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D 第4回 警察の手先として行動したネット右翼 |
C 第3回 キリストの幕屋とは? |
B 第2回 「つくる会」の本質は右翼ファシスト |
A 第1回 「つくる会」教科書反対運動の妨害にあらわれたネット右翼 |
研究:ネット右翼と嫌韓流(投稿) 第4回 警察の手先として行動したネット右翼
05年8月4日朝、都政を革新する会の北島邦彦事務局長は、ネット右翼と警察が一体となった「暴行罪」のデッチあげで不当逮捕。
国鉄闘争の幕引きを狙った国労中央本部による臨時全国大会開催(02年5月27日)に際して、
1 反対派を警察へ売り渡すことを目的に登場今回は、ネット右翼が05年夏の杉並での教科書採択をめぐる攻防のなかでおこなった行動をふり返りながら、彼らの位置と存在を確認していきたいと思います。
05年8月4日と12日、杉並区教育委員会で区立中学校の教科書の採択が予定されていた日、「つくる会」教科書に反対する人びとがそれまでの継続的な運動の積み重ねのうえに、杉並区役所前に大挙集まりました。 ◆低水準で軽薄なパフォーマンスの裏にこめられた悪質な意図 第一に、「つくる会」教科書に反対して区役所前に結集した人びとをすべて「中核派だ」「過激派だ」と大声でふれ回ったことです。これは、「中核派」「過激派」のレッテルを貼れば、運動の勢いを削ぎ、なにかしら傷をつけられるのではないかという浅はかな意図にもとづいています。 ◆「被害届」で北島事務局長を警察に売り渡す8月4日朝9時過ぎ、都政を革新する会の北島邦彦事務局長が、ネット右翼の男Aにたいし「暴行をふるった」として警察に逮捕されました。Aはそのときのようすを得々とネット上で次のように語っています。
要するにAは、反対派の人びとにビデオカメラを向けて無断撮影をおこなったこと、しかもそのことを北島事務局長らに抗議されてもやめずに挑発的にビデオ撮影を続けたこと、そしてその抗議にたいして「110番通報」をしたことをみずから認めているわけです。Aは携帯電話でだれかと連絡を取りながら、この自覚的な挑発行為をおこなっていました。
当て字を乱用したこの手の雑文を読み慣れていない方にはわかりにくいと思いますが、要するに、「警察が被害届を出せと強く求めてきたので、俺は『警察はよっぽど中核派を弾圧したいんだろうなあ』と思って被害届を出した。公安警察にとっての弾圧対象としては、ネット右翼よりも過激派のほうがはるかに重要だから、俺たちの方から暴力行為に出なければ自分たちが警察にやられる心配はまったくない。みんな安心して、反対派を挑発し、警察に売り渡そう」というきわめて恥知らずな呼びかけなのです(「ちゃねら」とか「ちゃねらー」とは「2ちゃんねる」の熱心な利用者、「2ちゃんねらー」のこと)。 ◆警察の弾圧を自分たちの成果と誇る 他のネット右翼の連中は、Aの挑発―警察へのたれ込み―被害届提出―北島事務局長の逮捕をはやし立て、持ち上げました。たとえば、「先日のOFFではちゃねらーの力により中核派の一人が逮捕されました!」と(「2ちゃんねる」への8月7日の書き込みより)。
このように呼びかけあって8月4日と同12日に区役所前に登場したネット右翼は、小泉政権・石原都知事―東京警視庁が「つくる会」教科書反対派を何か口実をつけて弾圧しようとしているということを明確に意識して、その手先としての役割を果たそうとしたのです。それがどれほど反動的で犯罪的なことか、それは現在の日本の治安情勢を考えてみればいっそうはっきりします。
2 戦時型治安弾圧体制めざして繰り返される不当弾圧・不当逮捕 いま小泉政権は、アメリカ・ブッシュ政権と一緒になって、泥沼的危機に陥っているイラク侵略戦争・占領をさらに絶望的に続けようとしています。そればかりか、やはりアメリカと手を結んで中国・北朝鮮にたいする侵略戦争を構えています。
