鳩山首相・沖縄県議会の会談詳報
5月4日16時35分配信 産経新聞
高嶺善伸・沖縄県議会議長「鳩山由紀夫内閣総理大臣におかれましては、本日は日帰りの厳しいスケジュールの中、貴重な時間をいただきまして誠にありがとうございます。沖縄県議会といたしましては、本日時間の都合もございますので、2点の要望に絞って申し上げたいと思います。1点は米軍普天間飛行場の早期閉鎖、返還と県内移設に反対し、国外、県外移設を求めることについて。2点目は名護市辺野古沿岸域への基地建設反対についてであります。詳細につきましては要望書をご参照いただきたいと思います」
「ところで本議会はさる2月24日に米軍普天間飛行場の早期閉鎖返還と、県内移設に反対し、県外国外移設を求める意見書を48名の議員全員で全会一致で可決し、ただちに政府に要請を行ったところでございます。さらに先般、4月25日には県民9万人が結集した県民大会を開催し、県民の不退転の決意を国内外に示し、要請団80名が上京し、政府に要請をおこなったところであります。残念ながら鳩山総理に面談をすることはかないませんでしたが、要請に対して関係閣僚からはまだ移設先は決まっていない、最後は総理がお決めになると説明されてまいりました。県民は鳩山総理が昨年夏の衆院選で最低でも県外と発言された約束に大きな期待を寄せております。ところが鳩山内閣の閣僚の中でたとえば昨年11月23日に来県された岡田外務大臣は県外は事実上選択肢として考えられないと発言しており、鳩山総理の意向に反する報道であります。このような発言は廃藩置県以来の度重なる琉球処分の歴史に荷担する新たな差別に他ならないという県民からの指摘があります。どうか鳩山総理におかれましては強力なリーダーシップの元、普天間飛行場の県内移設を断念していただくことを強く要求いたしたいと思います」
「先ほど仲井真知事に対し、辺野古沿岸への修正案を説明なさったということを漏れ聞いておりますが、沖縄県におきましては、県内移設は絶対反対というのが議会の立場でもあります。この際申し上げたいと思いますのは、政府といたしまして、SACO合意と嘉手納以南の米軍基地が返還されても全国の米軍専用施設の70%が引き続き沖縄に残るという現実から、在沖米軍施設の整理縮小などによるさらなる負担軽減と返還軍用地跡地利用への支援、日米地位協定の抜本的改正に強力に取り組んでいただけるようお願い申し上げます」
「以上でありますが、鳩山由紀夫内閣総理大臣におかれましては、沖縄県民の決意をお酌み取りいただき、米軍普天間飛行場の早期閉鎖、返還と、県内移設を撤回し、国外、県外移設を実現していただけますよう、強く要請いたします」
鳩山由紀夫首相「このたびは沖縄におじゃまをいたしました折、高嶺議長をはじめ、県議会の先生方にこのように短時間ではございますがお目にかからせていただくことができたことを大変ありがたく思っております。また、高嶺議長から、県議会の総意であるという中で、二点のご要請をいただきましたことをしっかりと受け止めさせていただきたいと思っております」
「私も新政権を作らせていただく際に、でき得れば最低でも県外と、普天間の移設先に関して申し上げたことは事実でございまして、その言葉の重みというものはしっかりとかみしめなければならないと思って、今日まで活動してまいったところでございます。ただ、なかなか環境は容易ではないということも、政権をとりましてから日々感じているところでございまして、日米同盟の中での抑止力を維持していくための海兵隊の役割、いかにあるべきかということの中で、また、一方では、陸上部隊とヘリ部隊との間の共同訓練と言うことを考えていく中で、厳しさというものも痛感してまいっているところでございます」
「今、高嶺議長からお話がありましたように、先般、議長はじめ、みなさま方が上京なさったときに、お目にかからせていただく機会を作れなかったことを申し訳なく思っておりますが、その時にもありましたように、まだ、最終的に案というものが決まっているわけではありません。今、きょう、米国側との間で議論が進められ始めてきたと言うことも、これも事実でございますが、その中でどのようにして、私どもの思いというものを、また県民のみなさんの思いというものをしっかりと受け止めさせていただくかということを、きっちりと議論してまいりたいと、まいらなければならないと思っております」
「大事なことはこの普天間の危険性の早急の除去と、それから沖縄の県民のみなさんの負担をできる限り減らさせていただくために最大限努力を傾注してまいりたい。そのように感じておりますが、先ほど仲井真知事に対しても沖縄のみなさま方にもまだご負担をお願いしなければならないという状況もあろうかと思うということで、おわびを申し上げてきたところでもございます」
「また同時に、日米の間の議論の中で沖縄の県民のお気持ちというものをできる限り学ばせていただきたいと思っておりまして、きょうは基本的には沖縄のみなさま方のお気持ちを、知事をはじめ、また議長をはじめ、学ばせていただきたいと思って沖縄にまいらせていただきました。これからも5月末までに機会を見ておじゃまをでき、またみなさま方とご議論させていただければと思っておりますが、まずは高嶺議長はじめ、県議会のみなさま方、おそろいの中で要望をいただきましたことを受け止めさせていただく機会にさせていただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします」
