現在日本
  ハムグループで黒字トップは養鶏部門です。リスクはあっても逃げ
  ずにチャレンジする勇気も必要ですね!
8.鶏肉の処理がこれほどまでに機械化されていると知り、たいへん
  驚きました。
※でもけっこう人間がチェックしたり、修理、補修したりしているからで
  きることなんですよ!機械はすぐ故障します。すぐ汚れます。
  管理する人間によって製品に差ができるのは農場の鶏でもよく感
  じます。
9.2007年に宮崎で発生した高病原性鳥インフルエンザのお話も当
  時の家保の方からその時の状況を詳細に教えて頂きその時の緊
  迫感がこちらにも伝わってきました。
※当時私も宮崎家畜保健衛生所に電話して「鳥インフルエンザが発
  生したとの情報がありますが本当ですか?」と聞いたことがあります。
  先生も困って「風評被害の心配がありますので今は何とも言えま
  せん」と言われたのを覚えています。
  その先生が県を退職されてホワイトファームに来て下さるとは今で
  もビックリです。野球で九回ツーアウト逆転満塁ホームランを打った
  感じですね!
10.出荷された鶏肉はほとんど東京か大阪にいって宮崎にはないとい
  うのは少し残念ですが、東京、大阪に行った際にはぜひ桜姫など
  のホワイトファーム産の鶏肉の味を楽しんでみたいです。
※みなさんにホワイトファームの鶏肉(もも肉とむね肉)を送りますので
  ぜひご賞味下さい。
11.加工のスライドで鶏が1時間後にはパックされて出てくることやその
  処理速度には驚きました。
※スライドは良いところを撮影しているので、故障してストップしたり、
  規格外品がたくさんでたりしたところはカットしてます。
  この処理スピードを維持しているのはやはり工場の中で働いてい
  らっしゃる従業員の技術だと私は信じます。
  もも肉は機械で抜きますが、一部従業員が包丁で抜きます。その
  本数は1日一人約3000本です。私はとてもできません。
12.とても良い経験になったし、宮崎だからこそ体験できるもので東京
  出身の僕からすれば全てが新鮮でした。
※みなさんが社会に出て働くようになった時、いや家庭をもって子供
  ができたとき「お肉は残さず食べるんだよ!」と言って頂けたら本当
  に嬉しい限りです。
13.私は解剖講座に在籍しているのですが、今までメスの卵巣を見た
  ことがなかったので、機会があればぜひ生でみてみたいなぁと興
  味をそそられました。
※10月に家禽疾病学講座で鶏の解剖を実習しますが、特別に種鶏
  の♀のサンプルを探してみます。
  私もあまり種鶏は解剖する機会がありませんが、やはりきれいな
  卵巣や卵管など見るとビックリします。
14.養鶏場ではオールイン、オールアウトや徹底した洗浄、入退時の
  消毒など防疫に対する意識の高さがうかがえました。想像以上に
  きれいだったので驚きました。
※平成16年に国内で初めて高病原性鳥インフルエンザが発生し、当
  時食品工場にいた私は社長から会社に入場する車両を全て消毒
  するよう指示されました。
  まだ1月で寒い中、車両消毒ポイントで車両を止めては運転手に
  消毒させたことを思い出します。
  あの高病原性鳥インフルエンザの発生は不幸ではありましたが、
  確実に私たちの防疫に対する考え方を一変させ、徹底するように
  させました。そしてまた養鶏産業で獣医師が大切な仕事をしている
  ことも知ってもらえるようになりました。
15.卵にワクチンを討つということでしたが、卵に穴をあけることによる
  影響は無いのでしょうか?そして卵を消毒する際、気孔から消毒
  液が入っていまい影響がでるといったことは無いのでしょうか?
※卵にワクチン専用の針で穴をあけることによる影響はないと思いま
  すが、針は使用した後消毒をしっかりしないと汚染することがあり
  孵化率や孵化した後の雛落ち(入雛して数日で死亡すること)など
  起こる可能性があります。
  卵の消毒による影響ですが、通常汚れていない卵はホルマリンで
  消毒しますが、ネスト以外のところで産卵した卵(汚卵)は希釈した
  消毒剤で洗ってからホルマリン消毒します。何時間も浸漬している
  わけではないので影響はないと思います。
  消毒液については色々使用していますが、アストップ200という逆
  性石鹸の1000倍希釈水に漬けて消毒します。
16.育成率が95%というのはすごいと思います。衛生管理には十分
  気をくばっていることがよく分かりました。
  私はまだ卒業後小動物臨床に進むか企業への就職にするかはっ
  きりと決めていませんが「食」に関わる仕事もやりがいがありそうだ
  と感じました。インターンシップなど実施していたら参加してみたいと
  思います。
※ インターンシップの件は検討します。末吉先生か担任の先生からの
  お願い(依頼状)があれば問題ないと思います。
  期間と内容は私たちが計画したいと思います。
17.鶏舎内ではかなりの高密度で鶏を飼育していると知り、また鶏は牛
  と違い50日程のサイクルで飼育、出荷しており、オールアウト後の
  清掃が大変だと思いました。
※直営のウインドウレス鶏舎では60羽から70羽/坪ですが、委託農
  場のオープン鶏舎では40羽から50羽/坪ぐらいで飼育します。
  当然、委託農場の方が成績も安定しています。坪羽数を上げれば
  上手くいけば黒字も大きいですが、その反対になるリスクも大きい
  です。
  オールアウト後の水洗、消毒は病原微生物やコクシなど出来るだけ
  減らし、孵化した雛に感染しないようにするために大変重要です。
18.今日の実習で最も印象に残っているのは鳥インフルエンザについ
  てのお話です。主観的な観点からこのような感染症の話をうかがう
  機会は滅多になく、鳥インフルエンザが発生した時の獣医師の対
  応、心情を聞くことができ、本当に興味深く感じました。
※鳥インフルエンザ発生のニュースでホワイトもてんてこまいでした。
  飼料、捕鳥トラックから鶏糞搬出トラックがいつも通る道路の変更、
  農場への出入り規制、消毒の徹底、農場担当者から食品工場の
  従業員まで外出範囲の規制などなど細かいルールを作り守るよう
  にしました。
  のどもと過ぎれば...と言う言葉がありますが、普段でも危機感
  を持って作業するよう指導するのも獣医師の仕事です。
19.今回実際の養鶏場を外観だけですが、見ることができ日常あまり
  見ることができないのですごく楽しかったです。
  養鶏場で行っている鳥インフルエンザ等に対する対策を教科書だ
  けでなく目で見ることができたのできっと忘れずに残ると思います。
※現代は情報化社会と言われ何でもパソコンのインターネットで検索
  できますが、便利な反面、間違った情報を鵜呑みにする可能性も
  大きいと思います。
  現場、現物、現実という言葉がありますが、自分の目で確かめた
  情報は知識となり知恵となるでしょう!
  今回の見学がみなさんの本物の知識になり、社会に出てから生き
  るための知恵になれば嬉しいです。
20.生産と消費が分業し、食品がどのように作られているのか不確か
  な現代で食肉生産、処理加工を担う現場としていかに生物の命の
  尊さを教育するか努力されていると思われますが、田舎育ちの私
  としてはやはりその点において今にも増して力を注いで頂きたいと
  いう考えです。
※本当に貴重な意見を頂き感謝します。
  私は子供の頃から家に猫が10匹ぐらいいる猫屋敷で育ちました。
  祖母は山羊や和牛を飼っていました。そういえば“丸”という犬も
  いました(亡くなった姉が可愛がっていました)。
  たった50日の命ですが、どうしても脚弱などの発育不良鶏がでて
  きて淘汰しなくてはいけないことがあります。動物の福祉の問題は
  避けて通れない問題であり、企業が環境問題に積極的に取り組ま
  なければならないのと同じくらい重要です。
  現代は企業の姿勢が問われる時代です。いわゆる企業イメージが
  ダウンすれば生き残れません。
  ブロイラーでも同じ命だと肝に銘じて取り扱いを改善するようにしま
  す。
21.色んな話が聞けてとても楽しかったです。また種鶏はとてもきれい
  だとおっしゃていたので、ぜひ見たいと思いました。鶏肉を大事に
  食べます!
※私はどちらかというと気持ちで仕事をするタイプだと思います。
  最後の言葉はズキンときました。
  毎日6万5000羽の鳥を処理、加工するためには約6万8500羽
  の雛が必要です(育成率95%で計算)。
  約3500羽強の雛は途中で死んで(又は淘汰され)みなさんの口
  には届きません。残念ですがそれがホワイトの今の実力です。
  今後は育成率を96%、97%...と改善するつもりです。
  種鶏をぜひ見て下さい!こんなにピカピカできれいなのかビックリ
  すると思います。インターンシップを検討しますので、末吉先生か
  担任の先生からお願いしてもらえば問題ないと思います。
22.残念だったのは鶏舎の見学について雨だったこともあり正直満足
  のいくようにはできませんでした。いろいろと御事情がおありだとは
  思いますが、もし来年、後輩達にも見学をさせていただけるならそ
  の点を考えていただけると幸です。
※了解しました。バスの中からだけで外に出て近くで見れないのはみ
  なさんだけでなく私たちも残念です。
  ホワイトファームの防疫ルールを検討し、来年はもっとよく見学でき
  るようにしたいと思います。
23.近年、食品の表示偽装など食に対する不信感が募っていますが、
  このように衛生管理がとりはかられていることを知り、少し安心し
  ました。しかしながら鳥インフルエンザがでた宮崎で食鳥にたずさ
  わる獣医師の使命は非常に重いものがあると思いました。 
※会社の獣医師ではあっても獣医師法、薬事法、食鳥検査法、食品
  衛生法、家畜伝染病予防法など法を遵守するよう指導する役割が
  ありますので会社の利益に反することも敢えて言う勇気が必要で
  す。人に嫌われたくないのは山々ですが、これも獣医師の使命だ
  と割り切っています。
24.九州全土にある提携農場の衛生指導が行われており、もしその中
  の1つからでも鳥インフルエンザを始めとする伝染病等が発生した
  ら経済的に大きな打撃を受けるために伝染病発生防止のための
  衛生指導は非常に重要であることを実感した。
※衛生指導にはただ農場に行って話をするだけではありません。
  細かいデータの積み重ねがあって改善のためのサポートができま
  す。地味な仕事ですが、データを取ったり、分析したりする若い力を
  求めています。ぜひホワイトも就職の選択枝に入れて下さい!
25.農家さんの家などにはよく行くので鶏自体は眼にする機会は少なく
  ないのですが、大型の鶏舎は見たことが無かったのでとても楽しみ
  でありました。大きさもさる事ながらall inn、all out の発想が驚き
  でした。
※大型すぎて6鶏舎ぜーんぶ出荷するのに1週間はかかります。
  出荷した鶏舎から順次鶏糞を出して水洗、消毒を行いますが、まだ
  出荷中の鶏舎があるのに水洗、消毒をしなくてはいけない欠点が
  あります。何でも大きければ良いというもんじゃないですね!
  日本ハム㈱はユニークな発想をすぐ実行しますが、失敗も多いです
  よ。
26.朝のうちに捕鳥をするという話が意外でした。ブロイラーの管理も
  健康面に気をつけるなど大変だと思いました。
※毎月1回食品工場のプラットホームで採血などサンプリングをしてい
  ますが、夜中の3時ころには出荷トラックが入ってきます。
  プラットホームには約2万羽くらいしか鳥を置けませんので食品工
  場が処理を開始してから少しづつトラックが入って来ます。最後の
  トラックは12時から1時ころではないかと思います。
  捕鳥の担当者は朝早くから鶏舎で1カゴに7羽づつ鳥を入れてゆき
  ます。私も捕鳥の経験がありますが、カゴを持ち上げようとしてギッ
  クリ腰になっちゃいました。プロは何でも凄いですよ!
27.職員の方には自分の個人的な質問にも丁寧に答えて頂きヒナが
  一羽80円くらいであることや、成鶏を大阪の方へ出荷されている
  ことなど多くのことを学ぶことが出来、大変有意義な体験が出来た
  と感じております。
※末吉先生がみなさんが“砂漠の砂が水を吸収するように育って行く
  のを見ると自分の仕事にやりがいを感じる”と言われました。
  末吉先生はみなさんが立派な獣医師になられるよう情熱をもって
  仕事をされています。
  この農場見学の企画はもちろん末吉先生です。感謝して下さい!
28.獣医師の数の少なさも想像以上でした。今回私たちは見学の機会
  を設けていただき仕事の一部を知ることができましたが、普段の生
  活で知るのは難しいと思います。もっと鶏に従事する獣医が何を行
  っているのか知る機会があればと思いました。
※色んな仕事があるので簡単には説明できませんが、新しいワクチン
  の試験なども行います。また研修や講演などに出席することも多い
  ですし、講演を依頼されることもあります。
  インターンシップを検討していますので一度試しにホワイトに来てみ
  下さい!若いのだからチャレンジする勇気も必要です。
29.宮崎は地鶏で有名ですが、ホワイトファームでブランド鶏と比較す
  ると肉質や栄養面でどの程度の違いがあるのですか?
※桜姫はとうもろこしを使用せずマイロという飼料を使用し肉色を白く
  しています。確かにとうもろこしを使用したレギュラーより桜姫は白く
  てきれいです。そのため人気があります。
  栄養面ではビタミンEの含有量が日本食品標準成分表に比較して
  3~5倍多いということです。
  地鶏と比較するとウーンやっぱ地鶏が美味いかもしれませんが、
  ホワイトの鶏は安くて唐揚にしたらたまらんですよ!
本当に感じたまま書きましたので満足のいくコメントではないと承知し
ています。
ただ、色んな感想を“書いてくれた”そのことに感謝しています。
そしてみなさんが社会に出て何かこの見学体験が役に立てば良いが
なーと祈っています!
それと、友達を大切にして下さい。末吉先生には学生時代からずーっ
とお世話になっています。今の私があるのは末吉先生のお陰です。
社会に出ると悩んだり苦しんだりすることがきっとあると思いますが、
そんな時は話を聞いてくれる友達がきっと助けてくれるでしょう。
     