3 「俺たちは右翼じゃない」と叫ぶ彼らこそ現代版右翼の一典型 ここまで検討してきたことをふまえてもう一度05年8月4日と12日の状況をふり返ってみると、次のようなことが言えます。 @教科書採択日の8月4日、反対運動の声の高まりのなかで、区教育委員会は社会科の教科書については採択できず、「つくる会」教科書採択のキーパーソンである納冨教育長さえ「どれでもいい」とまで言わざるをえないところまで追い詰められた。これに危機感を燃やした山田区長は8月12日に向けて、なんとしても「つくる会」教科書の採択をおこなわせようとして執念を燃やしてのぞんでいた。 ◆「つくる会」派右翼の別働隊として、警察の弾圧の水先案内人として 戦時型治安弾圧体制づくりのために「ことあらば」と機会をうかがっている警察に呼応し、「被害」をデッチあげて反対派の人びとを獄中に放り込むことに少しもためらいを感じないネット右翼――彼らは、人権感覚のカケラも持ち合わせていない腐敗したやから、悪質な右翼と言わざるをえません。 ◆中国・韓国・北朝鮮にたいする差別的・排外主義的憎悪が最大の動機 彼らネット右翼はしきりと、「自分たちは右翼じゃない」「自分たちは『つくる会』じゃない」「ただの2ちゃんねらーだ」などと、ネット上でも現実世界でも自己主張しています。しかしそれはまったくナンセンスです。
2月末、「つくる会」が崩壊的危機に瀕していることが明るみに出ました。長い内紛のすえついに八木秀次会長の解任という事態にまで立ちいたっています。これは05年夏の教科書採択戦で大敗北をこうむったことを決定的原因としています。8月4日・12日杉並を頂点とする「つくる会」教科書採択反対の全国的闘いがきわめて大きな意味をもっていたことを今日あらためて明らかにするものにほかなりません。 (by深見 潔)
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研究:ネット右翼と嫌韓流(投稿) 第3回 キリストの幕屋とは? 靖国神社で戦前、兵士は死を決意させられ、財閥のための戦争で殺し殺されていった。小泉首相は05年10月に姑息にも拝殿を避けながら参拝を強行した。
1 「つくる会」「日本会議」を牛耳るカルト的・宗教的右翼団体 前回、「つくる会」にしても、この「つくる会」ときわめて密接な関係にある全国的な改憲右翼組織「日本会議」(旧「日本を守る国民会議」)にしても、「実際の会員のかなりの部分が特定の諸団体の構成員によって占められてい(る)」と指摘しました。そして、その「特定の諸団体」とは「統一教会であり、生長の家であり、キリストの幕屋であり、さらに神道系の諸団体などで」あり、「これらはすべて、宗教の装いをとったカルト的右翼団体」と書きました。
2 「『つくる会』が講演すると、その団体が動員される」03年の1月26日に、東京の砂防会館において1200人を集めて、上でふれた「日本の教育改革」有識者懇談会(民間教育臨調)の設立集会が開かれました。これについて、日本の戦争責任資料センター事務局長の上杉聰(さとし)氏は、直後に発表した「日本における『宗教右翼』の台頭と『つくる会』『日本会議』」と題する論文の中で、次のように分析しています(以下、教科書情報資料センターのホームページより引用)。
小林氏にしてみれば藤岡氏に「追われるようにして脱会した」かどうかは異論があるところかもしれません。それはともかく、かつては「つくる会」の宣伝係として大いに名をはせ、また「つくる会」歴史教科書執筆者の1人でもあった漫画家の小林よしのり氏は、キリストの幕屋について次のように語っています。
3 キリストの幕屋――その教義と実践 ・キリストの幕屋、正式団体名は「宗教法人 原始福音・キリストの幕屋」。 ◆凶暴な超軍事国家イスラエルを崇拝 ◆強烈な民族主義と反民主主義 幕屋は彼らの信仰の根本をなす「我らの信条」の第一で次のように宣言しています。