玉城義和副議長「副議長の玉城でございます。辺野古のある名護市の選出でございますので、少し申し上げたいと思っています。今の総理のご発言は私どもにとって極めて残念な発言だというふうに思っております。選挙で私どもはですね、民主党の新しい政権で、県外、国外ということを大きく期待をいたしたわけでありますが、総理の発言は強く県内を示唆するという感じを受けまして、極めて遺憾に思っております。県民含めて、非常に残念であります」
「この13年間ですね、辺野古に決定されて、この間、杭一本打てないわけですね。総理も発言しておりますが、これは地元の反対運動もさることながら、県民の7割、8割、9割が反対をしているという、圧倒的な反対の世論に支えられているわけで、その意味ではこの13年前、14年前の条件と違っていませんし、なお悪化しているわけですね。そういう意味で、なお辺野古に移設、県内移設ができると考えることは、私は極めて政治的に言えばリアリティーのない、現実味のない事だと思います」
「それで具体的におうかがいしますが、メディアで言われている徳之島を含めて、QIT方式含めて、メディアで報道されているわけですが、これについて総理の今のお立場で、この案について、どこまでどうなっているか、県民はやっぱり、非常に強い不満と不安を持っているのでご説明をいただきたいと思います。是非、私どもは県議会は県外、国外ということで一貫して全会一致でやっておりますので、是非ともそういうことも含めて総理のご見解、ご意見をうかがわせていただきたいと思います」
首相「今、おたずねの副議長からございました。私はきょうも仲井真知事に地域を指定したお話を一切いたしておりません。これは推測してさまざまメディアが流しているところではないかと思っております。そういう中で当然、いろいろな検討はしておりまして、ただ、ご案内の通り、私は基本的には埋め立てというやり方で果たしてよいのかと。環境を相当これは配慮するべきではないかと。環境というものに対して最も配慮するべき時を迎えているのではないか。基地問題もそうではないか。そのようにも考えているところでもございまして、一般論の中で埋め立てということは極力抑えるべきではないかという考え方が今、政府の中で出てきており、また、アメリカとの議論の中でも当然そのことは追求していきたいと考えておるところでございます」
副議長「沖縄と徳之島の関係者にお会いになることは、メディアの報道を裏付けるというふうにわれわれは受け取っているんですが、そのへんはどうなんでしょうか?」
首相「あの、ですから、沖縄のみなさま方に、また徳之島のみなさま方にも率直に基地に関してご負担を、普天間の基地の移設に関して、ご協力を願えないかという思いで、またきょうも、おわびを申し上げながら、沖縄のみなさん方に少しでもご理解がいただければという思いでおじゃまをいたしました。この徳之島に関してもそのようでございまして、また、ただ、徳之島に関してもご案内の通り、厳しい世論がございますこともご案内の通りでございます」
司会「次の日程もございますので、これをもって終了させていただきます」
複数の県議「普天間移設は全面撤回してください」「大変遺憾なことですね」「県内移設断念してください」「県内移設は断念してください。ちゃんと公約守ってくれよ」
首相(頭を下げただけで無言で立ち去る)
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「先ほど仲井真知事に対し、辺野古沿岸への修正案を説明なさったということを漏れ聞いておりますが、沖縄県におきましては、県内移設は絶対反対というのが議会の立場でもあります。この際申し上げたいと思いますのは、政府といたしまして、SACO合意と嘉手納以南の米軍基地が返還されても全国の米軍専用施設の70%が引き続き沖縄に残るという現実から、在沖米軍施設の整理縮小などによるさらなる負担軽減と返還軍用地跡地利用への支援、日米地位協定の抜本的改正に強力に取り組んでいただけるようお願い申し上げます」
「以上でありますが、鳩山由紀夫内閣総理大臣におかれましては、沖縄県民の決意をお酌み取りいただき、米軍普天間飛行場の早期閉鎖、返還と、県内移設を撤回し、国外、県外移設を実現していただけますよう、強く要請いたします」
鳩山由紀夫首相「このたびは沖縄におじゃまをいたしました折、高嶺議長をはじめ、県議会の先生方にこのように短時間ではございますがお目にかからせていただくことができたことを大変ありがたく思っております。また、高嶺議長から、県議会の総意であるという中で、二点のご要請をいただきましたことをしっかりと受け止めさせていただきたいと思っております」
「私も新政権を作らせていただく際に、でき得れば最低でも県外と、普天間の移設先に関して申し上げたことは事実でございまして、その言葉の重みというものはしっかりとかみしめなければならないと思って、今日まで活動してまいったところでございます。ただ、なかなか環境は容易ではないということも、政権をとりましてから日々感じているところでございまして、日米同盟の中での抑止力を維持していくための海兵隊の役割、いかにあるべきかということの中で、また、一方では、陸上部隊とヘリ部隊との間の共同訓練と言うことを考えていく中で、厳しさというものも痛感してまいっているところでございます」
