2回、マートン(手前)に2ランを浴びたチェン
「中日1‐9阪神」(5日、ナゴド)
底なし沼から抜け出せない。どこまで苦しみは続くのか。闇の中にあっては答えが見えない。中日・チェンが今季最短となる4回6失点KOで4敗目。6試合連続で勝ち星を“放棄”した昨年の最優秀防御率左腕が、真弓阪神にナゴヤ初星を献上だ。
腕を振れ。向かって来い。真っ向勝負を挑まず、手探りでボールを離す姿に谷繁が大きなアクションを繰り返した。攻めの姿勢を失った直球に威力はない。目先をかわしに掛かったスライダーが2被弾。「申し訳ないです」。チェンはスランプの原因を探せずにいた。
目を覆いたくなる背信ピッチの連続。落合監督はチェンを突き放した。「4連敗も5連敗もするピッチャーの投げ方。本人がどういうピッチャーか分かってない。いいんじゃないボロボロになれば。自分ではい上がってこなけりゃ、やられる世界よ」。負け犬のまま終わるな。落合流のゲキで奮起を促した。
(2010年5月5日)