石綿を高温蒸気で無害化 安価、セメントに再利用健康被害が懸念されるアスベスト(石綿)を含んだ建築廃材を、高温の蒸気で無害化する新技術を新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と戸田建設(東京都)、大旺新洋(高知市)が共同で開発した。 高温で溶かす既存の方法と比べ、処理温度を抑えられ、コストとエネルギーを大幅に節約できる。 開発チームは、家庭用オーブンにも使われる高温の水蒸気「過熱蒸気」に注目。950度の水蒸気が大量の熱を無駄なく伝え、アスベストを無害な物質に化学変化させるのに成功した。処理後の廃材は砕き、セメントの材料として再利用する。 NEDOによると、アスベストを含んだ廃材を無害化するには、1500度以上の高温で溶かす必要がある。このため、大半は熱処理されず袋に入れて埋め立てられる。 開発した技術では、処理エネルギーは従来の約3分の1、コストは半分程度。廃材を砕く必要がないのでアスベストが飛び散らず、安全面でも優れるという。2012年度の事業化を目指す。 10年代には年間100万トン以上の廃材が出るとされ、効率的な無害化技術が求められている。 【共同通信】
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