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【福井】

県境越え観光振興 県、歴史遺産活用図る

2010年4月21日

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 県が地域の観光活性化のため、歴史遺産を生かす方針を徹底させている。来年のNHK大河ドラマ「江(ごう)〜姫たちの戦国」の舞台となるなど、「客を呼べる機会」を逃さないように知恵を巡らし、県境を越えた連携も動き始めている。

 「滋賀県との(JRの)周遊きっぷをつくれないだろうか」。西川一誠知事は3月、滋賀県の嘉田由紀子知事との懇談で提案した。大河ドラマ「江」は両県が主要な舞台になるからだ。

 両県に岐阜、三重県を加えた4県は「江」を生かした観光振興で連携する方針を決めた。関係する史跡を選んで観光ルートを設定するなど、大型連休前後にも具体的な話し合いを始める。

 今年の大河ドラマ「龍馬伝」の関連では、県観光連盟が2月、龍馬と福井とのつながりを紹介するパンフレット「熱き幕末の福井へ」を1万部発行。連盟ホームページにも同じ内容を掲載した。

 直接福井と関係する史跡は、龍馬と由利公正が語り合ったとされる莨(たばこ)屋旅館跡ぐらい。そのほかは主に、龍馬が京都から福井へ向かう街道沿いの観光スポット、グルメ情報で、限られた“資源”の効果を広げたい狙いがある。

 研究者の間では「一級」とされてきた一乗谷朝倉氏遺跡も、一般的な知名度は高くはないが、著名なCMディレクターの目に留まった。福井市が撮影に全面協力し、“お父さん”役の白い犬が登場する携帯電話の人気CMの舞台として、2月からの放映ではたびたび遺跡が登場した。

 県観光振興課は「福井に来ていただくきっかけを何としてもつくりたい」と強調。一方で、福井市の歴史研究者は「客を呼びたいと思うあまり、史実を軽視して『いいかげんな伝承でも何でもOK』とならないかが、少し心配」と指摘している。

 (渥美龍太)

◆大河ドラマ「江」PRの協議会設立

三姉妹にちなんだ地域おこしの取り組みなどを話し合う出席者=県庁で

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 県や関係市町、商工会議所など18団体は20日、来年のNHK大河ドラマ「江〜姫たちの戦国」に合わせ、福井の歴史や文化を広く発信しようと、推進協議会を設立した。ポスターやのぼり旗などを作り、連携してPR活動を展開する。

 「江」は、近江(滋賀県)の戦国大名・浅井長政と、織田信長の妹・お市の間に生まれた3姉妹の物語。三女のお江は母とともに福井市の北庄城に滞在したことがあり、次女のお初は当時の小浜藩主・京極高次に嫁いだ。

 県庁での設立総会で、会長に選ばれた五十嵐嘉也・県観光営業部長は「放映を機に福井を全国に発信し、地域の活性化、誘客につなげたい」とあいさつ。滋賀県と連携してインターネットなどで三姉妹ゆかりの地や逸話を発信し、土産物の開発や広報イベントも進めることを決めた。

 県は滋賀県と共同で、ドラマにちなんだキャッチフレーズの文字デザインと、三姉妹をモチーフにしたキャラクターのデザイン、名前を募集している。応募は5月14日まで。問い合わせは、県ブランド営業課=電0776(20)0227=へ。

 (平井一敏)

 

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