JAL_
   

ひばりコンサート 9都市で開催予定
DVDは日本側から無料提供 詳細説明のない実行委員会

 24日に行われた文協(木多喜八郎会長)の第138回評議員会の「その他」の議題で、「美空ひばりフィルムコンサート・ブラジル公演」について、1枚のプリントが配布された。それによると、当初20万レアルの予算をかけて行うはずだった同コンサートは結局、ひばりプロダクション側から無料でDVDを提供してもらい、今年8月中にサンパウロ(4回公演)をはじめ、地方8都市で開催する予定だという。しかし、スポンサーからの協力状況の経緯など、フィルム・コンサート実行委員会(頃末アンドレ委員長)からの詳細に関する説明は一切なく、出席者からは「バカにしている」と非難する声も上がった。

 出席者に配布されたプリントには、「ひばりプロダクションにはDVDの無料貸与と提供に伴う一切の所有権映像権の負担をお願いした」とある。しかし、当初企画されていた美空ひばりプロダクション関係者の来伯や歌手の中平マリ子母子の同行に関する事柄などは明記されていない。

 費用について実行委員会では当初、同プロダクション関係者の来伯と伯国内を回る経費などとして、20万レアルの予算捻出方法を各スポンサーに寄付を依頼するとし、利益については、伯国内でのコンサート実施の際の入場料でまかなう考えを示していた。

 しかし、今年3月の文協常任理事会では、同月10日までの期限で目標としていた資金調達が難しいとして、当初の企画通りの実施を打ち切ったことを発表。昨年12月の評議員会で強行採決までして「大風呂敷」を広げたにもかかわらず、「資金が集まらなかった」とし、開催できるのか否かが注目されていた。

 今回配布された日ポ両語でのプリントには、「サンパウロ市においては文協で4回開催する予定。この公演では文協がスポンサーを探して開催する」とある。

 また、各地方文協への確認事項で、映写技師と文協代表者2人分(計3人分)の交通費、宿泊、食事代を、公演開催を希望する現地側で負担することや、入場料金を徴収しないことなどを条件に、聖市近郊やサンパウロ州奥地、アマゾン地域など八つの地方団体から公演場所の提案があるとしている。

 これらの件について、頃末委員長がこの日の評議員会に出席していたにもかかわらず、要点が箇条書きされたプリントが配られただけで、当初の企画が打ち切られたことへの謝罪や詳細説明は一切なく、同委員会の無責任体制が改めて露呈した形となった。

 出席者からは、「(昨年の12月に)評議員の反対を押し切ってまで強行したのに、細かい説明も無しに金が集まらないから無料でやるなどというのは我々をバカにしている」との意見もあった。

 これに対して文協側からは山下譲二副会長が「各地から出張してほしいとの声を考慮した」との説明に留まり、頃末委員長は同件に関しては口をつぐんだままだった。

2010年4月28日付
戻る
otimisticos
Ana2
Centro Educacional Pioneiro
Gateball
Alfainer
Paran Shimbun
nippobrasilia