家禽疾病学講義・実習風景

宮崎県養鶏獣医師協議会のご協力をいただき、
下記の豪華講師陣による家禽疾病学講義および
養鶏臨床現場での鶏病理解剖学実習を実施しました。


1.日 時:2007年11月29日(木) 
午前10時30分~午前12時まで家禽疾病学講義
午後1時30分~午後3時まで鶏の病理解剖実習


2.    場 所:宮崎大学農学部獣医学科

3. 講 義:  1)最近の鶏病について

                               吉森 良太郎 先生(児湯家畜診療所)

    2)地頭鶏について

                                安藤 忠弘 先生(宮崎県畜産試験場 川南支場)

                3)高病原性鳥インフルエンザについて

                             税田 緑 先生(延岡家畜保健衛生所 所長)


総合討論


実 習:1)鶏の病理解剖の術式について

全体説明

    
税田 緑 先生(延岡家畜保健衛生所 所長)

講師メンバー

川越真琴(宮崎くみあいチキンフーズ)
吉森良太郎(児湯家畜診療所)
中村賢司(日本ホワイトファーム㈱)
戸高和弘(日本ホワイトファーム㈱)
安藤忠弘(宮崎県畜産試験場川南支場)
杉田貢英(延岡家畜保健衛生所)
黒木仁美(宮崎家畜保健衛生所)
鎌田博志(都城家畜保健衛生所)
清水恵理香(都城家畜保健衛生所)

解剖用のサンプルは日本ホワイトファーム㈱から死亡鶏を20羽ご提供いただきました。



本年、宮崎県で発生したHPAIについてのお話もあり、現場の獣医師の使命感がひしひしと伝わってきました。
吉森先生ありがとうございました。


宮崎地鶏の地頭鶏、これからが楽しみです。
安藤先生、面白い話いろいろありがとうございました。

家畜保健衛生所の役割についてのお話もあり、法律に基づいた組織的防疫処置の大切さがよく分かりました。
税田先生ありがとうございました。


総合討論風景。
いろいろな答えにくい質問にも答えていただき誠にありがとうございました。

午後の実習風景。
二人で1羽の実習。
13名の講師(含大学関係者)で指導。
学生の皆さん、F嚢、胸腺、甲状腺、坐骨神経叢の確認できましたか?
気嚢は?肺と腎の形態覚えておきましょう。


学外から来ていただきました講師の先生、
本当にありがとうございました。
(できれば、来年もお願いします。)
それと、
今年こそは、HPAIが日本国内で発生しませんように!!!

気合を入れて 祈念!!

(2008.3月まで出なくてホッとしていたら、
韓国で大発生、そして、東北と北海道でハクチョウからH5N1が分離されました。
これ以上拡大しませんように!!)

