漫画家を参考人招致へ 泥沼化する「2次元児童ポルノ規制」で都議会
5月4日22時37分配信 産経新聞
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東京都の2次元児童ポルノ規制に記者会見で反対する漫画家のちばてつやさん(左)と里中満智子さん(右)=3月15日、東京都庁(写真:産経新聞) |
[フォト]漫画家の永井豪さんらも改正案反対
■見えぬ着地点
「(利害関係がはっきりせず)築地市場の移転問題より難しい」。ある民主都議は、条例案の6月議会への先送りが決まった後、そうつぶやき、厳しい表情を見せた。
全国初の試みとなる条例案で規制するのは、教室での少女強姦(ごうかん)や恋愛と称した近親相姦など社会規範に著しく反した内容の漫画やゲームなど。成人コーナーを設けるなどして、18歳未満の子供への販売抑止を図る狙いだが、「創作活動が萎縮(いしゅく)する」などの考えから反対論も根強い。
自民側は「作品を見ればこの程度の規制は当たり前」とする。しかし、民主幹部は「(規制対象となる18歳未満と想定できるキャラクター)『非実在青少年』の定義をはじめ、条文のあいまいさを修正する必要がある。場合によっては9月議会で審議してもいい」とし、都側が修正をしない場合には、条例案の再度の先送りも示唆した。
■入浴シーンは?
民主の指摘する「あいまいさ」とはなんなのだろうか。都は先月26日、規制基準を明確にするため、都民から寄せられた疑問点に対する「回答」をホームページに掲出した。
それによると、藤子・F・不二雄の人気漫画「ドラえもん」に登場する「しずかちゃん」の入浴シーン▽長谷川町子の「サザエさん」のワカメちゃんのパンチラ▽永井豪の「キューティーハニー」の変身シーン−など、裸体や下着姿を描くこと自体は規制の対象外とした。
また、一般に広く流通しない同人誌は対象とならないとしたほか、「みだりに」や「性的対象として」など、条例案に出てくる抽象的な文言の解説も行った。
だが、実際に規制対象となるとみられる作品についての具体的な言及はない。都の担当者は「著作権が壁となり、作品名を示すことができなかった。支持を得るには現物を見せるのが一番なのだが…」と弁明に終始する。
■小説との違いは?
規制の対象外となる小説との“格差”を指摘する声もある。
「コミック表現の自由を守る会」の世話人を務める漫画家、里中満智子さんは、「18歳未満の性体験で言えば『源氏物語』も規制の対象。原作の文学はよくて、漫画化したものは子供に見せられないのか」と疑問を呈する。
都は小説について、「絵の方が視覚的にインパクトがある。性交や性器を表す言葉は多岐にわたり、どんな子供でもすぐにその意味が理解できるものではない」と説明するが、民主幹部は「文章では絵を上回る表現ができないということか。漫画家はもちろん小説家にも失礼だ」と話すなど異論が噴出した。
条例成立に向けて課題は山積するが、修正を主張する民主側も具体的なアイデアを持ち合わせていないのが実情。自民側からは「なぜ自分たちで修正案を出さないのか」との批判もある。都議会では漫画家らの参考人招致に向けた準備を急いでいるが、先行きは不透明なままだ。
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最終更新:5月5日1時9分
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