「今、高嶺議長からお話がありましたように、先般、議長はじめ、みなさま方が上京なさったときに、お目にかからせていただく機会を作れなかったことを申し訳なく思っておりますが、その時にもありましたように、まだ、最終的に案というものが決まっているわけではありません。今、きょう、米国側との間で議論が進められ始めてきたと言うことも、これも事実でございますが、その中でどのようにして、私どもの思いというものを、また県民のみなさんの思いというものをしっかりと受け止めさせていただくかということを、きっちりと議論してまいりたいと、まいらなければならないと思っております」
「大事なことはこの普天間の危険性の早急の除去と、それから沖縄の県民のみなさんの負担をできる限り減らさせていただくために最大限努力を傾注してまいりたい。そのように感じておりますが、先ほど仲井真知事に対しても沖縄のみなさま方にもまだご負担をお願いしなければならないという状況もあろうかと思うということで、おわびを申し上げてきたところでもございます」
「また同時に、日米の間の議論の中で沖縄の県民のお気持ちというものをできる限り学ばせていただきたいと思っておりまして、きょうは基本的には沖縄のみなさま方のお気持ちを、知事をはじめ、また議長をはじめ、学ばせていただきたいと思って沖縄にまいらせていただきました。これからも5月末までに機会を見ておじゃまをでき、またみなさま方とご議論させていただければと思っておりますが、まずは高嶺議長はじめ、県議会のみなさま方、おそろいの中で要望をいただきましたことを受け止めさせていただく機会にさせていただければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします」
玉城義和副議長「副議長の玉城でございます。辺野古のある名護市の選出でございますので、少し申し上げたいと思っています。今の総理のご発言は私どもにとって極めて残念な発言だというふうに思っております。選挙で私どもはですね、民主党の新しい政権で、県外、国外ということを大きく期待をいたしたわけでありますが、総理の発言は強く県内を示唆するという感じを受けまして、極めて遺憾に思っております。県民含めて、非常に残念であります」
「この13年間ですね、辺野古に決定されて、この間、杭一本打てないわけですね。総理も発言しておりますが、これは地元の反対運動もさることながら、県民の7割、8割、9割が反対をしているという、圧倒的な反対の世論に支えられているわけで、その意味ではこの13年前、14年前の条件と違っていませんし、なお悪化しているわけですね。そういう意味で、なお辺野古に移設、県内移設ができると考えることは、私は極めて政治的に言えばリアリティーのない、現実味のない事だと思います」
「それで具体的におうかがいしますが、メディアで言われている徳之島を含めて、QIT方式含めて、メディアで報道されているわけですが、これについて総理の今のお立場で、この案について、どこまでどうなっているか、県民はやっぱり、非常に強い不満と不安を持っているのでご説明をいただきたいと思います。是非、私どもは県議会は県外、国外ということで一貫して全会一致でやっておりますので、是非ともそういうことも含めて総理のご見解、ご意見をうかがわせていただきたいと思います」
首相「今、おたずねの副議長からございました。私はきょうも仲井真知事に地域を指定したお話を一切いたしておりません。これは推測してさまざまメディアが流しているところではないかと思っております。そういう中で当然、いろいろな検討はしておりまして、ただ、ご案内の通り、私は基本的には埋め立てというやり方で果たしてよいのかと。環境を相当これは配慮するべきではないかと。環境というものに対して最も配慮するべき時を迎えているのではないか。基地問題もそうではないか。そのようにも考えているところでもございまして、一般論の中で埋め立てということは極力抑えるべきではないかという考え方が今、政府の中で出てきており、また、アメリカとの議論の中でも当然そのことは追求していきたいと考えておるところでございます」
副議長「沖縄と徳之島の関係者にお会いになることは、メディアの報道を裏付けるというふうにわれわれは受け取っているんですが、そのへんはどうなんでしょうか?」
首相「あの、ですから、沖縄のみなさま方に、また徳之島のみなさま方にも率直に基地に関してご負担を、普天間の基地の移設に関して、ご協力を願えないかという思いで、またきょうも、おわびを申し上げながら、沖縄のみなさん方に少しでもご理解がいただければという思いでおじゃまをいたしました。この徳之島に関してもそのようでございまして、また、ただ、徳之島に関してもご案内の通り、厳しい世論がございますこともご案内の通りでございます」
司会「次の日程もございますので、これをもって終了させていただきます」
複数の県議「普天間移設は全面撤回してください」「大変遺憾なことですね」「県内移設断念してください」「県内移設は断念してください。ちゃんと公約守ってくれよ」
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最終更新:5月4日16時35分
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