2010年5月5日 23時12分
ギリシャで5日、欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)の総額1100億ユーロ(約13兆5000億円)融資と引き換えに政府が決めた緊縮策に抗議する24時間のゼネストが行われた。首都アテネ中心部のデモでは、一部の参加者が投げた火炎瓶が銀行の入った建物に引火、建物が炎上し3人が死亡した。DPA通信によると、約20人が内部に取り残されており、死者が増える可能性がある。
ギリシャでは今年に入り財政危機が表面化。政府の相次ぐ緊縮策に対し、デモや暴動が続いていたが死者が出たのは初めて。政府の改革策に影響が出る可能性もある。
国営イタリア放送は火炎瓶を投げたのは労組員らではなく、過激派の若者集団と伝えた。警察発表によると、デモには計約2万7000人が参加し、一部は国会前で警官隊と衝突。ANSA通信によると自治体事務所などアテネの複数の場所で火災が発生した。
ゼネストは官民の2大労組連合組織が実施。空港や鉄道、フェリー、病院、学校などにも波及し、社会機能はまひ状態に陥った。
緊縮策は公務員の削減や賞与の段階的廃止、年金の削減や受給年齢の引き上げ、付加価値税などの増税が柱。パパンドレウ政権は、融資を正式決定する7日のユーロ圏諸国緊急首脳会議に間に合わせるため、緊縮策関連法案の6日中の可決を目指している。(共同)