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衆議院議員・保坂展人の国会だより
元気印通信No.33 2002年10月25日発行 発行●保坂展人と元気印の会


「拉致事件と核開発」に向き合う
衆議院議員 保坂展人


  9月17日、小泉総理の平壌訪問と金正日総書記との会談の場で「日朝国交正常化交渉」の合意が生まれ、『平壌宣言』に両国首脳の署名がされた。その場で金正日総書記側から明かされた拉致事件の告白と「5人生存。8人死亡」という衝撃的な内容は、思わず絶句するような酷さだった。
  突然、何者かに襲われ、拉致・監禁されるままに20年以上も年月を重ねるなど許されることではない。発表をそのまま信じる訳にいかないが、8名の方がすでに亡くなっているなど、国家的犯罪以外の何ものでもない。その尊厳と人権のために原状回復を何としても求めたいと思う。
「社民党は、拉致事件に消極的だったではないか」「朝鮮労働党との友党関係をこれからどうするのか」「拉致事件の被害者家族に謝罪の言葉はないのか」
  私自身も多くの厳しい批判を受け止めた。そのさなかで、「拉致問題の対応の遅さ」を理由に、参議院議員田嶋陽子さんの離党記者会見(10月7日)も起きた。
  1か月後の10月17日、「社民党は拉致事件の追及が十分でなく、被害者ならびに被害者家族の皆さんに大変申し訳なく、力不足を謝罪する」という見解を常任幹事会で確認した。
  さらに、朝鮮労働党に対して拉致事件への厳重抗議と真相解明を求める書簡を出し、日朝国交正常化交渉の中で加害者である北朝鮮側からの誠意ある努力が尽くされることを求める意思も明らかにした。

 遅い、あまりにもスローだという声も耳に痛い。この見解が表明された日には、(生存していると発表された)被害者5人が帰国してそれぞれの故郷へ向かっている頃だった。
  社民党が老舗であることを知らない人はいない。私自身、「社会党(当時)と朝鮮労働党との交流」などについて、門外漢であっても、ノレンを出しているからには説明責任がある。田嶋さんのように「誰も教えてくれなかった」と言う訳にもいかない。この党見解を出した日の午後には北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)は、核開発を進めていることが米朝間協議で明らかになったというニュースが飛びこんできた。
  とんでもないことだ。拉致を認め、工作船を認め、核開発を認めた金正日外交はどこに向かうのか。今のところ「イラク攻撃」に傾いているアメリカは対話と平和的な解決の枠組みに抑えようとしているが、北朝鮮に対しての包囲網は強まらざるをえない。韓国の金大中大統領が12月に退陣すると、新しい政権がこれまでの太陽政策を継承するかどうかも焦点となる。

 89年10月、ベルリンの壁は崩れた。互いに銃口を向けあっていた東西ドイツは統一されて、いまや統一通貨ユーロが流通するEUの中心となっている。しかも、先日の選挙では「イラク攻撃に参戦せず」を掲げたSPD/社民党と緑の党が僅差で野党を下し政権維持に成功した。
「ベルリンの壁」から13年後の秋、日朝首脳会談は行われた。東西冷戦の軍事緊張が続いていた朝鮮半島で、軍事独裁型の臨戦態勢を維持してきた北朝鮮が、明らかに
変わり始めた。これからの道は平坦ではない。揺り戻しもあるやもしれない。それでも対話の糸口は生まれ、日朝国交正常化交渉も行われる。

