最高裁 科学的な証拠の研究へ
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最高裁 科学的な証拠の研究へ

5月2日 4時58分

足利事件の裁判で、DNA鑑定を有罪の有力な根拠としたことが誤った判決の一因になったことなどを受けて、最高裁判所は、DNA鑑定など科学的な証拠を裁判の中でどう取り扱うべきか、司法研修所で本格的な研究を始めることになりました。

DNA鑑定など科学的な証拠は、科学技術の進展に伴って、裁判で有罪か無罪かを判断する際の重要な決め手となっており、足利事件をはじめ、裁判のやり直しを求める訴えの中で、鑑定が正しかったのかどうか、争われるケースも増えています。最高裁判所が司法研修所で始めることになった研究では、3人の裁判官とDNA鑑定の専門家が共同で、これまでの裁判で科学的な証拠が判断のどのような根拠になってきたのか分析します。また、鑑定の技術が将来、進展することを見据えて、鑑定の結果を過大視せずに限界をどのように見極めるべきなのかという点についても、研究するということです。さらに一般の人から選ばれた裁判員に、科学的な証拠の意味を理解してもらうための説明の仕方についても検討することにしています。司法研修所では来年の秋までに報告書をまとめ、実際の審理に役立ててもらうことにしています。