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時評コラム

花岡信昭の「我々の国家はどこに向かっているのか」

小沢氏、政治生命を賭けた「最終決戦」へ

実態は「党高政低」より「小高鳩低」に近い

 支持率20%割れも目前と見られる鳩山政権だが、参院選前のタイミングで、鳩山、小沢両氏とも、あるいはいずれかが(その場合、小沢氏辞任の可能性が濃くなったというのが「起訴相当」がもたらす印象だ)辞任し、新体制で参院選に臨もうとするのか。

 昨年の代表辞任劇を思い出す。小沢氏は涙の記者会見を行ったが、そのあと、秘書たちと居酒屋に出かけ、関係者によれば「してやったりと、ほくそえんでいた」という。

 「起訴相当」の議決を受けて、「やましいところはない」と続投の意向を述べた小沢氏は、そのときと同様に側近たちと居酒屋に出かけている。

 奈落の底に突き落とされたように見せておいて、不死鳥のごとくによみがえるというのが、これまた「小沢流」である。

 鳩山政権は小沢氏によって出来上がったのだという事実を改めて想起する必要がありそうだ。

 これもまた関係者によれば、小沢氏は民主党の幹部たちが「バカ、アホ」に見えて仕方ないのだそうだ。

 かつて小沢氏は自民党時代に「担ぐミコシは軽くてパーがいい」といったとされる。その時と同様に、小沢氏は鳩山首相をはじめ政権、党の幹部たちを完全に「飲んで」いるのである。

 この力関係は、小沢氏がこういう境遇に置かれても、なお基本的には変わらない。鳩山首相は「党のほうでなにか判断がなされる可能性はある」と述べるのがやっとだった。

 ガソリン税の暫定税率維持や高速道路の料金問題で、小沢氏は官邸に乗り込み、政府方針を覆した。「党高政低」、というよりも「小高鳩低」のほうがより実態に近いと思われるが、そうした力関係の落差が厳然として存在するのだ。

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