冷戦の呪縛をすてよ

 日本は36年間、朝鮮半島を植民地とした。母国語である朝鮮語ではなく、日本語を強要したし、皇民化教育のすえに創氏改名を迫って民族解体と日本への同化を導いた。「天皇陛下万歳」と叫んで日本軍の最前線で戦死していった朝鮮人日本軍兵士が靖国神社に勝手に祭られていることに抗議する遺族や、かつての軍人の人たちを私がソウルで訪ねたのは昨年秋のことだった。
  そして、朝鮮戦争を経て38度線で南北が銃口を向けあう民族分断が続いている。私は、南北の鉄道を再びつなぐための工事が始まっていることに注目をしている。これまで埋設された地雷が除去されて、鉄路がつながる。南北がつながるだけでなくて、中国・モンゴル・ロシアそしてヨーロッパまで、やがては貨車が動き出す。
  どうしたら、流血の惨劇を生まずに南北朝鮮の平和的な共存と統一がはたされるのか。日本がかつての植民地支配という負の贖罪をはたしつつ、新時代へ向けた一歩を踏み出すことが出来るのかが今後の責務ではないか。昨年の韓国訪問で、与野党の国会議員から「アジア経済共同体」をめざして、本音で語りあうつながりをつくろうとの提案があった。
  朝鮮半島における準戦闘状態を解消することの利益は限りなく大きい。アメリカが横田基地に掲げる朝鮮戦争当時からの「国連軍」という旗も降ろされたたまれることになるだろう。ベルリンの壁の崩壊がなければ、EUの統一通貨まで実現することは出来なかった。アジアで経済共同体を準備して、日米安保中軸から、近隣国による多国間の安全保障へと転換していく道筋をどう描くのか。21世紀の入口にいる私たちの役割は大きい。
「大東亜共栄圏」を掲げてアジア諸国に軍事的侵略を行ったという過去の歴史が、日本外交をひたすら欧米中心主義にむかわせた。日本政治史の中で、政権を握り続けた自民党は現在も「大東亜戦争」を賛美し、中国・朝鮮を差別・蔑視するような人物がいて、数々の問題発言を繰り返し、アジア諸国に警戒心を抱かせてきた。私たちの世代の政治家の役割は、戦後も続いてきた負の呪縛を断ち切ることだ。
  東西冷戦下の社会党にも、当然ながら呪縛があった。ステレオタイプに、社会主義国は良心的平和勢力と位置づけ、無警戒に友好と交流の杯を重ねた。個人崇拝が乗じて、硬直した北朝鮮の専制的な政治権力を正面から批判する人が少なかったのは、厳然たる事実だ。
  私自身は、数万人が一斉に動くマスゲームなどに興じる国家や宗教団体には強い違和感を持っていた。訪朝する機会もなかったし、誘われることもなかった。今回の拉致事件や核開発の追認などについては、何のしがらみもなく、強く批判し筋を通すべきだという主張をするべきと考えたし、これからもそうする。
  しかし、日本に定住する在日朝鮮人への差別や嫌がらせについては、深刻に痛みを持って受けとめたいと思う。これまで、民族学校を卒業した生徒の国立大学受験を認めるべきだという立場から質問をしたり、改善を求めることはしてきた。また、定住在日外国人の地方参政権付与については賛成し、たとえ朝鮮総連がどのような異論をさしはさんでも、意見としては聞くが方針を変更することはなかった。
  これから、朝鮮問題は大きく動くことと思われる。私たちにとっては、大きな価値軸の転換を迫られているのは間違いない。私は、過去の歴史を率直に見つめ、「冷戦の呪縛」を解き、国家・民族・言語を超えた「人権」のキーワードで、これからの朝鮮半島の激動期に向き合っていきたいと思う。
  今、北朝鮮からは、いつ大量の難民が溢れだしても不思議ではない状況となっている。中国東北部には、脱北者と呼ばれる北朝鮮から越境した人たちが多数存在し、また韓国に亡命を希望する人々の数も急増している。
  国際難民条約批准国としての日本が、いかに冷たく鎖国的な対応を示すのかを瀋陽の日本領事館への駆け込み事件で、世界中に暴露されたが、一次滞在施設や職業技術訓練などを引き受ける必要も出てくるだろう。
「第2次朝鮮戦争」を絶対に起こさせないという強い決意が必要だ。平壌宣言にある多国間の枠組みとは、韓国・中国・ロシア・日本・アメリカと北朝鮮の6か国の協議と合意の上で、今後の国際協調をめざしていこうということだから、日本の役割は大変に大きい。

平和運動のうねりを!

 私はまもなくアメリカに旅立つ。イラク攻撃が時々刻々と迫る中で、アメリカ市民の中から「戦争を止めろ!」という大きなうねりが起きていると聞いて、いても立ってもいられなくなった。ワシントンDCとサンフランシスコで10月26日、大規模な反戦行動が準備されていると報道されている。
  この8月、バーバラ・リー下院議員と会った。(詳しくは月刊『社会民主』9月号の記事を参照されたい)土井党首とも対談して、日米の平和を創る意志を持つ議員交流を実現させたいという点で一致したが、世界の保安官=戦争屋になることを拒否する良心的なアメリカの国会議員と、連帯し連携するこの意味は限りなく大きい。
  さらに11月には、死刑廃止議員連盟の一員として超党派で韓国を訪問する。昨年に出会った韓国の与野党の国会議員が、日朝首脳会談をどのように見ているのかもしっかり受けとめてきたい。
  臨時国会の57日間、小泉政権の迷走はより深まるだろう。竹中経済クラッシュも、人々を絶望的な生活破壊・雇用縮小の修羅場へと向かわせる。その大嵐を超えて、雇用を守りセーフティーネット(安全網)をどのように確保するのか――大きな仕事が待っている。
  プラモデルで軍艦を組み立てることが趣味だと公言する防衛庁長官が就任した。有事法制も一挙に加速するおそれも十分に出てきている。右の大連合は融通無碍だが、日本を軍事暴走国家にしないための勢力結集が必要だと誰もが感じはじめている。
  しかし、動かなければ歴史は始まらない。動くためには熱い志と、強い人の輪と、しっかりした足場が必要だ。みなさんの力をぜひお借りして、鉄の扉をこじあけたい。
 

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