中日スポーツ、東京中日スポーツのニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 中日スポーツ > 格闘技 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【格闘技】

えっ亀田陣営が坂田戦入札画策 影武者作戦…大失敗

2010年5月5日 紙面から

 亀田陣営のウルトラC不発−。WBAは3日(日本時間4日)、米ラスベガスで、フライ級王者の亀田大毅(21)=東日本協会=に同級元王者で現7位の坂田健史(30)=協栄=が挑む世界戦の入札を実施。坂田所属の協栄ジムが31万5000ドル(約3000万円)で落札した。この入札には何と、ジムが無期限活動停止中の亀田陣営も参加を企てた。メキシコ人プロモーターを“影武者”にして画策したのだが、入札開始直前に、用意した小切手がWBAが規定するものではないことが判明。結局参加できず。作戦は失敗に終わった。

 こんな裏技があったのか−。日本から遠く離れた米ラスベガスで、亀田陣営がアッと驚く一手を繰り出した。この日の入札に、当初、参加を表明していたのは、協栄ジム金平桂一郎会長ただ一人だった。だが、入札会場にはもう一人、男がいる。手には亀田陣営の委任状を持っていた。

 亀田ジムは無期限活動停止中。五十嵐会長はプロモーター、クラブオーナー両ライセンスの無期限停止処分中。大毅を預かる東日本協会は入札に「参加しない」と表明。それでも、どうにかして入札に参加したい亀田陣営。そこで飛び出したウルトラCが、親交のあるメキシコ人プロモーターを“影武者”として派遣、落札を狙うという作戦だった。

 入札はWBAから認定されたプロモーターならだれもが参加できる。メキシコ人プロモーターは亀田陣営の委任状を認められ、いざ入札へ。ところが開始直前、参加料を提示したところ、WBAからストップがかかった。WBA指定の米ドル小切手ではなく、メキシコのペソ建てだったようだ。何とも初歩的なミス…。ここで“影武者作戦”はジ・エンド。金平会長は「小切手を提示する場面で止められていました。WBAの適用外だったようです。結局、入札に参加できなかったので、あちらが提示しようとした金額も分かりません」と現場の状況を説明した。

 “影武者”まで投入した執念には、亀田陣営と協栄ジムの因縁がある。亀田プロモーションは、かつて所属した協栄ジムとファイトマネー約1億円の未払いなどをめぐり係争中。これまで大毅−坂田戦を徹底的に拒否してきた。今年2月、史郎氏は「地球が爆発しても(坂田とは)ない」と発言。「やらなぁ〜アカン対決があるやろ」と裁判の早期決着を訴えていた。

 興行権を獲得した金平会長は20日以内に契約書をWBAに提出しなくてはならない。焦点は大毅が契約書にサインをするか−に移る。対戦を拒否すれば王座はく奪となる。その前に先手を打って、ベルトを返上する可能性もある。ただ、対戦を義務づける入札に参加を画策していたことにより、坂田戦を行う意思はあると受け取れる。

 落札した協栄ジムは7月24日、25日、31日のいずれかに首都圏の会場で試合を行うことを提示した。地球爆発級の因縁マッチ。大毅−坂田戦は7月下旬にも実現する。

 

この記事を印刷する

中日スポーツ 東京中日スポーツ 中日新聞フォトサービス 東京中日スポーツ