憲法記念日の3日、那覇市民会館で、イラク支援ボランティアに取り組む高遠菜穂子さんによる憲法講演会(主催・県憲法普及協議会、沖縄人権協会など)があった。米軍が総攻撃をしたファルージャを中心にボランティア活動をしてきた高遠さんは、総攻撃には在沖米軍が主力として大量動員されたことに触れ、イラク戦争が沖縄と深く結びついていることを認識してほしいと訴えた。
高遠さんは、2004年にイラクで武装勢力に拘束された際、イラク人が日本の自衛隊撤退を要求したことについて、「彼らは日本人に戦争責任を問うた。どうして米国のイラク攻撃を支持し、イラクに『軍隊』を送ったんだと。この問いに日本の誰も答えていない」と述べ、イラク戦争はまさに憲法9条の問題が問われていると指摘した。
また、高遠さんは、イラクで撮影した映像などで、米軍がイラク国民に対して行った非人道的な行為などを紹介。こうした米兵を輸送したのが日本の自衛隊だったことを考えてほしいと問いかけた。
その上で、憲法9条を実践する大切さを説いた。非暴力での対話や運動が世界の平和につながるとして、「小さなことからでも始めたら、政府も動かせると思う」と強調した。
講演に先立ち、県憲法普及協議会の高良鉄美会長は、今月18日に憲法改正手続きを定めた国民投票法が施行されることについて、「憲法の中身が実現できていないうちに、変えようとする動きがあるのは問題。法の中身もはっきりしていなくて危うい。世界に誇れる日本国憲法の重要性を一緒に考えよう」と呼び掛けた。
会場に集まった1300人が、「憲法の理念に反する『新基地』を拒否します」との宣言に賛同した。