住民から県外移設要求相次ぐ
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住民から県外移設要求相次ぐ

5月4日 17時38分

沖縄県を訪れている鳩山総理大臣は、アメリカ軍普天間基地がある宜野湾市で住民と意見交換を行い、住民側から県外・国外への早期移設を求める意見が相次いだのに対し、抑止力を維持する観点から、県内に基地機能の一部を移設せざるを得ないとして、理解と協力を求めました。

鳩山総理大臣は4日午後、普天間基地に隣接する宜野湾市の普天間第二小学校を訪れ、校舎の屋上から、基地周辺に住宅が密集している様子や基地の現状を視察しました。そして、鳩山総理大臣は、基地周辺に住む住民など、およそ100人との対話集会に出席しました。この中で、出席者から「一部であろうと県内移設には絶対反対だ。県民は納得しない」という意見や、「どこにいても怖いという子どもの声にしんしに耳を傾け、東京に持ち帰って決断してほしい」などと、県外・国外への早期移設を求める意見が相次ぎました。また、「去年の衆議院選挙で、鳩山総理大臣が『県外移設はできる』と発言したので、民主党を応援した。県外か国外かと思ったら、回り回って沖縄に来るという政治の現実はあまりにひどい」などと批判する意見も出ました。これに対し、鳩山総理大臣は「北東アジアの情勢を考えたときに、抑止力の必要性と日米同盟の重要さを認識した。将来的には国外も可能だろうが、残念ながら、今は望めない。陸上部隊との関係で距離的な制約もあり、あまりに遠くに移すのも不可能だと判明した。恐縮だが、沖縄に負担をお願いせざるを得ないのが現状だ」と述べ、現行案の修正を念頭に、県内に基地機能の一部を移設せざるを得ないとして、理解と協力を求めました。そのうえで鳩山総理大臣は「普天間基地の危険性や騒音の除去を考えると、先延ばしは考えられない。5月末までに結論を出すことを変えるつもりはない」と述べました。そして、鳩山総理大臣は「さきの衆議院選挙の際に『最低でも県外』と言っただけに、新たな基地の存在は、わたし自身許せないことで重さは感じている」と述べました。最後に鳩山総理大臣は「皆さんから『最低でも県外移設を』という思いをたいへん強くいただいたが、しばらくは沖縄にご負担をお願いしなければならない状況であることも申し上げないといけない。短時間であり、納得いただけないことは理解している。『もう来るな』と言われるかもしれないが、さらに皆さんの気持ちを学ぶ機会をつくりたい」と述べました。会場では、鳩山総理大臣が話している間に、数人から怒号が飛んだほか、集会が終わったあとに鳩山総理大臣に詰め寄ろうとする女性もいて、一時、騒然とした雰囲気になりました。