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自転車専用通行帯 利用振るわず

2010年05月03日

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自転車専用通行帯を正しく走る自転車=富山市北新町1丁目

県調査で3割程度 モラルは向上?

 JR富山駅近くに国のモデル事業の一環で造られた自転車専用通行帯の利用率を県が調べたところ、3割程度にとどまっていることが分かった。自転車と歩行者の分離を目指す試みだが、多くの自転車は隣の歩道を走行し、ユーザーにはあまり浸透していないことが浮かび上がった。(壱田和華子)

 通行帯は、富山市東田地方と同市北新町の両交差点を結ぶ県道富山港線(通称・雪見通り)の約450メートルの区間に県が08年12月に整備した。片側3車線のうち歩道寄りの1車線が青く塗られ、自転車専用に規制してある。全国で自転車と歩行者の接触事故が多発したため、国が事故防止を目指して指定した「自転車通行環境整備モデル地区」の中にある。

 調査は4月下旬の平日、富山駅に向かう通勤通学の自転車が多いとみられる午前7時からの時間帯に実施された。3時間で、この区間を通った自転車計158台のうち、通行帯を走行した自転車は31%にあたる49台だった。通行帯の自転車は自動車と同じ方向にしか走れないが、49台のうち4台は逆走していた。

 一方、並行する歩道を走った自転車は109台で、通行帯派の2倍以上だった。通行帯と同じ方向に向かうのに、歩道を選んだ自転車は64台。県は通行帯の整備後、隣の通行帯と逆に向かう時だけ歩道を走るよう呼びかけているが、大半の自転車が従っていないことが示された。

 通行帯の利用が少ない理由について県道路課は、歩道沿いの商店に行く自転車は、通行帯を使うと遠回りになる▽通行帯に入る手前の信号が赤だと、自転車は停止しないで済む青信号の方向を選びがちで、結果として歩道を走ることになる――などを挙げ、「すべての自転車が通行帯を通るようにはならないだろう」と認識する。

 歩道を走っていた自転車の40代の男性は「歩道に歩行者がほとんどいないので、走っても危なくないのだからいいのでは」という意見だ。

 富山市内では、中心部で今春、バイクシェアリングが始まり、自転車と歩行者の位置を分けるため歩道に線が引かれるなど、自転車利用を促す取り組みが進んでいる。

 同課は「通行帯は450メートルしかないので使いにくい面がある。延長は考えていないが、通行帯があることで、自転車のモラル向上には役立っていると思う」と話す。

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