何らかの活動をしている人が特定の宗教の信者であることや、その宗教団体の活動が見た目風変わりなものであること、それ自体はなんら非難する理由にはあたりません。また、信仰の問題は心の問題として、その人の内心の自由です。 ◆「つくる会」運動の構造 八木秀次氏や藤岡信勝氏、そして西尾幹二氏を代表人格とする「つくる会」は、これまで見てきたように、実際にはキリストの幕屋や統一教会、そして生長の家など宗教の形態をとった極右ファシスト集団を実働部隊として展開されています。 (by深見 潔) |
研究:ネット右翼と嫌韓流(投稿) 第2回 「つくる会」の本質は右翼ファシスト
「扶桑社 新しい歴史教科書 支持」を手に持つ前夜から動員された「つくる会」派支持者(05年8月12日、杉並区役所前)
1 新たな装いをとって登場した右翼=「つくる会」 前回、「『つくる会』教科書の採択か否かのかかった8月12日の杉並区教育委員会の当日、『つくる会』教科書賛成派右翼の人たちが大量に動員されました」と書きました。そして、「彼ら『本隊』とはちょっと違った動きをしていた『別働隊』がいた……それが『ネット右翼』」などと書きました。 ◆「つくる会」と街宣右翼はどう違う? 私たちは「右翼」という言葉を聞くと普通、黒い宣伝カーで「君が代」を大音量で流しながら戦闘服を着てがなり立てている人たちを思い浮かべます。「つくる会」の面々は「自分たちはそういうのとは違うのだ」と言いたげですが、実際にはその主張の内容は大差なく、「つくる会」は右翼そのものです。 ◆ファシスト・右翼には共通の特徴がある 2 「つくる会」を実際に支えている諸団体 ◆宗教の装いをとったカルト的右翼団体が中心 このように、「つくる会」にしても「日本会議」にしても代表は著名人を立てていますが、実際の会員のかなりの部分が特定の諸団体の構成員によって占められています。それは、統一教会(世界基督教統一神霊協会)であり、生長の家であり、キリストの幕屋であり、さらに神道系の諸団体などです。これらはすべて、宗教の装いをとったカルト的右翼団体です。 (by深見 潔) |
研究:ネット右翼と嫌韓流(投稿) 第1回 「つくる会」教科書反対運動の妨害にあらわれたネット右翼
1 「つくる会」派の大量動員と対決して闘われた8・12 「つくる会」教科書の採択に直ちに撤回の闘いが呼びかけられた(8月12日昼すぎ 杉並区役所前にて) 「つくる会」教科書の採択か否かのかかった8月12日の杉並区教育委員会の当日、「つくる会」教科書賛成派右翼の人たちが大量に動員されました。その数は数百人という規模です。彼らは、徹夜で区役所前を占拠し、あわよくば教育委員会傍聴券の独占を狙いました。8月12日の闘いは、杉並・親の会や教育労働者・保護者、多くの労働者民衆が、このような右翼の大量動員・威圧行動に一歩もひるまず逆に区役所前集会で彼らを圧倒して、闘いぬかれたのでした。
2 「ネット右翼」って何? さて、あの現場に居あわせた方は、「つくる会」派の「扶桑社賛成!」という異様なコールや、臆面もなく侵略戦争の歴史を正当化し居直る演説をけっして忘れることはできないと思います。あのような現場を体験することをとおして、「つくる会」教科書のおぞましさや危険性、その本質をますます実感されたことと思います。
「つくる会」教科書採択反対のたたかいに敵対して登場したネット右翼(05年8月4日 杉並区役所前)
3 現代版の新たな右翼勢力 彼らは日ごろ、反戦平和を訴える市民運動や中国や韓国の「反日」の闘いに対する不満やいらだちを覚え、陰湿で右翼的で差別排外主義的な心情をむき出しにした主張を、自分のパソコンから「2ちゃんねる」などの「掲示板」や自分の「日記」に書き込んでいるのです。 (by 深見 潔) |
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