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【解説】
パンデミック対策を成功させる「十カ条」
── 新型インフルの本格流行に備える
パンデミック発生! そのとき企業は? IT部門はどう対処する?
(2010年05月05日)
第六条:ブロードバンド・アクセス
重要な従業員にブロードバンド・アクセスを提供する
ダイヤルアップ・アクセスは、エンタープライズ・アプリケーションを長時間使う従業員にはあまり役に立たない。重要な従業員には自宅向けのブロードバンド・アクセスと、どこでも利用できるモバイル・ブロードバンド・アクセスを提供しなければならない。それにはモバイル・データ・カードが効果的なソリューションだと、ホックマス氏は語る。
「最悪の場合、従業員は自宅でも仕事ができなくなるだろう。健康や安全上の理由から、自宅のある地域を離れ、ノートブックPCを携帯して仕事をする必要に迫られることもありうる」。
ホックマス氏は、モバイル・ブロードバンド・カードを複数のキャリアから購入することを勧めている(写真1)。「重要な従業員にさまざまなキャリアのカードを支給することも、高可用性を確保する手段になる。エンドユーザー側でロード・バランシングを行うことになるからだ」(同氏)
写真1:健康や安全上の理由で自宅から離れなければならない場合には、ノートブックPCなどで仕事を続ける必要も出てくる(写真は、AcerのTimelineシリーズ「Aspire 1410」) |
第七条:Webアプリケーション
Webベースのアプリケーションをテストする
Webベースの電子メールやアプリケーションが最新の機能を備えていることを確認する必要がある。「あなたの会社が使うWebベースのアプリケーションが、従来型のアプリケーションに匹敵するサービス・レベルを提供することを確認しなければならない」とホックマス氏。
「数人のパワー・ユーザーを選んで、Webメールやリモート・アクセスを存分に使ってもらえばよい。一方で、1〜2人の初心者ITユーザーにも操作してもらい、そうしたアプリケーションにリモート・アクセスするのが彼らにとってどれほど大変なのかを調べることも重要だ」。
さらにホックマス氏は、コンシューマー・ベースのWebアプリケーション、例えば「Google Docs(ドキュメント共有)」「Skype(VoIP)」「AIM(インスタント・メッセージング)」などを、社内アプリケーションのバックアップとして使うという手もあると語る(画面1)。
画面1:Webアプリケーションを社内アプリケーションのバックアップとして使うという手もある(画面は、グーグルの「Google Docs」) |
第八条:研修
従業員に複数分野の研修を受けさせる
企業で使われる主要アプリケーションの中で、どのような状況でも継続稼働させる必要があるものを決定すると、次に問題になるのは、だれが稼働を継続させることができるかという点だ。
ミッション・クリティカルなアプリケーションの運用に適したスキルを持ち、その認定を受けている人員を十分に確保するには、従業員に複数分野の研修を受けさせる必要がある。
これは銀行など、規制されている業界に特に当てはまる。銀行の従業員が顧客データを扱うには、しかるべき認定を受けていなければならない。「従業員に複数の認定を受けさせるとよい。そうすれば、機動的な人員配置ができるからだ」(ドロット氏)
第九条:業務フロー
業務を簡素化するための計画を作成する
IT部門を現在の60%のスタッフで数週間運営すると仮定し、どのような手を打たなければならないかを考えるべきだと、ドロット氏は力説する。「IT部門の活動規模を円滑に縮小できるように、どの業務を省くかを判断しなければならない」と同氏。
また、CIOが新型インフルエンザに感染した場合は、IT部門統括の代行者も次々と発症する事態を想定して、だれがどのような順番で代行に就くかを決めておく必要もある。もちろん、代行者には、適切なデータ・パーミッションおよびアクセスを与えるようにしなければならない。
第十条:従業員
何よりも従業員を大事にする
パンデミックやそのほかのディザスタに対し、経営陣が取るべき適切な対応は、第一に従業員の安全を確保したうえで、ビジネスの再開に頭を巡らせることだ。「企業が真っ先に考えなければならないのは、従業員のことだ。しかし、企業はプラントや設備にばかり目を向け、労働力を二の次にする傾向がある」とポタートン氏は語る。
さらに同氏は、「従業員にとって大切なのは、まず我が身。そして家族であり、仕事や顧客を気にかけるのはその次であることを、企業は理解する必要がある」と付け加える。
全体的に見ると、新型インフルエンザの感染拡大は、IT部門にとってBCPを更新するチャンスであるとともに、レイオフや給与凍結で低下した従業員の士気やロイヤリティを取り戻すチャンスでもある。
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