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鳩山首相「県内」確認 中央突破か

 鳩山由紀夫首相は米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題をめぐり沖縄を訪問してから一夜明けた5日、平野博文官房長官と公邸で今後の対応を協議した。5月末決着に向けて、県内移設に地元の理解を得るよう引き続き努力する方針を確認。「最低でも県外」という“公約”が破られ地元は強く反発しているが、首相は中央突破を図る意向のようだ。

 首相は午前10時すぎから、平野氏と約2時間にわたって協議。関係者によると、沖縄訪問に同行した松野頼久、滝野欣弥両官房副長官のほか、外務、防衛両省の担当者も同席。首相と仲井真弘多沖縄県知事、稲嶺進名護市長らとの会談結果を踏まえ、今後の地元、米国との交渉の進め方について意見交換した。両省の担当者は4日に防衛省で開いた日米実務者協議のもようを報告した。

 首相は就任後初となった沖縄訪問で、衆院選前の昨年7月に明言した「最低でも県外」との“公約”を破り、発言について「私自身の代表としての発言だ」と党の公約ではないと強弁。地元は反発を強め、稲嶺名護市長らは県内移設を拒否する考えを首相に表明した。しかし、平野氏らとの協議では、首相が約束した5月末決着に向けて、県内移設に地元の理解を得るよう引き続き努力する方針を確認した。

 政府はキャンプ・シュワブ沿岸部(名護市辺野古)を埋め立て、滑走路などの代替施設を建設する現行計画を修正し、辺野古沖にくい打ち桟橋方式で代替施設を造るほか、鹿児島・徳之島にも一部の部隊か訓練を移転する案を固めている。ただ、徳之島の3町長も、あす7日の首相との会談で移設反対を表明する方針で、5月末決着のめどは全く立っていない。決着できなかった場合の政権立て直し策として、女房役の平野氏更迭論がくすぶり始めている。

 たちあがれ日本の平沼赳夫代表は5日、都内で記者団に、首相の対応を「安易に有権者に県外移設を約束したことは政治家として本当に軽率だった。この人に指導力はあるのか」と批判。同党の与謝野馨共同代表も都内での街頭演説で、県外移設は民主党の公約ではないと首相が釈明したことについて「ああいうインテリの秀才は言い訳をする」と批判した。

 また、米国務省のクローリー次官補(広報担当)は4日(日本時間5日)の定例会見で、首相が県内移設を初表明したことについて「成功裏に結論が出るまで、われわれは(交渉の)プロセスを続ける」と述べるにとどめ、評価を避けた。

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