口蹄疫:畜産業者の車両が感染広めたか
急速に拡大、最悪の被害懸念
口蹄(こうてい)疫の防疫体制がむなしくも崩れている。最近、牛・豚の伝染病である口蹄疫が、飼料や家畜などを運送する畜産業者の車両によって全国に拡大している可能性が高いという調査結果が出たにもかかわらず、防疫当局はまともな対応ができていない。先月8日に仁川・江華で初めて口蹄疫が発生した後、同30日に10番目の感染が確認された忠清南道青陽郡の畜産技術研究所にも、飼料業者の車両がウイルスを伝染した可能性が高い、と防疫当局はみている。
防疫当局は、畜産業者の車両の移動を統制するための関連法規定がないことを理由に挙げている。しかし、口蹄疫の感染が全国に拡大しているという非常事態に、防疫当局が行政指導を通じて車両を統制することは可能なはずだが、法規ばかりを気にして対応が遅れている状況は理解できないという指摘もある。今回の口蹄疫は発生範囲や被害額などの面で、史上最悪のケースになるという見方も出ている。特に、防疫を徹底しなければならない政府機関の畜産研究所にまで口蹄疫が広まったことから、「口蹄疫大流行」の可能性も懸念されている。
■口蹄疫拡散の疑いがある畜産業者
農林水産食品部が1日に明らかにしたところによると、忠清南道に本社がある飼料会社の作業車両が、先月5日から30日までの間、8回にわたって畜産技術研究所に飼料を運送したことが確認されている。この飼料会社は、今回の口蹄疫が初めて確認された仁川・江華で2番目、5番目に発生した農家に、それぞれ先月1日、2日に飼料を供給している。青陽郡の畜産技術研究所で発生した口蹄疫のウイルスは0型(口蹄疫の血清のタイプ)で、先月8日以降、江華、金浦、忠州で発生した口蹄疫と同じタイプだ。先月21日、国土の中心部に位置する忠清北道・忠州で発生した口蹄疫も、飼料・品種改良会社の車両が原因と推定される。
■情けない防疫当局
現在、防疫当局が把握している全国の家畜飼料会社は1361社。人工授精士は500人、種畜改良事業の従事者は5698人に上る。そのほか肥料、家畜運送、薬品会社なども農家に出入りしている。
しかし防疫当局は、これら業者の移動を制限する法規定がないという理由から、業者に対する移動統制をまともにできずにいる。車両や人が感染地域を訪問した後、ほかの地域に移動するのを食い止める方法がないというわけだ。防疫当局は口蹄疫が初めて確認された後、1カ月近くたった先月30日にようやく飼料協会長、種畜改良協会長と10社ほどの飼料会社代表を集めて、「防疫に協力してほしい」と伝える程度の要請を行うにとどまっている。
崔炯碩(チェ・ヒョンソク)記者
カン・ドウォン経済i記者
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