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「憲法9条知ってる?」若者は/憲法記念日
2010年05月04日
憲法記念日の3日、県内各地で憲法の意義を見つめ直す催しが開かれた。憲法を変える手続きを定める国民投票法が18日に施行されるが、憲法論議で中心になるのは、やはり戦争の放棄をうたった第9条だ。「9条知ってる?」。若い人たちに尋ねてみた。
この日、広島市中区の原爆ドーム周辺では、核不拡散条約の再検討会議にちなんだ集会や、憲法9条を「変える」「変えない」を、シールで投票してもらう催しがあった。
集会に参加した廿日市市出身の大学3年藤本佐和さん(20)は「9条の精神を生かし、戦争の加害も被害も乗り越え、世界が平和になればいい」とその意義を強調した。
「国際紛争を解決する手段としては、永久に……」。条文をすらすら唱え始めたのは、広島市安佐北区の中学1年、寺本捷虎(しょう・こ)さん(12)。学校で学び、暗唱できるようになったという。「9条があれば、戦争をしないですむ」
シール投票で「変える」にした高校1年の生徒は「日本だけ戦争しないと言っても、世界には戦争しているところがあって、日本だけかっこをつけてる感じがする」と話す。
日ごろ、憲法について話し合う機会は少ないようだ。広島市佐伯区の中学2年、小林蘭奈(ら・な)さん(14)は「9条って言われても何だか分からない。でも、私たちが生きている時に戦争は起きてほしくない」。東京都から原爆ドームを訪れた岡井一真さん(24)も「昔習ったような気がするが……。大人になって学べる機会がほしい」と話した。札幌市から観光で来た湊史靖(みなと・ふみ・やす)さん(26)はシール投票で「分からない」を選んだ。「自分の国は自分で守るという主張もそうだと思うし。難しい」
弁護士や大学教授らが広島市中区で開いた憲法集会では福祉政策の在り方を問う「憲法ミュージカル」も上演された。参加した同区の高校3年、高橋悠真(ゆう・ま)さん(17)は社会問題研究部の部長。「9条は自分たちの将来にかかわる大事なもの。残しておくのは当たり前」。一方、府中町の高校2年、松田瑠香(る・か)さん(16)は9条の中身は詳しく知らなかったという。「もっと勉強して、平和を意識していくのが大事だと思った」という。
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