兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局が散弾銃を持った男に襲われ、記者2人が死傷した事件から、3日で23年になります。支局に設けられた拝礼所には関係者などが訪れて、亡くなった記者を悼んでいます。
昭和62年5月3日の夜、兵庫県西宮市の朝日新聞阪神支局に散弾銃を持った男が押し入り、当時29歳だった小尻知博記者が殺害され、もう1人の記者が大けがをしました。事件から23年になる3日、支局の1階には拝礼所が設けられ、小尻記者の知人や一般の人が遺影に手を合わせていました。また、支局の3階にある事件の資料室が公開され、小尻記者が当日着ていた血の跡が付いたジャンパーなどが展示されています。一連の事件は、犯人が特定されないまま、7年前に時効になっています。小尻記者の父親の信克さん(82)と母親のみよ子さん(79)は、「何年たとうとも、あの日の記憶が薄れることはありません。生きているうちに事件の真相を解明してもらいたいという気持ちに変わりはありません」と話しています。朝日新聞阪神支局には、3日午後7時まで拝礼所が設けられ、事件が起きた午後8時15分には、社員などが黙とうをして小尻記者を追悼します。