(おまけ)
学生の実習感想文について戸高先生からコメントをいただきました。
4年生のみなさんへ
 末吉先生からみなさんの感想文を頂きました。
 読んでみて「こんなの面白いかなー」なんて自分の好みで計画したのが当っち
ゃったみたいで本当にビックリしています。
 解剖実習は末吉先生がやってくれ!って言われたんで「鳥は準備できるけど、
解剖の指導となると自信ないなー」と悩んでましたが、税田所長が鳥に詳しいの
で「所長、すいませんがやって下さい」って頼んだらこれがまたすぐOKでビックリ!
 いやーみなさん、何事もやってみないと分かりませんね!
みなさんの感想文を読んで私からのコメントです。
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1 検査結果が予期したものと違っていたとしても、状況を見て、迅速かつ正しい判断
を下すことが重要だということがよくわかりました(AMさん)
※現場に行って鳥を解剖して、これは通常の大腸菌症ではなくマイコプラズマで
はないか?ということがあります。普段から危機意識と勉強が大切ですね!
ファブリキウス嚢は中を見てちょっと変じゃないと思ったら病理検査、細菌検査をし
てみて下さい。意外な発見があるかも・・・
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2 鶏独自の解剖手順や鳥類特有の器官を実際に見て、体験させていただき、牛と
の違いがとても興味深く楽しかったです(MOさん)
※私も以前に食肉衛生検査所で牛、豚の検査をしていましたが、哺乳類と鳥類
の違いは興味深いですね。野鳥を解剖して、そ嚢にたくさん穀類が入っているの
を見て厳しい自然の中で懸命に餌を探して生きている事を実感しました。
人間は自然の恵みを無駄にすることが多いですが、動物はしません。偉いですね!
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3 現場の第一線で活躍している先生にご指導いただける機会もあまりないので貴
重な体験をさせていただき本当に感謝しています(KHさん)
※感謝して頂いて本当に嬉しい限りです。我が家では私のことを獣医師として認
めてくれません。悲しい限りですが、余りにバカばっかりやってるからでしょうか?
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4 鶏インフルエンザについてはニュースで報じられていた様々なことを、獣医師の立
場から考え直すことができました(MTさん)
※本当に鳥インフルエンザに立ち会われた先生のお話は臨場感ありましたね。
私も日曜日に電話があり、もしかして鳥インフルエンザではないか!?と思って
出かけたらクロストリジウム症でした。出かける前に顔面蒼白となっちゃいました。
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5 特にイメージの湧きにくい神経の実際の位置や、胸腺などを実際にみることもでき
とても良かったです(SIさん)
※今回の解剖実習では私も神経の名前や位置を再確認しました。鳥の病気の判
断には大切ですからしっかり勉強して下さい。
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6 僕らが解剖した検体ではなかったですが、大腸菌症と思われる黄色調の繊維素
性腹膜炎らしき所見がみえたのもよかったです(SIさん)
※繊維素性腹膜炎という用語をパッと書けるのはよく勉強している証拠ですね。
ただ、念のために細菌検査すると大腸菌以外の細菌(例えばサルモネラ菌とか)
が発育する場合がありますので注意が必要です。
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7 今回鶏の解剖をして、例えば骨にしても含気骨である鶏の骨はもろく、哺乳類の
骨とは異なり容易に折れることに驚きました(FYさん)
※食品工場で品質管理をしていた時、くの字に湾曲した大腿骨を時々見ることが
ありました。約40gの雛が50日ちょっとで約3Kgの体重になるのですからしっかり
した骨の形成ができないのですね。
それと、「将来獣医師としてどの分野で働くか、まだ悩んでいる」と書いてありました。
日本ホワイトファーム㈱も是非考えて下さい!
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8 実際に診断にあたった獣医の方も誇らしいしいのではないかと思っていたのです
が、お話を伺うと、もっと早くに診断できたのではないかとか、スワブの取り方やウ
イルスの検査の仕方がゆるかったのではないかなど、たくさん反省しておられまし
た。大変意外でした(AHさん)
※私も吉森先生のお話を聞いて感心しました。実際その場で検査、判断する時は
今までの経験を踏まえて判断しますから、分からない場合もあります。また検査し
てもはっきり陽性や細菌の発育がない(少ない)場合がありますので対応が遅れ
る場合もあります。常に法定及び届出伝染病の疑いも念頭に置いて判断すること
が大切ですね。
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9 鶏の解剖では、大学の実習では牛を中心としていたため、あまり目にする機会が
無かった鶏の体内構造や解剖の仕方を学ぶことができてとても有意義でした
(YKさん)
※私が小さいころは家で鶏を飼育しており(山羊もいました)、何か目出度いことが
あると父がさばいて食べていました。今は何でもスーパーに行けば売っています
ので生きた鶏と接する機会が減っているようです。有意義だったと言ってもらえて
本当に嬉しいです(元々は末吉先生がみなさんの為に提案されたんですよ!)。
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10 鶏の解剖を行ったのは、初めてではありませんが、これほど分かりやすく勉強に
なったと感じたのは初めてのことです(TFさん)
※ウーン、税田所長は嬉し泣きしていることでしょう。解剖実習の前に延岡家畜
保健衛生所に行き、税田所長と打ち合わせしました。また死鳥2羽も持って行き
ましたので、税田所長もベテランですがみなさんに分かりやすく指導するために自
分で解剖されたみたいです。来年は生きた鶏で指導したいと言われていました。
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11 名前はよく知っていたファブリキウス嚢、ささみ、気嚢などは実際に見たことがあり
ませんでした。これから家禽の疾病については今までよりは少し実感深く勉強で
きると確信しています(ROさん)
※気嚢は鶏を解剖して胸骨を開けた時に透明なビニール袋(気嚢)が汚れている
場合があるので、よく観察しないと見逃します。また肺は肺炎をおこしたりすると黒
くうっ血しますので必ず見るようにして下さい。片肺がやられただけで鶏は死んでし
まうくらい呼吸器疾患には弱いです。
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12 地頭鶏の名前は以前から聞いたことがあったのですが、その定義を細かく知るこ
とができて、一つ物知りになった気がします(TMさん)
※私も今回安藤先生の話をお聞きして勉強になりました。「近いうちに食べてみよ
うと思っています」と書いてありましたので是非焼酎と一緒に食べてみて下さい。
病み付きになってなっちゃうかも?
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13 前回の見学をさせていただいたことと今回の解剖のために鶏を提供していただい
たことにとっても感謝しています(SOさん)
※前回の見学の時は企業秘密及び防疫の関係で鶏舎の中まで説明できず申し
訳ありませんでした。実際に見たらこんな風に給水気(ニップル)や給餌器やガス
ブルーダー(暖房機)が設置されているのか実感できたのに・・・と思いました。
今回の解剖実習にはたくさんの先生方に呼びかけましたところ快く来て頂きまし
た。来年は15名の先生で解剖指導する予定です。
********************************************************************
14 講義では本年一月清武町において発生したHPAIの第一発見者のお話を聞くこと
ができ、非常に参考になりました。やはり現場の方のお話は臨場感があり、気が
引き締まりました。もし自分がその立場だったらと思うと、責任の重さを感ぜずに
はいられません(YMさん)
※そうですね!私たち獣医師は家畜伝染病予防法、獣医師法、薬事法、と畜場
法、食鳥検査法、食品衛生法などたくさんの法律に従い仕事をしています。
獣医師の社会的責任はとても重いことをよく理解して下さい。
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15 簡単に食鳥検査や食用肉の流通といっても、どれだけ消費者からすれば重要な
職業なのかということをあらためて感じました(STさん)
※食鳥検査ではその食鳥処理場専属の食鳥処理衛生管理者が多数いて、その
方たちが異常と思われるものを外して食鳥検査員(食肉衛生検査所の獣医師)の
方に検査してもらいます。食鳥検査員は検査鋏で解剖し、全部廃棄とするか一部
廃棄とするか数秒で判断し、それを記録します。本当に大変な仕事ですがそれだ
からこそ消費者は安心して鶏肉を食べることができるんですね!
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16 今まで臨床以外はあまり興味がもてませんでしたが、実習やお話を通して公務員
や企業の見方が変わりました(TTさん)
※臨床獣医師もすばらしいお仕事です。私は人と話をするのが不得手なので公
務員を6年間していましたが、姉が亡くなったために宮崎に戻ってきました。
人はどんな仕事が自分に向いているのかやってみないと分かりません。どうか鳥
にも関心を持って頂ければ幸いです。
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17 今回は鳥インフルエンザの話が多かったですが、そういう重大な感染症の話も聞
きたいのですが、日常の現場で頻繁に診る疾病など、実際の現場で多く遭遇する
ような病気や問題についての話も聞くことができればより鶏の臨床現場の様子や
苦労を知ることができ、また実践的な知識も身につけることができるように思いま
した(YSさん)
※実際には病気の発生日齢も様々ですし、症状も様々です。薬は諸刃の剣です
ので使用は慎重にしなければいけません。できれば生菌剤やビタミン剤などで対
処するほうが良いと思います。そんな症例を今後みなさんにできるだけお話でき
るようにしたいと思います。
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18 清武の鳥インフルエンザの第一診断者の方に会えたのも貴重なことでしたし臨場
感のあるお話は引き込まれました。また実際その場に直面すると、あれだけ世間
をにぎわせている疾病を、目の前にしても、人目でそれと判断することは容易なこ
とではないと分かりました(KFさん)
※実際に現場で遭遇する臨床所見ではウイルスや細菌など複合感染の場合が
多く、「これが原因です」とはっきり断定できないケースが多いです。面倒でもスワ
ブを取ったり、採血したりして検査すると原因を絞り込めますが、今回の鳥インフ
ルエンザの場合には急性ですから診断が難しいと思いました。
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19 小さい鶏の方が楽だろうと思って選んでさばいたら大腸菌症だったらしくて復腔内
が凄いことにになっていましたが、こういう病変を直接みることができ良い経験だっ
たと思います。獣医さんが黄色の浸出物を卵焼きと言っていたのが印象的でした
(AHさん)
※卵焼きと言ったのは多分私です!昔、食肉衛生検査所で牛の神経細胞の腫瘍
を見て「これで何人分の卵焼きができますかね?」と言って周りの先生から笑われ
た経験があります。その時から全然進歩してませんね。
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20 鶏インフルエンザの発見について聞き、あらゆる疾病を疑えるだけの知識を持っ
ていなければならないということを改めて感じました。何だか不安です。しかし、鶏
のお医者さんにはなれないと分かりました。私はあと10年は生きるインコを飼って
いるからです(KYさん)
※“あらゆる疾病を疑えるだけの知識”を身に付けるにはたくさんの経験が必要で
しょう。現場での解剖や検査室での検査を通してこれは変だ?という勘をいつも
鍛えることが大切ですね。寂しいですがインコは実家等で飼育してもらい、別にア
パート等で生活して是非、日本ホワイトファーム㈱を受験して下さい。私の会社に
は寮もあります。
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21 今回の順序立てられた解剖はじっくりと自分の手で開いていくことでより解剖につ
いての理解を深められたと感じています(SIさん)
※食品工場のプラットホームでカゴの中で死んでいた鶏をサンプリングしたのです
が、2日かかりました。保冷剤で冷やして保管したのですが、ケースの下の死鳥
は痛みが激しかったようです。でもみなさんの学習の参考になったみたいでとても
嬉しいです。
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22 鳥インフルエンザに対する防疫で様々な手順と作業が細かく決まっていることが
分かりました。急速に広がる感染症を最小限に留めるためには消毒や移動制限
だけでなく正確で迅速な病性鑑定や防疫にたずさわっている人の健康管理など
も欠かせないのだと分かりました(YHさん)
※今年の鳥インフルエンザ発生では行政の防疫措置に対し、民間企業も協力し
ました。新富町での発生では10Km内に処理場があったため、日本ホワイトファー
ム㈱の食品工場で一部処理できるよう協力しました。
また、マスコミ関係者が発生農場付近に平気で侵入し、撮影するので県の畜産課
に厳しく指導して頂くようお願いしました。
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23 側についてくれていた先生たちが何をどう見ることで病気を判断するかを教えて
下さいました。普段教科書等で知っている病気も実際に解剖しながら学ぶとさらに
理解が深まる気がしました(AMさん)
※今回初めての解剖実習で10名の先生方の指導位置を決めていませんでした。
そのため指導に濃淡が生じたようです。すいませんでした。次回からは指導スタッ
フを増やし、指導する位置も事前にきめておきたいと思います。
ただ、参加して頂いた先生方はみんな一生懸命指導されましたのでみなさんの感
想文を読んで喜んで来年も来て下さると思います。
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24 いろいろと見るポイントがあってそれらがどんな疾病に結びついているのかを覚え
ていくのが大切なことなのだと分かりました(KTさん)
※現場では農場の責任者の方と話をしながら飼育管理にミスが無かったか考え、
死鳥を5羽ぐらい解剖します。まだ2~3日齢の雛の場合は肉眼的には分からない
場合もありますので持ち帰り、細菌検査をします。卵黄から大腸菌などが発育した
場合には、すぐに社内ランで写真付きの報告書を孵卵場や種鶏場に流し注意する
ようにしています。偉そうな事を書いても毎日鶏病の専門書は手放せません。
********************************************************************
25 鶏の疾病は個別ではなく鶏舎ごとに全体をみなければいけないというようなお話
もあり、現場の先生方は凄く速いスピードでみられているのだろうなと思って感心
していました(SNさん)
※私の会社では直営農場を含め85農場あります(鶏舎数ではありません)。しか
し宮崎くみあいチキンフーズ㈱は約150農場あり、川越真琴先生1名で診療され
ています。凄いスピードでみられていると思いますが、凄いスタミナ、精神力だと
いつも感心しています。川越先生はみなさんの先輩です(出身は福岡県です)。
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26 腎臓を崩壊させずに取り出せたことや、上皮小体や副腎を観察できたことは先生
のお陰です。また、先生のお陰で家畜保健衛生所の仕事についても興味がわき
ました(AIさん)
※宮崎県ほか各県は獣医師の退職者数の増加に伴い、たくさんの獣医師を募集
しています。私の会社ももちろん募集しているのですが、私が頼りないのかなかな
か受験してくれません。是非宮崎県だけでなく私の会社も受験して下さい。
********************************************************************
27 大まかな臓器は確認できたし、鶏特有で想像しにくかった気嚢、肋骨の溝がある
腎臓、ファブリキウス嚢や卵黄嚢茎依残などを見ることができ、鶏の解剖について
以前よりも鮮明なイメージをもつことができました。(戸高先生の天然もおもしろく)
楽しく学ぶことができました(MKさん)
※今、家でこのコメント書いてますが、大蔵大臣(財務大臣?)が何か言ってます
が、良く聞いていないので「○○ーが△△たら、面倒みらんで老人ホームに入るっ
ど!」などという厳しいお言葉が飛び交っています。
********************************************************************
28 鳥インフルエンザが身近な所で発生したといっても何かとても遠い話だなと思って
いました。しかし、その病気の発生を間近で体感した方のお話を聞き、もし自分が
獣医師として公務員になれば、そういうことがあり得ることなんだ、と改めて思い
ました(YKさん)
※毎日、新聞やテレビでいろんな事件、事故が報道されていますが、他人事と思
っていますよね!私も姉が事故で亡くなった時、初めて自分にもテレビや新聞で
報道されていることが起こるんだ!と実感しました。
毎日、家に帰り何事もなくみんな無事で会話できることの幸を感じています。
幸にも、姉の子供たちも大きくなり、結婚して幸せに暮らしていますので、姉も天
国で安堵していると思います。何か話が桂さんの主旨と全然違いますね...
********************************************************************
以上、私の感じたままを書きましたが、みなさんが本当に真面目であり、素直で
あることを嬉しく思いました。
私は二浪しましたが、末吉先生と巡り合い、良くして頂いています。つまり受験で
失敗はしたが、決してそれは失敗ではなく、成功のための1ステップだったのです。
みなさんも小さい失敗にくじけず、何度でもチャレンジする気持ちを持って頑張って
下さい!もちろん友達を大切に!
日本ホワイトファーム株式会社 品質保証室 戸高和弘
See you again !



平成20年度畜種別疾病講習会


日時:平成20年10月9日(木)10時00分~12時00分
                   13時30分~16時00分

場所: 宮崎大学農学部獣医研究棟1階視聴覚教室
対象: 獣医学科学生
司会: 戸高和弘先生(ホワイトファーム株式会社)
演題: 1)最近の鶏病について
川越真琴先生(宮崎くみあいチキンフーズ㈱)
2)飼料添加物について
斉藤恵子先生(コーキン化学株式会社)

3)動物用ワクチンの開発と製造について
林志鋒先生(日生研株式会社)
総合ディスカッション
(社)全国家畜畜産物衛生指導協会支援事業
   共催: 宮崎県養鶏獣医師協議会(会長中村賢司)

