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2010.04.01

米ロケット開発「民営化」のウラに潜む深謀遠慮とは?


写真提供/AFP/時事通信社

先日、オバマ大統領がアメリカ宇宙開発の“方針大転換”をぶち上げたと大きく報道された。その中でも特にセンセーショナルだったのが、NASAが2004年から行ってきた新型ロケットの開発を凍結、今後は開発を民間にシフトするというプラン。しかし「民間ロケット」ってやや心もとない気が…。本当に民間企業がロケットを作れるのか?

「かなり勝算があってのことだと思います。2004年にスペースシャトルの引退が決まった時から、国際宇宙ステーション(以下、ISS)に物資を運ぶための無人ロケットを民間企業に作らせる計画は始まっています。すでに『スペースX』というベンチャー企業が試験機の打ち上げに成功しています」(科学ジャーナリストの松浦晋也氏)

今後、NASAは無人だけでなく有人ロケット開発も積極的に支援していくとか。なぜこうした“民営化”の動きが起きたのか?

「ロケット開発を民間委託するとNASAの予算と時間が浮きます。その分をより遠い宇宙を目指すための研究や技術開発に注力できる。例えば、月や火星、その他の小惑星の中で本当に人類が行く価値がある場所を調査したり、そこに行くために必要な技術を基礎から構築したり。本気で足腰を鍛え直そうというのが今回のプランです」

アメリカの方針転換を受けて、日本の宇宙開発には影響があるのだろうか?

「大いにあります。今、日本の宇宙開発は深刻な予算不足。年間430億円のISS運営費がかさみ、新しい技術を開発できない状況です。50年以上続けてきたロケット開発も昨年途切れてしまった。オバマプランはISSを2020年まで延長することも発表しているため今後10年間は国産ロケットを作れないかもしれないのです。一方で、アメリカは民間ロケットをバンバン作る。いずれ、それを日本に売りつけにくるかもしれません」

ここらで、日本も明確な方針を示さないと、大変なアドバンテージを取られそうだ。
(榎並紀行/アイドマ・スタジオ)

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