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再出発する「日本の翼」
 経営破たんした日本航空は19日、主要子会社2社とともに東京地裁に会社更生法の適用を申請し、地裁が即日、更生手続きの開始を決定した。負債総額は金融会社を除いた事業会社として過去最大だという。今後は企業再生支援機構の支援を受けて、3年間で経営再建にあたる。運航については従来どおりで営業を続ける▼3年間という短い期間で再建が軌道に乗るのか。今後の推移を見守るしかないが、かなりの荒療治が必要になることだけは間違いない。日航サンパウロ支店に勤務する社員も動揺が走ったことは言うまでもない。旅行会社でも日航からの情報がないため、今後のチケット販売に二の足を踏むところも出てきている。しかし、日航のブラジル路線を維持してもらうために、日系コロニアは今こそ日航のブラジル路線を使い、恩返しをするべきだろう。余り知られていないが、移民100周年のとき、日航はブラジル日本移民100周年記念協会に対し、10枚のチケットを無償提供してくれた。同協会関係者がブラジルと日本を何度も往復するための費用を圧縮するために依頼し、快く提供してくれたものだ。これだけではない。今まで、日系各団体はことあるごとに無償チケットの提供をお願いしてきた経緯がある▼日航は、2月、3月の2か月間、週3便を2便に減便すると発表していたが、先週には減便期間を10月までに延長した。日航サンパウロ支店ではこの措置は今回の経営破たんとは直接関係がないと言うが、利用客は週2便では使いづらく、単に1便減った分の収益が減少するだけではなく、他の2便にも影響が出てくることは避けられない。当然、日航サンパウロ支店も様々な方策を考えているだろうが、旅行会社も利用客も「便数が少なく使えない」と切り捨てるのではなく、日航便を使えるような日程を組めばいい。2日や3日長逗留したところで滞在費が少し上がるだけだろう▼「日本の翼」がブラジルの空から消えては困る。主要国がブラジル路線を維持しているのに、日航が路線を切り捨てるのは、日本の威信に関わる。移民70周年のときに定期就航した「日本の翼」。両国交流を果たす飛行機の「笠戸丸」だった。日伯間をますます身近にするために、この路線は死守してほしいと多くの人たちが願っている。(鈴)



2010年1月20日付
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