総合ディスカッションでは、たくさんの質問が出ました。
講師の川越先生、斉藤先生、林先生、司会進行を務めていただいた戸髙先生ありがとうございました。

学生感想文

kansoubunn.pdf へのリンク

戸高先生からのメッセージ

「鶏を病気から守る」感想文に対するコメント
 今年は午前中90分、午後からも90分の時間を頂き、おまけに総合
ディスカッションまですることになりましたが、4年生のみなさんに授業
とは違った意味で知識、興味を持って頂けたのでは?と思います。
 今回、遠くから講師をお呼びするに当って末吉先生が本当にご苦労
下さいました。心から感謝致します。
 みなさんの感想文を末吉先生から頂き、すぐに読みました。みなさん
が獣医師の職域の広さ、責任など感じて頂いたみたいで本当に喜び
でいっぱいです。
 みなさんが書いて下さった感想文に対する私のコメントです。少しで
も参考になれば幸です。
1 今回の話では疾病の予防対策のほかに雛クレームがあるということを
初めて知りました。雛クレームの際も往診をし、診断を出して対応する
ということを聞いて改めて獣医師の仕事の幅広さを知ることができまし
た。(Kさん)
※入雛した後、雛が急にバタバタ死んだりすると死んだ雛を解剖し、細
菌検査をしたりします。もしウイルスによる疾病が疑われる時は外部の
検査機関に検査依頼します。獣医師はそこで得られた検査結果から
どこに問題があったのか判断する責任があります。簡単には白黒つけ
られない場合があり農家に説明しにくい時もありますが、普段から農家
とのコミュニケーションを取っていれば農家も自分の非を理解してくれま
す。こじれない為にも日頃からのコミュニケーションは大切です。
2 斉藤先生のお話では、飼料添加物と飼料添加剤は別のものであり、
日本では保管などもしっかり分けられているというのが印象に残りまし
た。飼料添加物一覧では着香料の欄もあり、鶏もやはりいい香りの飼
料のほうがいいのかなと思いました。(Kさん)
※夏バテ防止に重曹や唐辛子などを添加することもあります。
この他、飼料添加物ではリジンなどアミノ酸の量が鶏の発育に非常に
重要です。ちなみに飼料添加物とは「天然の飼料原料のみでは栄養
素要求量を完全に充足することは困難なためにそれを補給するため
に飼料の有効利用の促進、品質低下を防止する目的で飼料に添加す
るもの」と規定されています。
3 家禽に対するワクチンの卵内接種は哺乳類のワクチン接種を中心に
習ってきたせいか自分の中に全く発想がなかったためとても興味深く
印象に残りました。鶏にも移行抗体ってあるのですね。(Mさん)
※私も食品工場から生産部に来た当時、孵卵場で卵にワクチンを接
種すると聞いてビックリしました。針が卵の殻を割っちゃうんじゃないか
?とか雛が死んじゃうんじゃないか?とか心配しましたが全然そんな
ことは起きませんでした。移行抗体は血液検査をすると高いことが分
かりますが、次第に下がってきますのでワクチンをする必要があります。
4 ワクチン接種を行うには時間や労力がかかると思いますが、それ以上
にワクチン自体の経済的負担が重要であると思います。すべての鶏に
ワクチン接種したとしても100%病気を予防できるわけではないし、
ワクチン接種によるストレスや事故も起こりえます。これらを考慮する
とワクチン開発における3大要素である有効性、安全性、経済性を満
たすのはとても困難だと感じました。(Mさん)
※本当にビックリするほど勉強されていますね!私が最近理解したこ
とを理解されています。ワクチンの投与は雛にとってストレスでもあり
ます。ワクチンを投与した時、他の飼育管理や衛生管理が適切でない
と強いストレスが重なり雛は肺炎や大腸菌症になることがあります。
ワクチンは諸刃の剣ですね!
5 斉藤先生の飼料添加物についてのお話はなかなか聞く機会も少なく
単に飼料添加物といっても非常に多くの種類があること、家畜の成長
段階で分けられていること、添加量の規制が決められていることを知
ることができ本当に参考になりました。(Kさん)
※同感です。私も勉強不足なので一度斉藤先生から教えて欲しいと
思っていました。抗菌性物質は添加量が不足していたりすると国が社
名を公表しますので非常に神経を使っています。ちなみに飼料添加物
は「飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(略して飼料
安全法)」という法律でその製造、使用及び保存方法が厳しく規制され
ています。
6 分野の異なる三人の先生のお話を聞いて改めて獣医師として働く、
社会貢献する方法の幅広さを感じました。(Sさん)
※今回の講演の趣旨の一つは臨床獣医師を支えるたくさんの獣医師
の先生方がいらっしゃることを理解してほしかったことです。
薬品メーカーには営業専任の獣医師もいらっしゃいます。同級生の中
には外国の薬品メーカーで働いている人もいます。よく英語喋れるな
ーと思いますが今後は更に外国で働く獣医師も増えるでしょう。
7 マレック病や伝染性気管支炎などのワクチネーション、雛.鶏にストレ
スをなるべく与えない農場の環境など家禽の疾病を発生させないこと
が大切であると思いました。またブロイラー獣医師は消費者に安全安
心な鶏肉を提供するために生産段階において非常に重要な存在であ
ると感じました。(Sさん)
※本当にありがとうございます。私の家では私のことを獣医師と思って
いません。それもこれも家で飼ってるペットが元気が無いというので私
に相談がありましたが正直な私は「はよー獣医さんに電話せんね!」
と言ってしまいました。そしたらA型の3人が鋭い目付きで「オメーが
獣医じゃろが!?」と言いました。O型の私はしまった!と思いました
が、後の祭りでした。みなさんくれぐれも言葉には注意して下さい。
(誤解を避けるために補足しますと私はA型の人間を嫌っているので
は全くありません。むしろ反対です。何故かって?O型のアバウトな私
は人の気持ちを考えずに行動することが多いからです。)
8 オレガノ精油調製品が大腸菌、クロストリジウム、カンピロバクターな
どに穏やかな抗菌活性を示し、産卵率向上や肉斑減少、ストレス物質
放出軽減などの効果を示すという話はとても興味深く感じました。(Yさん)
※こういった天然成分による添加物が主体となり、抗生物質などを使
用しなくても病気にならないで健康な鶏が生産できるようになるといい
ですね!ちなみに鶏も一羽一羽みんなストレスに対する感受性が違う
と聞いてビックリしました。個人差というか個鳥差があるんですね!
9 ワクチンは疾病の予防という点で欠かすことのできないものになって
おり、上手に使用することでかなり多くの疾病を予防することができる
ので特に家畜に対しては非常に大事な予防法である。その中でも、
これまで知らなかった製造法について触れていてその大変さや厳密
さに驚いた。(Oさん)
※大変なご苦労をして私たち臨床獣医師が使用できるわけですが、
このことを農家の方にも理解して頂き、保存や使用方法をしっかり守
るよう指導することが重要だと感じました。
10 各農家の飼育環境によって発症に大きな差が出るということで、今の
時代、牛、豚に限らず鶏でも動物福祉の観点からも飼育環境の改善
が必要であると感じました。(Wさん)
※1鶏舎で1万羽ぐらいの鶏舎が良いと思います。2万羽以上の大型
鶏舎になると鶏舎環境が前方、中間、後方で少し違ってきます。もち
ろん右、真ん中、左でも違います。鶏舎環境を同じようにコントロール
することは非常に大切です。その為にもどのくらいの坪羽数にするか
は動物福祉の面も考慮して慎重に決めなくてはいけません。
11 私は栄養学的な話はとても興味があるので楽しく聞かせていただき
ました。しかし、飼料添加物に関する法律も知っておかなくてはなら
ないのが大変そうだと思いました。(Tさん)
※家畜や家禽及びペットの栄養については病気との関係から少しづつ
勉強して下さい。以前知人の犬が元気が無いのでいっしょにペット病
院に行って診てもらったところ、「何を食べさせていますか?」と先生が
質問されました。知人は「残飯を食べさせています」と答えました。
先生は「栄養が偏らないようペットフードを食べさせて下さい!鉄分が
不足していますよ!」と言われました。なるほど栄養は大切だなーと
思いました。
12 総合ディスカッションではマレック病ワクチンの卵内接種が始まってか
らマレック病の報告が減ったという話はとても興味深く、機械化には
抵抗がありますが、やはりその正確性や簡便さに感心しました。(Iさん)
※何でも機械化すれば良いものではないでしょうが、食品工場では
以前は胸肉を手作業で解体していました。非常に熟練と力が要求され
大変でしたが、今は機械で解体しています。深胸筋(ささみ)は手作業
で外していますが本当に楽になりました。機械化することで作業員の
労働条件が良くなることも大切なことですね!ただし、楽にはなっても
機械相手ですから大きな労働災害が起きやすくなります。事故が発生
しないよう常に注意することが大切です。
13 ブロイラー獣医師の先生方はデスクワークに加えて農家への指導も
あり、かなりハードな日々を送っていることがうかがえました。特に農
家とのコミュニケーションが重要だと感じました。(Iさん)
※農家の方との信頼関係は大切です。社会に出て働くようになれば
コミュニケーションをよく取るように心がけて下さい。これは家庭でもい
えることです。夫婦共働きの方が多いと思いますが、たまに弁当を作っ
てくれたら嘘でも「美味しかったよ!」と言わないと大変なことになりま
す。熱い愛の炎はいつまでも続きません!離婚したくなかったらくれぐ
れも小さいことでもコニュニケーションを心掛けてください!私のことで
はなく一般的なことですよ!
14 最近は情報化社会でインターネットを使えば誰でも最新の情報を手に
入れることが出来ますが、今回、実際の現場で働く方々の生きた声を
聞くことは貴重な機会であり、これにかえることは出来ないと感じまし
た。(Nさん)
※インターネットや新聞、雑誌、専門書など本当にたくさんの情報が手
に入る便利な時代になりましたが、ではそれで現場のことを本当に理
解できるかというとそんなに甘いものではありません。
だって私たち獣医師が自分の会社の種鶏場、孵卵場及びコマーシャ
ル農場の全てを理解しているかというと半分も知らないからです。
また、情報は自分の考え方が大切です。どんな情報を自分は欲しいの
か、それをしっかり持っていないとクズの情報に振り回され、いっこうに
成果がでないことになります。自分の目的意識を確立してこそ情報を
活用できるのではないかと思います。
15 増体量に対して約2倍分必要となる飼料はとても大事であり、飼料の
配合によって企業の成績は非常に左右されると思うので、栄養分プラ
ス添加物による飼料計算は複雑で難しそうではあるけれど必要不可
欠であるのだなと感じました。(Nさん)
※飼料添加物の中で獣医師の専門知識や経験が最も問われるのは
抗菌性物質ですね。多数の抗菌性物質の中から現場に有効な薬剤を
コストも考えて決定する責任があります。何年も同じ抗菌性物質を使
用するとその抗菌性物質に対して強い菌が残ってくる危険性もあるの
で薬剤感受性試験などのデータを基に変更することも大切です。
16 養鶏場では治療を行わないと聞いたとき、それなら獣医師は何のため
にいるのか、と真っ先に思いました。畜産において生産効率を上げるこ
とが一番に優先すべきことなのだからしょうがないと、頭では理解でき
るのですが、気持ちの部分で、動物が病気にかかれば淘汰...冷た
い職業だと感じずにはいられませんでした。(Kさん)
※淘汰を減らすにはまづ種鶏が健康であることが一番です。健康な
種鶏を育てるにはワクチン接種だけでなく飼育管理がとても大切です。
飼育管理が悪く種鶏にストレスが加わると細菌やウイルスに感染して
産卵率が落ちたり、受精率が落ちたりします。
次に大切なのはコマーシャル農場での飼育管理です。特に入雛して
一週間は健康で丈夫な腸管を作るためにとても大切な期間です。
こうして淘汰を減らすことができてもやはり発育の悪い鶏は淘汰すべ
きです。残酷な獣医師だと思うかもしれませんが、淘汰しないとその
鶏が咳、鼻汁、下痢をしたりして病原菌等を周りの健康な鶏に撒き散
らす可能性があります。そして出荷まで餌を食べますから飼料もムダ
になります。トータルで考えると出来るだけ早いうちに淘汰するか、症
状が軽度(軽い肺炎や気嚢炎)であればすぐに投薬するようにしてい
ます。
17 斉藤先生からは飼料添加物についてでしたが、飼料に抗生物質を加
えることによって増体に大きな影響を及ぼすことを知りました。現在の
飼料価格高騰を考えても、同じ量でいかに太らすか、ということは重要
であると思います。「抗生物質は耐性菌を生む」というイメージが強か
ったので、これを改めることにもなりました。(Sさん)
※飼料には微量の抗コクシジウム剤がはいっていますが、これを全く
使用しなければたぶん教科書に載っているように2週齢から3週齢で
ほとんどの鶏がコクシジウム症を発症するでしょう。死亡率も10%超
えるかもしれません。死亡しなかった鶏も腸管粘膜を傷めて正常な発
育は望めないでしょう。つまり微量の抗コクシジウム剤でコクシジウム
の感染を弱め、次第にコクシジウムに対する免疫を獲得して正常な発
育をするようにしているのです。考え方を変えればコクシジウムの生
ワクチンを与える代わりに野外からのコクシジウムの感染を抗コクシ
ジウム剤で弱めて免疫を付与していると考えることができます。
ちなみに種鶏には練り餌にコクシジウムのワクチンを混ぜて投与して
