スーパーユーザーのためのWindowsコマンド再入門:move――ファイルの移動、ファイル名やフォルダ名の変更
GUI全盛の時代にあっても、コマンドラインが利用できれば便利な場面が多いのも事実だ。本連載では、スーパーユーザーを目指すあなたのためにWindowsのコマンドラインを1つずつ解説していく。今回はmoveだ。
move――ファイルの移動、ファイル名やフォルダ名の変更
UNIX/Linuxでは「mv」
ファイルやフォルダを移動する、もしくはファイルやフォルダ名を変更するコマンド。ファイル名を変更する場合、ワイルドカードが利用できるrenameコマンドを用いた方が便利。
オプション | 使用例 | 詳細 |
---|---|---|
送り側ファイル名(必須) 受け側ドライブもしくはフォルダ名 | move a:\sample.doc c:\ | 送り側では特定のファイルを正しいファイル名で入力する必要がある。複数ファイルを移動したい場合には、「,」(カンマ)で区切って指定可能 |
現ファイル名 新ファイル名 | move sample1.doc sample2.doc | 送り側、受け側ともにファイル名を指定した場合、ファイル名の変更を行う |
現フォルダ名 新フォルダ名 | move folder1 folder2 | 現フォルダ名を新フォルダ名に変更する |
Windows 2000ユーザーのための初回だけのTips「コマンドラインでの入力補完」
Windows XP以降、コマンドラインでの入力補完は標準設定となっているが、Windows 2000の標準設定では入力補完されないので使いにくい。そこで、Windows 2000でのコマンドラインで入力補完する方法を解説する。
方法1 cmdの起動オプション(/f:on)
cmd.exeを起動する際、例えば、スタートメニューで「ファイル名を指定して実行」を選び「cmd」と入力する代わりに、「cmd /f:on」と入力すると、
Ctrl+Fキー:ファイル名とディレクトリ名の両方を補完
Ctrl+Dキー:ディレクトリ名の補完
が使えるようになる。
方法2 レジストリを修正
レジストリの修正は、間違うと致命的な問題となることがあるので、慎重に作業し、作業前にレジストリのバックアップをしていただきたい。また、修正後はOSの再起動を行う。
補完機能有効化は、全ユーザーへの設定か、ユーザーごとの設定かによって修正するレジストリが以下のように異なる。
全ユーザー:HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\Command Processor
ユーザーごと:HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Command Processor
この項目で、以下のレジストリキーを追加するとWindows 2000でもWindows XP同様に入力補完が働く。
対象 | レジストリキー | データ型 | 値 |
---|---|---|---|
ファイル名とディレクトリ名 | CompletionChar | DWORD | 文字制御コード。Tabキーで補完するのであれば「0x09」 |
ディレクトリ名 | PathCompletionChar | DWORD | 文字制御コード。CompletionCharで指定したコード以外を使う。Ctrl+Dキーならば「0x04」 |
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