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涼宮ハルヒ“聖地”高校の憂鬱 無断撮影や巨大落書き
若者に人気のSF系学園小説「涼宮ハルヒの憂鬱(ゆううつ)」の舞台モデルとなった兵庫県西宮市の県立西宮北高校が、一部のファンのマナー違反にさらされている。「聖地巡礼」として訪れたファンが無断で敷地内に侵入し、グラウンドに白線で巨大文字を落書きしたり、校舎内に入ろうとしたりして警察が出動する騒動にも発展。同校もホームページに警告文を掲載。「生徒に直接被害が出ないか心配」としている。
“禁則事項”相次ぎ警察出動
平成18年4月にテレビ放映が始まって以降、ファンの聖地巡礼が加速。実在の建物や風景がアニメ中に登場するため、インターネット上で話題になり、ゆかりの場所を巡るファンが急増している。
特に原作者の谷川流(ながる)さんの出身校で、作品中で「北高」として登場する西宮北高校は、週末になると大勢のファンが集まり、通用門の前でポーズを取り、写真を撮る姿が目立つようになった。その一方でエスカレートするファンもいる。勝手に敷地内に入り校舎に侵入しようとしたり、校内の写真を無断で撮ったりするケースもあり、見つけた教諭が注意することも度々という。
昨年春と秋にはグラウンド中央に白のラインマーカーで大きく「SOS」「ハルヒ命」と落書きされ、警察が駆けつける騒ぎになった。また4月にも2回、アジア系の若い男数人が勝手に校内に入り込んでいたこともあった。
事態を重く見た高校側はホームページに「敷地外から写真を撮られたりするのはいっこうにかまいませんが、無断で敷地内に入ることは、犯罪になります。今後このようなことがあれば、警察への通報等、厳しい対応を考えています」との警告文を掲載した。
田口文夫教頭(58)は「学校に関心も持ってもらうのは喜ばしいが、それもルールがあってこそ。ファンなら協力してほしい」と話している。
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【用語解説】涼宮ハルヒの憂鬱
西宮市出身の男性作家、谷川流(ながる)さん(39)の作品。女子高校生の涼宮ハルヒが宇宙人や未来人らを探し出して一緒に遊ぶことを目的としたグループを結成し、大騒ぎを引き起こすストーリー。シリーズ9作で約600万部を売り上げる大ヒットとなり、アニメ化されテレビでも放送された。作品中には西宮北高校だけでなく西宮市内外の駅や商店街、住宅街なども舞台として登場する。