います。
18 夏にフランス、ドイツを彷徨いた時に向こうの人に「日本人は生卵や
生、半生の食肉を何の抵抗も無いらしいね。凄い事だと思うけど徹底
した抗菌、消毒には抵抗は無いのかい?」とからかわれたのを憶えて
いますが、今の僕には手前の腹から出た意見も知識もまだ固まって
いません。(Mさん)
※確かに食品工場では次亜塩素酸ナトリウムを使用して消毒していま
すが、これは中抜き工程と冷水チラー工程では意味が違います。
まづ中抜き工程ではと体表面に次亜塩素酸ナトリウムの入った水を
シャワーしますが、これはと体表面の洗浄、消毒です。と体表面は細
菌で汚染していますのでシャワーで洗い流しかつ消毒するのです。
冷水チラー工程ではチラー水自体を次亜塩素酸ナトリウムを点滴しな
がら消毒するのです。点滴しないとチラー水は血液で真っ赤になります。
つまりと体は冷えますが、細菌の発育しやすい血液の染み付いたと体
となります。これでは0℃で保存しても日持ちしません。
私が言いたいのはお肉に消毒薬をかけているのではないということで
あり、日本の食肉処理場の衛生管理を知らない外国人にナンセンス
なことを言われたら「全く抵抗ありません!日本に来て食品工場を見
学しなさい!」と胸を張って言って下さい。
19 獣医師は、ワクチンを製造する側とワクチンを使用する側の架け橋に
なれる職業だと思います。ワクチンを製造する側の努力が、現場で反
映されるように、現場に対しきちんと指導を行うことが、廃用を減らし、
たくさんの安全な食料の供給に繋がるのではないのかなと思います。
(Kさん)
※毎月定期的に食品工場に出荷される鶏を採血してND、IB、IBDの
抗体価を測定しています。ワクチンが適切に投与されていれば正常な
抗体価を示しますが、異常に高い値がでることもあります。これは投与
方法の問題と絡んで野外感染の問題もあります。獣医師は出荷成績
や食品工場での食鳥検査データなど参考にして適切なワクチン投与の
指導やワクチンプログラムの変更などを行う責任があります。
20 ブロイラー獣医師である川越先生のお話は、臨床中心のお話だったの
でとても参考になった。獣医師がどのようなことを心がけるべきである
か、またどのように行動すべきかなど、実際に働いている方のお話を
聞くことで自分の中に少しでも身に付けることが出来たと思う。また、
実際の症例や事故などを交えてのお話であったために、非常に解り
やすかった。(Sさん)
※事故でたくさんの鶏が死亡することがあります。ホワイトファームの
直営農場が漏電で火災が発生し、ほとんどの鶏が焼死したことがあり
ました(奇跡的に1羽だけ助かりました)。この外、台風の影響で停電
になって換気扇が一時的に止まり、出荷前の鶏が斃死したことも意外
と多いです。出荷前には3kgの鶏が1鶏舎に約一万羽ひしめき合って
いますので、換気しないと簡単に酸素不足に陥り、死んでしまします。
特に夏場の落雷などは恐いですね!
21 林先生の講義は、ワクチンに関して全体的に話されたので非常に理解
しやすいものでした。学生からの質問が数多く有ったように、哺乳類で
は考えにくい、ワクチンの卵内接種が印象的でした。卵の時点で接種
してしまおうという発想、卵内での雛の体制が安定していること、卵内
接種の作業効率など、普通哺乳類にしか接する機会のない私達の想
像の及ばないお話がとても興味を引かれました。(Sさん)
※6月の直営農場見学の際に種鶏場から食品工場までの流れを説明
しましたが、その中で孵卵場でのワクチンの卵内接種をちょっぴり話し
ました。時間の制約もありよく理解できなかったのではないかと思いま
すが、来年の見学の際はもっと卵内接種について時間を取りたいと思
います。
22 養鶏場における獣医師の仕事は毎日いくつかの農場を巡回し、農家
さんへのワクチネーションの指導や鶏舎の状態のチェックや病原体の
検査など幅広く非常に忙しそうだという印象を受けました。病気が起こ
ると色々な原因が様々な場所に発生するので、原因追及は非常に難
しそうだと思いました。(Hさん)
※ホワイトファームでは農場巡回は生産課の指導員6名が行っていま
すが、指導員の方と相談して農家に行って診療や指導を行うこともあ
ります。何もない場合には事務所で色んな事務処理や検査、データの
整理などしたり、会議に出席したりします。SQFというHACCPの認証
を取得していますので内部監査や本審査の準備なども行います。
23 飼料添加物についての話では飼料添加物と飼料添加剤についての
違いについてもよく理解できました。しかもお話を聞いたときに、自分は
鶏の成長についてしか答えられないと言ったことに感銘を受けました。
確かに副次効果があるかもしれないと予想されることでも、述べること
が許された範囲と効果と確証とに基づいた語りにプロを感じました。
(Sさん)
※ウーンすばらしい!若いのに本当に良く理解されていますね!
50歳過ぎた私でもこんな文章は書けません。私が斉藤先生から学ん
だことはお書きになった通りですが、ある抗生物質でクロストリジウム
に効能効果があるのに医薬品の本には記載されていない場合があり
ました。斉藤先生に聞いたところ、「確かにフィールドでは効果があるこ
とは解っているが、メーカーが記載できるだけの試験をしていないし、
したとしても時間とコストがかかる」とのことでした。私たち獣医師は本
に記載されていないが、ある細菌に効能効果があることや、記載され
た効能効果はあるが、副作用があることなどよく勉強して使用する必
要があります。また現場で使用する場合には農家の方にそのことを分
かりやすく説明する必要があります。
24 今回の講習を受けて、鶏の飼育において様々な管理について知るこ
とができた。鶏は一つの鶏舎でものすごく多い数が飼われているので
病気が感染→拡大していくのを防ぐためにしっかりと注意を払わないと
いけない。鶏舎の衛生管理、ワクチン接種、飼料の選択など多方面か
ら鶏の健康をみないといけないのはとても大変だと思った。(Oさん)
※本当にそうですね!大変です。モニター農家に巡回すると農家の方
が設備や機械の修理などでへとへとになっている時があります。鶏舎
の中には暖房器具であるブルーダー、給餌器、給水器、換気扇など
たくさんあります。オープン鶏舎では壁の羽戸や防鳥ネットの修理など
、鶏舎と鶏舎の間の木の枝払いもあります。みなさんはまめに管理で
きる自信がありますか?お肉は残さず食べましょう!
25 飼料添加物やワクチンについての説明もあり知識を深めることができ
ました。今まであまり気にしていなかった法律に関することや、用途な
ど知らなかった話が聞くことができました。特にワクチンについては製
造するための手続きや、その管理に関することを知ることができました。
ワクチンの製造工程の話はワクチンがどのように作られているか、また
どのような検査を受けて販売されているのか、その過程がよく分かりま
した。(Mさん)
※飼料添加物やワクチンは法律に則って試験、申請、製造、管理、販
売しなくてはいけません。以前エライザー検査キットの中に使用説明
書が入ってないのものがあるので回収するとの連絡がメーカーからあ
りました。私は入ってないキットがあってもかまいませんよ!なんて答
えたら薬事法で使用説明書のないものは販売できないとのことでビッ
クリしたことがあります。食品工場の検査室には以前検査のための毒
劇物が多数保管されていましたが、法律で管理が厳しくなったことや、
いろんな凶悪犯罪が起こったため今ではほとんど使用していません。
万が一を考えて法律は年々厳しくなっているようです。
26 今回の特別講習会の中で、林先生の「動物用ワクチンの開発と製造」
のお話が特におもしろかったです。ワクチンの話は今まで他の授業で
も出て来ましたが、今回の講演では特に鶏にスポットが当てられてい
たので、特定の動物のワクチンが開発される様子を知ることができ興
味を聞くことができました。(Iさん)
※林先生もお忙しい中、みなさんに分かりやすく説明するにはどうした
ら良いかご苦労なさったみたいです。林先生はIB(鶏伝染性気管支炎)
、IBD(伝染性ファブリキウス嚢病)のワクチンの専門家です。今回は
あえてその話はせず、ワクチンの製造、管理全般の話をして頂きまし
たが、機会があれば林先生をお呼びして専門の話をして頂けるように
したいと思います(本音は私が一番聞きたいのです)。
27 養鶏に携わる獣医師像は正直に言うと大学入学するまで全く頭になか
った。多くの学生と同じように私も獣医イコール小動物臨床(動物のお
医者さん)といった稚拙なイメージしか抱いていなかった。しかし学年が
上がるにつれて、その獣医師像は徐々に変化した。獣医師が如何に
多種多様の分野で活躍しているかということを知った。その一方で、進
路に迷いが生じてきた。今までは小動物臨床一本で来たのが、急に
様々な道を示され、どっちの道に行くのかはっきりしなくなってきた。
(Oさん)
※私は大学を卒業してある養豚場に就職したが、半年ももたなかった。
息子も動物の専門学校を出て、ある養豚場に就職したが一ヶ月ももた
なかった。親子よく似たものです。今私は色んな職業を転々としてこの
日本ホワイトファームで18年も仕事をしています。家の財務大臣が「
あなたみたいな人がよく仕事ができるもんだわ?会社もよく首にしない
もんだわ?」なんて平気で言います。悩む分だけきっと人間として成長
します!そして心の中で「きっとチャンスがくる!そのために毎日こつ
こつ努力しよう!」と言い続けて下さい。どんな人にも他の人にはない
魅力、才能があるのですから...。
28 獣医師の仕事の中でも馴染みの薄いブロイラー獣医の貴重なお話を
聞くことができ、非常に勉強になりました。また、実習等でやっている
ことが現場でやられており、実習の大切さを強く感じることができました。
(Oさん)
※平成16年の1月に国内で高病原性鳥インフルエンザが発生しました。
私は翌日から食品工場の入り口で捕鳥トラックを一台一台止めて消毒
するよう指導しました。寒い毎日でしたが、これをきっかけに養鶏産業
を支える獣医師がクローズアップされると信じていました。地味な仕事
ですが安全で美味しい鶏肉を生産するために獣医師がいることをみな
さんが理解して頂き本当に嬉しいです。また色んな実習は後々きっと
役に立ちますのでしっかり受けて下さい。
29 コーキン化学には友人が勤めており、よく獣医師の視点からと関連企
業からの視点から様々な話をすることがあり仕事内容も一応知ってい
ましたが、水産系が主だった為、鶏(家禽)に関しては疑問にお応え頂
き、かつ飼料添加物の詳細も知ることが出来、有意義な講義となりま
した。(Sさん)
※友人の方には色々お世話になっています。コーキン化学は飼料添
加物の専門メーカーですが、サポートがしっかりしているので斉藤先
生には常日頃からご指導して頂いています。これからの企業は“人”
です。組織を支える“人”がよく教育され、ベクトルを合わせて目的に
向かって協力することが大切です。日本ホワイトファームはみなさんの
ような積極的な人材を求めていますので就職の一つに考えて欲しい
ですね!
30 3人の先生方ともそれぞれちがった側面から獣医師としての仕事を見
せてくださいました。これから自分の進路を考える参考にしていきたい
と思います。最後に司会をして下さった戸高先生本当にありがとうござ
いました。(Sさん)
※自分のことを言うのもなんですが、司会は本当に疲れますね!翌日
は会社になんとか“いた”という感じで仕事をしたという感じではありま
せんでした。司会の練習もしましたが、さっぱりダメでした。末吉先生の
サポートでほんと助かりました。今後ともみなさんの進路の参考になる
ようにこの講演を続けて行きたいと思います。
(最初、初めて宮崎大学に行くと財務大臣に言ったとき「あんたに何か
言うことがあっとね?」とズバッと真実を言われた。しかし今年で4年
目となり宮崎大学に行くと言ったら「あーそうね」と少し評価しているよ
うな返答だった。やはり継続は力なりですね!)
以上、ほんとうにたくさんの感想文ありがとうございました!
みなさんが勉強になった以上に3名の講師の先生方もみなさんから
得るものが多かったと確信しています。みなさんの感想文は3名の先
生にお送りしました。
今後も健康に注意してスポーツ、趣味、アルバイトなど色んなことをや
って学生生活をエンジョイし、大変な勉強も何とか単位を落とさないく
らいは頑張って下さい。あー言い忘れましたがもちろん“友達”も大切
にして下さい!
おまけ
大島さんの感想文の中に“稚拙”という言葉が出てきた。私は“ちくつ”
と思ってパソコンに打ち込むが漢字が出てこない。電子辞書でも出て
こない。うーん困った挙句、部屋の本棚の隅に置きっぱなしの亡き姉
が私にくれたボロボロの国語辞典と漢和辞典で調べたところ、
“ちせつ”と読むことが分かりました!そんなことも知らなかったの?と
部屋の隅の姉が笑っている。私より背も高くなった娘は今日、漢検を
受けに行った。デイサービスに務めている財務大臣は“脳トレをしない
と認知症になるよ!”と相変わらず厳しい。みなさん!他人事だと思
ってはダメですよ。すぐに10年~20年過ぎちゃうんだから日頃から
健康には注意して下さい。
(試しに漢検を受けて帰ってきた娘に“稚拙”をどう読むか聞いてみた
ところ、“分からん。ちせつ?”と答えた。うーん。若者の記憶力はす
ばらしい!)
   日本ホワイトファーム㈱ 飼育動物診療所 戸高和弘
みなさんの質問に丁寧に答えて下さった川越先生、斉藤先生、林先生
本当にありがとうございました。


