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“ギリシャ危機”はアメリカの陰謀なのか

【政治・経済】

2010年04月30日 掲載

米格付け会社とオバマ政権の思惑が一致

 ギリシャ危機はアメリカの陰謀ではないか。そんな見方が浮上している。タイミングが絶妙過ぎるというのだ。
「そもそも米格付け会社のS&Pが、ギリシャ国債の格付けを3段階も下げて危機を再燃させたのは、米ゴールドマン・サックス(GS)の訴追問題で世界が揺れていた時期と重なっています。世界の目をGSからそらすためにギリシャ危機をあおったというのが正解ではないか」(市場関係者)
 本当だとしたら驚愕のシナリオだが、確かに格付け会社の動きは不自然だ。ギリシャの財政悪化を受け、EU(欧州連合)やIMF(国際通貨基金)は緊急融資を前提に話し合いを続けていた。ギリシャ問題は決着寸前だったのに、なぜかS&Pはギリシャだけでなくポルトガルやスペインの格付けまで下げ、欧州危機を再燃させたのだ。
「GS問題が世界の主要テーマになると、格付け会社の立場も危うくなります。GSそのものや、GSの社内メールでゴミとすら書かれたCDO(債務担保証券)の格付けをしたのはどこかと責任を追及されかねない。主要な格付け会社は焦っているはずです。だからギリシャをターゲットにすることで自らの危機を回避したとみることもできます」(経済ジャーナリスト)
 オバマ政権の思惑とも一致する。ギリシャの政府財政赤字は対GDP比で13.6%。とんでもなく悪いのは事実だが、米国の財政赤字だって実はギリシャとそう変わらない。
 OECDが昨年11月に発表した09年の見通しで米国は11.2%。OECD加盟国平均は8.2%だから、米国は平均以下で、日本の7.4%よりずっと悪いのである。
「米国の財政赤字がクローズアップされ、米国債が暴落したら中間選挙を控えるオバマ政権は大打撃です。欧州危機を演出する理由はそこにある」(市場関係者)
 アメリカの陰謀に、世界は翻弄されているのか。
~2010年04月30日以前の記事~