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アニメーターの卵、国費で育成 文化庁、2億円投入へ

2010年5月4日3時1分

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 「若いアニメーターのすそ野を広げ、将来、頂点を担う才能を育てたい」と、文化庁がアニメ制作に国費を投入する。企画を公募し、実際の制作で学んでもらう。総事業費は約2億1千万円。近年、制作工程の一部が海外に発注されるケースが増え、国内で高い技術を学ぶ機会が減っているとの危機感が背景にある。

 アニメ制作では、キャラクターの動きの節目を描く「原画」のほかに、原画と原画との間をつなぐ「動画」と呼ばれる絵が必要だ。アニメーターは最初、動画で訓練をし、その後原画を担当。その中から、原画や動画などの作画工程に責任を持つ作画監督や、作品全体の責任者である監督が育つ。

 ところが、動画の工程は、人件費の安い中国、韓国や東南アジアで制作されることが増えてきた。その結果、「動画や仕上げ工程の海外依存が進み、人材育成ができず、原画の技術レベルが下がっている」(ある制作会社社長)との指摘がある。

 アニメ制作ではCG技術も活用されているが、日本のアニメではキャラクターなど主要な部分は手描きが主流で、「手描きで生まれる味わいが国産アニメの魅力」(文化庁芸術文化課)という。

 今回の事業では、国内での制作を条件に、約30分の短編オリジナル作品4本の企画を公募。専門家による選考委員会が、企画の面白さだけでなく、キャラクターが活発に動く筋書きかどうかなど、アニメーターにとって動画や原画を描く訓練にふさわしい作品かどうかも判断する。

 今年6月から約半年を制作期間とし、費用は1本あたり3800万円の予定。プロによるノウハウの提供など、現場での訓練をサポートする体制も用意する。作品はテレビ放送やアニメイベントでの上映などで発表してもらうことも検討中だ。事業の成果は報告書にまとめ広く活用する。(赤田康和)

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