平成21年度畜種別疾病講習会


場所: 宮崎大学農学部獣医研究棟1階視聴覚教室
対象: 獣医学科学生
司会: 戸高和弘先生(ホワイトファーム株式会社)
演題: 1)IBウイルスとワクチンについて
有吉理佳子先生(財団法人 化学及び血清療法研究所)
2)遺伝子組み換えワクチンについて
種子野 章先生(インターベット株式会社)


3)動物福祉について
大塚幹弘先生(株式会社 ゲン・コーポレーション)

4)鶏をめぐる最近の疾病発生状況について
赤塚裕人先生(宮崎家畜保健衛生所)

総合ディスカッション

(社)中央畜産会支援事業
   共催: 宮崎県養鶏獣医師協議会(会長川越真琴)


質問コーナーでは、たくさんの質問が出ました。
講師の有吉先生、種子野先生、大塚先生、赤塚先生、ご協力いただきました川越会長、司会進行を務めていただいた戸髙先生ありがとうございました。




平成20年度フィールドにおける死亡鶏
の解剖検査講義・実習


日時:平成20年10月23日(木)10時00分~12時00分 講義
                   13時20分~16時20分 実習

場所: 宮崎大学農学部獣医研究棟1階
視聴覚教室・解剖実習室
対象: 獣医学科4年生
講師: 税田緑先生(都城家畜保健衛生所長)
外 宮崎県養鶏獣医師協議会会員19名
講義: 鶏の解剖検査方法について
税田 緑先生(都城家畜保健衛生所)


実習:

