17歳で無戸籍 対応策なし
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17歳で無戸籍 対応策なし

5月6日 6時15分

夫と別居していても離婚が成立していなければ生まれた子どもは夫の子と見なされる法律の規定があるために母親が出生届を出さず戸籍のない子どもが多数存在している問題で、国の対応策では解決できず、17歳になった今も戸籍も住民票もない少年がいることがわかりました。

兵庫県に住む50歳の女性は、33歳のとき、男の子を出産しました。夫とは暴力が原因で5年前から別居していて、父親は別の男性でした。男性とはその後、結婚しましたが、離婚が成立する前に出産した子どもは、戸籍上は前の夫の子になると役所の窓口で言われ、女性は出生届を出しませんでした。こうしたケースに加えて、離婚から300日以内に生まれた子どもは前の夫の子と見なされる民法の規定によって、戸籍のない子どもは年間3000人に上ると推定され、国は、前の夫か子どもの実の父親に親子関係を確定させるための調停を申し立てるという対応策を示しています。しかし、この女性の場合、前の夫の行方はわからず、実の父親の男性も12年前に失そうしてしまったため、調停で解決することができず、子どもは17歳になった今も戸籍も住民票もありません。女性は7日に千葉法務大臣と面会して、法律の見直しを訴えることにしています。女性は「反省したところで取り返しはつきませんが、自分が実際に子どもを産んだのに、男の人を基準にしてなぜ形式ばかり重視するのか疑問です。子どもを基準に考える制度を一日も早く作ってほしい」と話しています。