考えの甘さ、勉強不足を鳩山首相認めた

　鳩山由紀夫首相（６３）は４日の日程終了後、基地移設問題への考えの甘さや勉強不足を認めた。地元では、県外移設を求め９万人の県民集会が開かれたが「最低でも県外と、ここまで多くの人が考えている厳しさをあらためて実感した」と発言。さらに「（県外移設を主張した）昨年の衆院選当時は、海兵隊が抑止力として沖縄に存在しなければならないと、思っていなかった」と全体像を見通せていなかったこととした。ただ「私自身の言葉で、発言の重みは感じている」と認めた上で「もっと早く来いという気持ちを踏まえ、おわびに来た。これからも意見交換したい」と沖縄県再訪に意欲を示した。

　一方、社民党党首の福島瑞穂消費者行政担当相は「首相は沖縄の強い思いを受け止めて政治を行うべきだ」と、わざわざ頭を下げた首相に県内移設断念を迫った。「国外、県外移設」を掲げる社民党の連立政権離脱の選択肢が現実味を帯びるため。この日は離脱を否定したが、与党内の足並みの乱れは広がっている。

　岡田克也外相は「首相はよほどの決意で沖縄に行っている。沖縄県民も理解してほしい」と強調。仙谷由人国家戦略担当相も「この段階で普天間問題が片付かないからといって、政治責任を取らないといけない話ではない」と首相をかばったが、同じ民主党内でも「首相を矢面に立たせた内閣官房の責任は重い」（生方幸夫副幹事長）という声も出るなど、与党内の調整不足も露呈した状況となっている。

　［2010年5月5日9時4分　紙面から］