学生二人で1羽の死亡鶏を解剖検査し、学生二人に一人の宮崎県養鶏獣医師協議会の先生方が張り付いて指導して頂きました。ありがとうございました。

学生感想文

08.10.23.kaiboukansoubun.pdf へのリンク


戸高先生からのメッセージ

鶏解剖実習の感想文に対するコメント
今年は昨年とは違い、鶏解剖実習だけのために一日を使
わせて頂きました。都城家畜保健衛生所の税田所長は鶏
についても本当に詳しく、解剖の説明ではビデオまで作っ
て下さった(残念ながら私は見れなかった)。心から感謝
致します。私は前日、会社の死鳥18羽と種鶏2羽を午後、
宮崎大学に持ってきたが、まさかこんなに腐敗するとは思
わなかった。腐敗の理由は一つは保冷剤が少なかったた
めであり、二つ目は袋に4羽づつ入れれば良かったのを大
きなプラスチックケースに10羽まとめて入れたため下の鶏
が傷んで腐敗が早かったのだと思います。
みなさんの感想文の中で腐敗して軟化していたという意見
が多かったのでとても反省しています。
お詫びにみなさんの感想文を読んで感じたことをコメントし
ます。私が持っている解剖の写真もみなさんの学習の参考
になると思うので少しですが見て下さい。
1 鶏の解剖はよく知らなかったのですが鶏の臓器の並び方
や神経、そして鶏に特有の器官などの位置を詳しく教えて
頂きました。実物を見ることができ実際どのあたりにあるの
か、どのように実物は見えるのかを確認することができま
した。(Mさん)
※家禽獣医師は解剖が基本なので臓器の大きさ、色、光
沢、出血、炎症、壊死斑、異物(チーズ様物)など観察し、
病名やその程度を判断します。もちろん細菌検査など最低
限の検査もします。
教科書ではなく実際に自分の目で観察し、触れ、鋏を使っ
て知識や技術が身に付いたと感じました。
2 欲を言えば、もう少し腐敗の進行が激しくない固体の解剖
をさせていただけていたら、なおよかったのではないかと
思います。(Mさん)
※全くそのとうりです。私たちも農場で解剖する時は傷ん
だものは解剖しません。しませんというより、してもご指摘
のとおり、充実性の臓器はほとんどとろけてしまい疾病の
原因などとても特定できないからです。
手が腐敗臭を放っていたとのことでしたが、よく我慢して下
さいました。私の家の財務大臣だったら「臭くてやれん!」
と激怒したでしょう。(晩飯はわたらんかも...)
3 自分自身、勉強不足でわからないことがたくさんあり、何
度も質問する私に対し、その都度丁寧に応じていただいた
ことに、うれしく思いました。(Oさん)
※本当にたくさんの先生に来て頂き、丁寧に指導して頂い
たようです。私が学生のとき、豚?の解剖実習で質問した
ら先生から「せからし!(うるさい!)」と怒られました。先生
も必死で解剖していたのを無視して質問したからでしょう。
状況判断も時には必要ですね!
4 気嚢というものがよくわからなかったのでぜひ見てみたい
と思っていたのですが、私の班の個体はそこまではっきり
とは見えず、この膜っぽいのが気嚢かな~という感じでし
た。(Kさん)
※気嚢は内臓に炎症がなければ比較的透明な感じで分
かるのですが、腐敗も進んでいたので見えにくかったので
はと思います。
気嚢はマイコプラズマ症になるとチーズ様物で黄色くなる
ので良く観察するようにして下さい。
下の写真は死後すぐに解剖したもので内臓は比較的新鮮
です。透明なビニール様の膜が気嚢です。
5 肺が肋骨の間に入り込んでいたり、腎臓が前腎・中腎・後
腎の三つに分かれていること、ファブリキウス嚢が排泄腔
付近にあることなど、今まであいまいだった臓器の位置や
忘れていた特徴などが再確認できました。(Iさん)
※この後に「講師の方々にあまりアドバイスしていただけ
ず、残念でした」とありましたが、見ていた先生方も磯見さ
んが上手なので安心して特に指導はされなかったのでは
ないか?と思います。自分では分からないかもしれません
が、私も学生のとき必死で縫合手術をしましたが、後で女
の子が「とても上手だったよ!」と言ってくれました。ウッソ
ーと思いましたが、嘘でも嬉しかったです。
6 胸肉は、立派なもので、でも、もう飛べない鶏がなぜこの
部分に筋肉が付くようになるのか不思議に思いました。
(中略)豚や牛の腸は食用として売られていますが、鶏の
内臓はそれほど見かけないことが不思議でした。先生に
質問してみると、その処理に手間がかかるからだというこ
とでした。(Nさん)
※とてもユニークな質問なので読んでいて思わず笑ってし
まいました。私もこの質問にはしっかり答えられませんが、
鶏は体重が3Kgを超えると栄養分が脂肪分となって内臓
に付着してきます。結果的に飼料要求率(FC)が悪くなり
ます。餌が筋肉になるのも無制限ではなく限界があるとい
うことです。また、鶏の腸が食用として売られていないのは
やはりり“調理してもあまり旨くない”からでは?と思います。
話は変わりますが、フィートは中国などに輸出しています
が、私はこんなもの絶対食わん!と思っていました。しかし
塩味で煮込んだフィートは豚足より“信じられなーい”と思
うほど旨かったです。ビールのつまみにはもってこいです。
7 今回の実習で特に難しく感じたのは、背側からの肩甲骨
へのアプローチや胸骨を外す部分など、鶏の骨格に関す
る場面だった。(Sさん)
※鶏の骨格は牛、豚、犬などと違って胸骨が発達し、そこ
には翼を動かすために胸筋が厚く発達しています。
肩甲骨、鎖骨、烏口骨はくっ付いていますので、胸骨を胸
骨稜に沿ってV字に鋏を入れた後、肩甲骨を剥がして引っ
張れば肩関節を切らなくても簡単に胸骨が外せます。
下の写真は左右の肩甲骨を外し、両翼といっしょに剥離し
たものです。私はこの方法でやっています。
8 胸骨をはずし開腹してすぐに巨大な肝臓があり、その上部
の中心に心臓があったのも印象的でした。肝臓は哺乳類
と似た色調と形状をもっており、心臓も哺乳類のものと形
状は類似していたが心筋が柔らかく、隔壁が太いと感じま
した。(Mさん)
※感想文を読んで、良く観察していると感心しました。
実習では“柔らかい”などの実感が得られるので教科書で
は分からない知識が得られたのではないでしょうか?
下の写真は精巣と腎臓を撮っていますが、健康な鶏は光
沢のある柔らかい実質臓器をもっています。
9 いつもの実習と違い、検体が二人に一羽で、実際に自分
で最初から最後まで手を出すことができたのでとてもいい
経験になりました。ただ、急いでいて見逃したり時間がな
かったりで、甲状腺、上皮小体、気嚢、副腎、坐骨神経、
脊椎腰膨大部、大腿骨骨髄など、見ることができなかった
ところがたくさんあったのでそれがとても残念です。(Iさん)
※下の鶏の解剖図で胸腺の下にあるのが、甲状腺でその
下に小さく見えるのが上皮小体です(現場では小さくて気
付くかないことが多いです)。
また、みなさんが満足のいく実習にするように時間や指導
について改善するようにします。貴重な意見ありがとうござ
いました。
エイザイ:ニワトリの解剖図より
10 本来精巣のことを「副腎」などといってしまい恥ずかしく思い
ましたが、精巣があんなに上腹部にあったことは盲点だっ
ので勉強になりました。(Wさん)
※精巣も種鶏の雄になると男性並みに大きいのでビックリ
します。ブロイラーの副腎や卵巣は小さいのでよく観察しな
いと分からないことがあります。
私も知らないことがたくさんありますが、恥ずかしいよりも
エーウッソー!?とビックリ、感激することが多いのでこの
仕事していて良かったなーと思います。今後も恥ずかしが
らず、失敗を気にせず積極的に頑張って下さい。
11 私が解剖した鶏は貴重な種鶏で、腹部の皮膚が暗緑色
になっていました。実際に解剖して腹部を開けてみると腸
管や腹膜に黄色い固形物がたくさん付着しており、先生に
よると卵ついではないかとのことでした。(Tさん)
※種鶏の雌は約30週齢ごろから卵を産み始めますが、約
65週齢までに200個くらい産卵し、その内約160個が雛
に孵ります。種鶏の死亡で一番多いのが卵墜症ではない
と思います。細菌検査で大腸菌が採れたりしますが、飼育
環境、産卵のストレスなど重なって抵抗力が落ちたりして
感染、死亡するのではないかと思います。だから種鶏場に
よって死亡羽数が違います。
12 また今回、先生に鶏のとても小さい喉頭部の気管入り口を
見せていただき、鳥インフルエンザの検査では粘膜面採取
にはここに綿棒を入れて採取するんだよと言われ、こんな
小さな穴に、しかも食道に入らないようにして採取するのは
大変だなと感じました。(Nさん)
※私も一度、家畜保健衛生所の先生がAI簡易キットでサ
ンプリングする時に教えて頂きました。現場では死亡した
鶏の気管を開けて粘膜面をスワブして検査しますが、正式
には生きた鶏の嘴を開けて気管入り口から綿棒を入れて
スワブします。でももしかして鳥インフルエンザ?なんて事
になったら現場に行くまでが大変ですよ!心臓ドッキン、
ドッキン、顔面蒼白ですから...
13 午後に、午前中の講義を踏まえた上で、実際に鶏の病理
解剖を二人一組となって行いました。(中略)また、午前中
の講義では聞くことができなかった、現場の先生ならでは
のことも聞くことができました。例えばマレック病を診断す
る際、通常坐骨神経の腫脹をもって判断しますが、時に
より腫脹の分かりやすい腕神経叢の付け根を診て判断す
るそうです。(Sさん)
※マレック病はワクチンの普及でめったに見ることはなく
なりましたが、皮膚型と内臓型があります。国家試験には
でるかもしれませんので、ヘルペスウイルス、悪性リンパ
腫などキーワードはしっかり覚えて下さい。
14 胸腺や甲状腺、精巣などの位置、観察ポイントなどが事前
に分かっていたので理解しやすく、午前中のスライドを使っ
た説明があってよかったと思います。(中略)解剖を担当し
て下さった先生は上腕静脈からの採血方法、ファブリキウ
ス嚢の日齢による大きさの違い、脊椎腰膨大部摘出時の
ポイントなどいろいろ詳しく教えてくれたのでとても勉強に
なりました。(Yさん)
※都城家畜保健衛生所の税田所長が事前に大変ご苦労
されてビデオやスライドを準備して下さいました。
ファブリキウス嚢は健康な鶏では写真のように大きくて光
沢があり、カットしても出血などなくきれいです。
それと、班によって遅くなる場合もありますので、ゆっくり
質問や観察ができるように注意します。
15 指導教官の方にはマニュアル通りの的確な指摘だけでな
く、病理解剖の際の裏ワザ(マレック病の際の坐骨神経以
外での診断・ガンボロ病の疑いが強い場合のファブリキウ
ス嚢のみの簡易的な取り出し方等々...)など様々な為
になることを教えていただき、とても勉強になり、感謝して
います。(Sさん)
※指導の先生方にはお忙しい中、みなさんの勉強のため
来ていただきましたが、きっと喜んでいると思います。
私は来ていただいた先生もそうですが、末吉先生が生徒
さんに一生懸命細かく指導されていた姿が印象に残りまし
た。
16 今回普段とは異なり、しっかりと理解できたのは、様々な
分野のエキスパートの方々が貴重なお時間を割いてサポ
ートをしてくださったおかげに違いありません。(実際、僕の
持っている脆弱な知識なんか屁の役にも立ちませんでし
た。)(Oさん)
※感想文を読ませて頂いて感じたのは自分自身に対する
自己嫌悪?まではいかないまでも、私が学生時代に感じ
ていたことに似ている感じがしました。でも非常に謙虚な
文章で好感が持てました。
人は早くからその才能が出てくるタイプとそうではなく年月
がかかるタイプがいます。どちらがどうとは言えませんが、
いつか積み重ねた知識や技術が役にたったり、評価され
るときが来ます。私はあなたがきっとすばらしい獣医師に
なると感じました。
17 まず、改めて牛や他の哺乳類との違いに驚いた。一番驚
いたのは脾臓と精巣で、脾臓は色・形など全く異なり、初
め見つけたときはそれが脾臓だとわからなかった。精巣も
生体内での位置が思っていたよりも頭側だったので見つ
けるのが難しかった。他にも肺が肋骨と結合していて取り
出しにくかったり、盲腸の大きさに驚いたり、とても面白か
った。(Oさん)
※驚いて目を丸くしたり、“ウッソー!なんでここにあるのー”
と言っている姿が目に浮かびます。私も解剖してビックリし
たりすることがありますが、いつまでもみなさんのように学
習する心を失わないようにしたいと思います。現場で仕事
していると分からないことばかりです。もちろん教科書や
文献を読んだりしますが、あまり役に立ちません。自分の
手でサンプリングしたり、検査したりして少しづつ自分なり
の判断ができるようになる気がします。
18 自分の担当した鶏では特に病変はありませんでしたが、
肺や腎臓の傷つきやすさ、?嚢の位置、筋胃や腺胃の粘
膜の特徴を、身をもって知ることができました。(Kさん)
※腺胃や腸管の粘膜面の出血はニューカッスル病など法
定伝染病で見られますので注意が必要です。
また、筋胃は普通の健康な鶏では柔らかくて簡単に粘膜
が剥けますが、写真のように潰瘍になると硬くなり剥くこと
ができません。筋胃潰瘍の原因ははっきりはわかっていま
せんが、ウイルスや飼育ストレスなど関係しているのでは
ないかと思います。
19 鶏の解剖は1年の解剖実習の時に1度だけやったきりだっ
たので、どうやっていいものか不安でしたが、指導担当の
先生に丁寧に教えて頂けたので理解を深めながら解剖す
ることが出来ました。ファブリキウス嚢の簡単な取り出し方
など、普段鶏の御仕事にたずさわってらっしゃる先生なら
ではの裏ワザ的なものも教えて頂き、たいへん勉強にな
りました。(Sさん)
※裏ワザというか“コツ”が分かれば鶏の解剖も早く的確
にできるようになります。社会に出たら先輩などの技術を
盗むくらいの貪欲さも必要ですね。
採血の方法も鶏の持ち方(保定)でやり方が違います。こ
れはその人のやり易い方法ですれば良いでしょう。
20 これから寒くなってウイルスが蔓延するシーズンに入る前
にと昨年より時期を早めて行ったと聞きましたが、先生方
の上から下までの防備には驚きました。そのことについて
訪ねると「実習用に持ってきたサンプルとはいえ、リスクが
ゼロってことはないよね?気の緩みで何か大変なものを
持って帰ったら、それこそ大変でしょ。実習とは言え、私た
ちも恐いんだよ」とある先生が言っておられました。(Mさん)
※確かにその通りです。鳥インフルエンザウイルスは消毒
で容易に死滅しますが、“気の緩み”で消毒しなかったり、
消毒が不十分だと生き残っていて、何かの偶然で鳥に感
染するかもしれません。一羽でも二羽でも鳥インフルエンザ
で死亡したと分かればその影響は大きいですから、我々
獣医師は常に衛生面に気を付けなければいけないと改め
て反省しました。
21 二人で一羽というたくさんの鶏を用意して頂いたおかげで、
他の人に遠慮することなく、思う存分、触って、見て、自分
の手を動かして、観察、病理解剖をすることができました。
また、病理解剖の方法についても事前に丁寧に教えてい
ただき、実際に解剖しているときにも、たくさんの先生方が
ついて、分からないことを質問すると、嫌な顔一つせず、優
しく教えていただきました。(Sさん)
※獣医師は動物が大好きな人ですから、勿論みなさんに
も優しいのです。私は部屋でハムスターとモルモットと三人?
生活しています。財務大臣は「何?この変な臭いは?」と
人間の住むところではないかのように言いますが、ムジー
(頬ずりしたくなるくらい可愛い!)のでどこにもやれません。
22 それぞれの臓器で哺乳類との大きな違いを見ることが出
来ました。自分が解剖したのは種鶏だったのですが、種鶏
を解剖できるのは貴重な経験だと聞いたのでとても感謝
しています。(Oさん)
※種鶏の解剖は私達獣医師でもあまり解剖することはあ
りません。特別な理由があって、種鶏場に行った時か、種
鶏の斃死が少し多くてサンプルが持ち込まれた時くらいで
す。来年も種鶏の解剖ができるようにしたいと思います。
23 肋骨に食い込んだ肺、横隔膜は見当たらない、膨らんだ
気嚢、二つの胃、丸みのある三角形のような脾臓、二つ
ある盲腸、大きな腎臓...と牛との違いに感心するばかり
でした。(Sさん)
※ハサミを入れながら本当に牛との違いに感心、ビックリ
している様子が良く分かります。また、文章全体からとても
興味を持って細かく観察していることが分かります。記憶
力もバツグンですね。解剖学的に病変が見られれば疾病
に罹患した可能性があるわけですが、脊椎腰膨大部や中
脳の病変から“鶏脳脊髄炎”が疑われることも大切ですね。
24 説明のスライドではよく分からなかったのですが、実際の
鶏で見ると鶏の採血で注射針を血管に入れるのは難しそ
うでした。機会があればやってみたかったです。また、筋
胃の皮が簡単に剥がれ、見覚えのある砂肝が現れたのに
は感動しました。それと最後に毛利先生に脳の取り出し方
を教わることができたのも印象的でした。(Iさん)
※あなたが解剖している姿とそれを優しく指導される毛利
先生の姿が目に浮かびます。兎と亀の話ではありません
が、これからも決して慌てずに頑張ってください。私は2浪
しましたが、他の人が高校で3年しか勉強できなかったの
に、自分は5年も繰り返し勉強できた。幸せだと思ってい
ます。何事も考え方次第で気持ちが明るく前向きになりま
すよね!これって社会に出てからも本当に大切なことです。
みなさんの感想文を読ませて頂いて本当に勉強になりま
した。来年の鶏解剖実習ではみなさんの意見を十分に取
り入れて更に満足の行く実習にしたいと思います。
ご多忙な中、本当にご指導下さった税田所長はじめ県の
先生方、民間の家禽獣医師の先生方及び宮崎県養鶏獣
医師協議会の会員のみなさんに厚くお礼申し上げます。
来年もよろしくお願い致します。
日本ホワイトファーム㈱ 飼育動物診療所 戸高和弘

