現在、若年層の3分の1が非正規社員の仕事しか得られていません。そして、非正規社員は年収が正規社員に比べて低いうえ、その後の賃金上昇率も低いため、結婚がしづらいのです。
従って、子ども手当以上に有効な政策は、「正規・非正規の均等待遇の確保」であり、「若年層にも十分な働き口が供給される名目経済成長率の確保」なのです。
結婚して子供が産まれたカップルに手当を出す政策は評価しますが、そもそも、結婚すらできなくなった若者たちをどうやって支援するのか、国策レベルでは何ら明確な手は打たれていません。
私が現政権に求めたいのは、子ども手当の成立と同時に、「正規・非正規の均等待遇の確保」を明文化して法案とすること、そして、名目成長率をプラス4%以上とし、そのために物価上昇の誘導を現在の年率0〜2%から、より高い2〜4%にすることです。
若年層が安定的に雇用され、結婚して子どもが産まれる。それが消費の拡大につながり、そこから経済成長が生まれて税収が増える。そのような好循環を政府が数値目標を立てて作り出すことで、初めて子ども手当は生きてくると考えます。
子ども手当を機会に、ぜひ日本が長期安定的に成長し続けるための労働政策やマクロ金融政策にも意識を向けてください。
山田昌弘、白河桃子 著/ディスカヴァー携書/1050円
2009年度の流行語大賞にノミネートされた「婚活」。この言葉を生んだオリジナルの本です。なぜ「就活」ならぬ、「婚活」(結婚活動)が必要になってきたのか。昔なら大抵の人がある年齢になれば自然にできた結婚が、なぜ今はできなくなって、晩婚化・非婚化が進んでいるのか。結婚問題に詳しい社会学者の山田昌弘氏とジャーナリストの白河桃子氏が、社会的な環境変化を様々なデータに基づいて分かりやすく解説。結婚するには、従来の伝統的な結婚観から新しい結婚観へと意識を転換する必要があることを提言しています。現代の日本社会を知るのに必読の一冊です。
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