ここから本文エリア 憲法記念日、各地で関連行事2010年05月04日 憲法記念日の3日、県内では憲法に関するさまざまな講演やイベントが開かれた。 ノーベル物理学賞を受賞した京都産業大教授の益川敏英さんも、松戸市民会館で開かれた松戸憲法記念日の集いで講演し、「憲法9条をじゃまにする改憲論者は、交戦権を手に入れたいからだ」と語り、「改正を提起できないような雰囲気をつくろう」と呼びかけた。 「松戸市に夜間中学校をつくる市民の会」などがつくる実行委員会が主催し、今年で8回目。 「九条科学者の会」の呼びかけ人でもある益川さんは、第2次大戦の名古屋大空襲で、自宅に焼夷(しょう・い)弾が落ちたが、不発だった体験を披露。「戦争をしてまで守らなくてはならない利益があるとは思わない」と戦争反対の立場を強調した。 そのうえで、「市民はいま9条が危ないと直感している。自衛隊をソマリア沖まで派遣しているのに、改憲論者はなぜ9条を問題にするのか。先に鉄砲を撃つ権利を手に入れたいからだ」と、改憲阻止を訴えた。 益川さんは2日夜には、市勤労会館での松戸自主夜間中の開講2300回記念公開授業の講師も務めた。 講演の中で、益川さんは、「夜間中の生徒のおばあちゃんが『字が書けないまま死にたくない』と言ったのはすごい。向こう側にすてきなことがあればのぞいて見たいというのが、人の本来の姿」「科学も自然にある謎を発見して、確固たる答えを探していく」「友達同士で議論することも重要」などと学問の意味についても語った。 我孫子市本町3丁目のけやきプラザで、「全国一斉憲法タウンミーティング 世界一受けたい憲法アカデミー」が開かれた。 社団法人「日本青年会議所」千葉ブロック協議会の主催で、今年で3回目。同会千葉ブロック協議会の浦田一哉さん(37)は、「変えるにしても守るにしても、憲法を身近に感じてもらいたい」と語った。 会は2部構成。前半は、東京学館浦安高の演劇部が「七人の部長」と題した演劇を上演した。 部活動の「予算会議」に集まった部長7人が学校側が決めた予算に対し、認めるのか、拒否権を発動して予算を作り直してもらうのか、互いに意見を出し合うという内容。同高3年で演劇部副部長の大場玲奈さん(17)は「学校でも規則を守って生活しなければならない一方で、規則に対する意見を求められることもある。一人ひとりが考え、意見を伝えないと何も変わらないということを身近に感じて欲しかった」。 後半は、高崎経済大学の八木秀次教授(憲法学)の基調講演があった。八木教授は、夫婦別姓に関し「別姓の使用を認めれば、氏や姓の根本を変えることになる」と否定的な立場から語った。さらに「(憲法を)そっくり変えろとは言わないが、放っておいてよろしいのか」と改憲すべきだと主張した。 市川市では、評論家の佐高信さん(65)が「韓国併合 大逆事件100年を迎えて いま、日本を読む」と題して講演し、100人ほどが耳を傾けた。 大逆事件は、1910〜11年、天皇暗殺計画を理由に社会主義者らが逮捕され、幸徳秋水ら12人が処刑された弾圧事件。佐高さんは、事件が検察によるでっち上げとされる点を指摘。政党政治をゆがめるものとして、「軍部と検察」をあげた。 さらに佐高さんは、改憲に関する政治家たちのスタンスと現在の政局を重ね、「現実には(金に)クリーンなタカ派(自民党・小泉元首相ら)かダーティーなハト派(民主党・小沢幹事長ら)の選択。よりましな方を選ぶしかない」と問題提起した。平和や人権問題に関心がある市民有志の主催。佐高さんは、会場に足を運ばないような異なる考えの人たちを共鳴させる呼びかけの大切さを説いた。 自衛隊についても「『国を守る』という言葉について(自衛隊側は)、『独立と平和を守る』と考え、『国民の生命や財産を守る』とは考えていない」と述べた。
マイタウン千葉
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