平成21年度フィールドにおける鶏の採血と解剖検査講義・実習


日時:平成21年10月1日(木)10時00分~12時00分 講義
                   13時20分~16時20分 実習

場所: 宮崎大学農学部獣医研究棟1階
視聴覚教室・解剖実習室
対象: 獣医学科4年生
講師: 税田緑先生(都城家畜保健衛生所長)
外 宮崎県養鶏獣医師協議会会員19名
講義: 鶏の採血方法と解剖検査方法について
税田 緑先生(都城家畜保健衛生所)



実習:


学生二人で1羽の鶏を使用して採血と解剖検査し、学生二人に一人の宮崎県養鶏獣医師協議会の先生方が張り付いて指導して頂きました。ありがとうございました。(なお、本実習は当学実験動物委員会の承認を得て、実施しました。)

学生感想文

091001necropsy.pdf へのリンク


























宮崎大学獣医学科5年生による海外悪性家畜伝染病の机上防疫演習
(高病原性鳥インフルエンザ編)

宮崎県家畜保健衛生所のご協力をいただき、机上演習を実施しました。

1.日 時:2008年1月16日(水) 

2.    場 所:宮崎大学農学部獣医学科

講師: 清武 真(宮崎家畜保健衛生所)


学生の全員参加型で、みんなにも事前に調査して発表してもらいました。


みんなの演習感想文に対して清武先生からコメントが返ってきました。
KIYOTAKE-kanso.pdf へのリンク

全体説明



2009.2.14./2.20./2.21.
宮崎県養豚生産者協議会(MPC)向け養豚初任者研修


第一日目 (214日)

9:00  ~ 10:00  開校式、オリエンテーリング、自己紹介【MPC 山道義孝会長 他】

10:15 ~ 12:00  養豚の基礎と現状、展望 【養豚協会 高橋吉男】

12:00~12:40   昼食

12:45 ~ 14:15  繁殖豚の飼養管理の基礎 【ノーサイ宮崎連合 辻 厚史】

14:30 ~ 16:00  肥育豚の飼養管理の基礎 【JASV 伊藤 貢氏】

16:15 ~ 17:15   地域および農場バイオセキュリティの基礎 【JASV 藤原 孝彦】

   第二日目(220日)

9:00  ~ 10:30 【JASV 大井 宗孝】  豚の栄養と飼料

10:45 ~ 12:15  繁殖豚の主な病気とその対策 【JASV 志賀 明】

12:15~13:10   昼食

13:15 ~ 14:15  養豚現場での心構え 【MPC 日高 良一】

14:30 ~ 15:30  養豚の体験談:先輩からの提言 【MPC青年部長 石坂 伸康】

15:45 ~ 16:45  養豚場の環境対策の基礎 【宮崎県畜産試験場 松葉 賢次】

    第三日目(221日)

9:00  ~ 10:30  肥育豚の主な病気とその対策 【JASV 石川 弘道】

10:45 ~ 12:30  繁殖生理の基礎と妊娠鑑定等の実践 【宮崎大学 上村 俊一】

12:30~13:10   昼食

13:15 ~ 15:15  豚の生理と解剖実習 【宮崎大学 末吉 益雄】


豚を解剖実習の際には防護服着用で実施しました。


15:40 ~ 16:40  総合討論

16:45 ~ 17:00  閉校式 【JASV石川弘道代表 MPC山道義孝会長 他】





参加者、講師、事務局の皆さんで記念撮影


2010.2.12/13/14
 宮崎県養豚生産者協議会(MPC
第2回 養豚初任者研修会 


第一日目 (212日)【金】

9:00  ~ 10:00
  開校式、オリエンテーション、自己紹介

MPC 日高省三会長 他】10:15 ~ 12:00
  養豚の基礎と現状、展望 
JASV 末岡 弘行氏】

12:45 ~ 14:15
  繁殖豚の飼養管理の基礎 
JASV 武田 浩輝氏】

14:30 ~ 16:00
  肥育豚の飼養管理の基礎 
JASV 伊藤 貢氏】

16:15 ~ 17:00 
地域および農場バイオセキュリティの基礎
 
JASV 藤原 孝彦氏】

  第二日目(213日)【土】

9:00  ~ 10:30 
豚の栄養と飼料
JASV 大井 宗孝氏】

10:45 ~ 12:15
繁殖豚の主な病気とその対策 
JASV 志賀 明氏】

13:15 ~ 15:30
養豚の体験談:先輩からの提言
 

15:45 ~ 16:45
養豚場の環境対策の基礎
【宮崎県畜産試験場 松葉 賢次氏】

 

  第三日目(214日)【日】

9:00  ~ 10:30
肥育豚の主な病気とその対策 
JASV 石川 弘道氏】

10:45 ~ 12:30
繁殖生理の基礎と妊娠鑑定等の実践 
【宮崎大学 上村 俊一教授】

  

13:15 ~ 15:15
豚の生理と解剖実習 
・・・解剖実習の説明に携わり、写真記録がありません。・・・
【宮崎大学 末吉 益雄准教授】

15:40 ~ 16:40
総合討論

16:45 ~ 17:00
閉校式 
JASV石川弘道代表 MPC 日高省三会長 他】












2010年2月19日

砂川先生の講習会

2010.2.19.sunsgawa.pdf へのリンク





平成22年度『獣医衛生学研究室』仮入室(V4生)用シラバス

当研究室では、動物の健康を守る獣医師、獣医学博士を養成します。臨床現場からの疾病の病性鑑定を日常業務とし、必要があれば農場にも行きます。動物を愛し、チームワークを大事にし、病理学と微生物学を基礎にした畜産領域の動物生産獣医療に関心を持っている学生を歓迎します。風紀を乱す学生には、退室勧告をしています。

◆受入人数 3

受け入れ前に面談をし、各自の思い、目的を確認します。受け入れには、獣医衛生学講義の受講態度も参考にします。

◆欧文獣医学演習Ⅰ(前期)・Ⅱ(後期) (必修:1単位) (評価基準 : 英語読解能力、プレゼン、ディスカス状況)

英語文献(動物の疾病制御関連)の読解力を養成します。週1回開催(通常火曜日18:0019:30)。順番制。発表予定者は、資料を発表予定1週間前に室員に配布する。室員は1週間その資料を熟読し、当日は全室員が一つ以上の質問をします。発表者は、それらの質問に対して、要領良く、適切に応答する訓練をします。

◆獣医衛生学専修実験Ⅰ(前期)・Ⅱ(後期) (必修:1単位) (評価基準 : 研究態度、調査能力など)

まず、上級生の研究を補助し、その技術の習得に努めて下さい。次に、短期的研究・調査課題に取り組んでもらいます。その成果は3月の集談会で発表することとなります。

 現行のテーマ

          豚増殖性腸炎の疫学的調査(2010.3.発表予定)
          大型牛牧場における新生子牛の多発下痢症の原因究明(2010.3.発表予定)
          ブロイラー養鶏場の環境衛生調査(2010.3.発表予定)

◆ルーチンワーク(病性鑑定)

産業動物臨床獣医師(NOSAI、企業、開業)から依頼された病理学的および病原学的検査等を実施しています。担当は当番制(4-5年生)とし、担当者は教員の指導の元、迅速に検査成績をまとめて押印した報告書を作成し、病鑑依頼者に回答します。年に一度、病性鑑定依頼者とのmeetingを兼ねた懇親会(例年-12)を行っています。

◆現在の卒業論文研究・調査テーマ(評価基準: : 研究態勢、問題解決力、課題探求力、学会発表、学術雑誌発表)

          病原大腸菌の培養細胞への付着・侵入像の継時的観察
          養豚場のサルモネラ清浄化に向けた現場に適切な水洗、洗浄、消毒法の検討
         豚赤痢の疫学的調査
          養豚場の衛生害獣、害虫は病原菌をどの程度保有しているのか?(2009.12.8.発表)
          豚サーコウイルス2ワクチンの豚成長への影響に関する研究(2009.12.8.発表)
          腸管毒血症性大腸菌の幼雛感染モデルの作出(2009.12.8.発表)
          下痢発症カニクイザルの消化管の病原・病理学的研究(2009.12.8.発表)

◆室員の心得

○挨拶(: おはようございます。帰宅時 : お先に失礼します。)の習慣。
○朝の登校、講義・実習・研究室専修実験に支障のある深夜のバイトは特別な理由がない限り認めません。事前要相談。
○研究室に来られない場合(体調不良等)は、教員に随時連絡すること。無断不登校厳禁(退室勧告)。
○研究室の休み: 土日、祝祭日。春季(1週間)、夏季(2週間)、冬季(12/281/3
○実験進捗状況・実験計画のmeetingを週1回開催。

獣医棟3F感染症ユニット利用案内http://www.agr.miyazaki-u.ac.jp/~vet/jinjyu/kare-sinsei/use-floor.htmを熟読・厳守。

○その他、当研究室のHP http://www.agr.miyazaki-u.ac.jp/~vet/hygine/HP/index.htm参考。

◆研究室行事(学生自主計画)

○花見、ボーリング大会、キャンプ、集談会打上げ、歓送迎会、忘年会、学外獣医師との懇談会、テニス(毎週)

平成22年度『獣医衛生学研究室』本入室(V5生)用シラバス
5年生(3)本入室時には、当研究室教員担当の講義の成績、実習での態度ならびに卒業論文研究(8単位)に対する積極性および熱意等を面談した上で選考・受け入れます。研究室業務内容は前述を参考にしてください。なお、4年次の仮入室が当研究室以外であった場合、病性鑑定ルーチン業務は5-6年生で実施することで基本的技術を修得できます。


ウザイでしょうが、敢えて記しておきます。

当講座の基本。
【 あいさつ 】

1.朝のあいさつ

 朝のあいさつは1日の始まりでとても大切です。

 「おはよう」、「おはようございます」と元気よく挨拶しましょう。小学生に言うようなこと、今更、言わないでほしい。と言われますが、このことは、社会に出て、益々、身に沁みて大事であることが判るようになります。今からでも遅くありません。訓練しましょう。自分のためです。そのことで、気分が爽快になります。1日のスタートです。

 何かの都合で遅く出てきた場合でも、「すみません。遅くなりました。おはようございます」とあいさつしましょう。

 2.席を外す場合

 すぐ戻る場合でも、できるだけ周りの人に「○○へ行って来ます」と行き先を伝えて、行き先表に表示しましょう。

 3.外出する人や戻った人に

 外出する人には「いってらっしゃい」、戻ってきた人には「お帰り」とあいさつをしましょう。

 4.帰宅時

 自分のやることが終わったら「お先に失礼します」と言って帰ります。


花見
2010.4.3.



準備中

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キャンプ




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ボーリング














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ビアガーデン







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平成21年度
卒業論文研究発表会・審査会

2009.12.8.

6年生、お疲れ様。









平成21年度獣医衛生学講座専修実験発表会
2010.3.19.


ブロイラー養鶏場における病性鑑定と空気衛生調査 西川史人


 豚増殖性腸炎の疫学的調査  平田あゆみ



大型牧場の子牛下痢症の病原学的疫学調査 藤井晃太郎




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卒業おめでとう!!
2010.3.24.







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2010.3.6研究室歓送迎会

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毎週木曜、ナイターテニス



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以下、想ひ出(氏名なしです。写っていないヒト、変に写っているヒト、ごめんなさい。)







宮崎県は黒毛和牛、豚、ブロイラーの生産基地です。
しかしながら、その貴重な子牛、子豚、雛が死亡したり、発育不良になったり、その被害は大きいままです。
産めよ、増やせよの増頭計画の前に増収入計画を立て、
次の若者がやりがいのある儲かる畜産を今年度も目指していきたいと思います。

 宮崎県を基地に南九州、九州地区、西日本そして日本の畜産を元気にすることを目標に務めます。




目指せ、元気な畜産!!!!!
直線上に配置